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J.M.WESTON No.330 Straight-tip 交差点な靴

 J・M・ウエストンは大体「クラシック」と「ミシェルペリー」の2つのラインが目立つような構造になっている。日本では完成された(良い意味で枯れた、長く愛された)良さを見出す美的センスと、ただでさえ敷居の高いブランドで冒険するのも怖いのかクラシックラインが人気でデザイン要素が多分に感じられるペリーの方は今イチだ。そんなペリーとクラシックの2つの線が交差するようなコレクションが「Country Gents」。ペリーが生み出したこのコレクションは新しい試みがクラシックなツラをしてそこに存在する。

 その中でもこの330番はコレクション名を体現するような存在に思える。フォーマルど真ん中なストレートチップに施されるのは伝統的なカントリーシューズの意匠。ステッチは全て二重で道具としての側面を表現している。「冬の朝、パリ郊外のフォンテンブローからハイランド地方までの各地の森を、苔や落ち葉を踏みしめながら自信に満ちた足取りで歩く紳士たち ── 」などと世界観を彩った言葉に頷き、その物語に自分をセットしてしまう、そんな感覚が楽しい。

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今後も製作記と他愛もない話をセットで書ければと思います。 サポートしてくださると嬉しいです。