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ネット動画の作り方①

ネット動画と一口といっても、
動画の盛り上がりを見せたのはここ3年間ぐらいだ。
特にSNS系との連携によって視聴数が明確に分かることが
ネット動画の利点とされることが多い。
かく言う僕もC CHANNELという動画プラットフォームで
動画制作を現在進行形でしている事もあり、
ネット動画あり方についてだいぶ考えさせられたものの一人だ。
SNSとの相性をいかに考えることが
ネット動画をうまく作る早道だ。
動画のノウハウを得るのはもちろん大切。むしろ当たり前。
そのベースになる土台については初めに理解していた方が
制作の幅や投稿していく媒体も変わってくるので今回はそこを整理したい。


ネット動画の特徴

何と言ってもわかりやすさが最優先という事だ。
人々は空いた時間にSNSを見る。
近年、すべての世代においてインターネット利用時間が増加しており、
特に若年層は「テレビよりネット動画」
「新聞よりネットニュースをよく利用する」
傾向が強くなっているのはもはや当たり前。
さらに、10代20代の若者は検索エンジンよりも
SNSで情報収集する人が多く、ニュースから交通情報まで、
TwitterやInstagramのタグなど
リアルタイムで生の声が反映されるメディアを好んで利用するよう。

そういった即時性が強いメディア上で流れる動画は
必然的にわかりやすく、情報密度が強く、いかにして空いた時間で情報を享受できるかを念頭におく必要がある。
フェイスブックは冒頭の3秒が視聴アカウントにつながるため、
各社こぞってOPの入り方を試行錯誤している。
僕もいろいろ試してきた。
結論を一番初めに見せる、
問題提起を入れる、
サムネをわかりやすく設定する、
画面分割を入れる、
3秒間で起承転結をいかに入れ込むか?
などなど。


国内MAU(月間アクティブ ユーザー )数、メイン ユーザー の年齢層

特徴はあれど、ユーザー層によって使用SNSが違ってくることから
配信する媒体をしっかりと調べておく必要がある。
自分が制作したい動画がどこのメディアに一番適しているかなどの
事前調査はとても大切。

Facebook MAU:約2,700万人 メイン ユーザー :30〜40代 

Twitter MAU:約4,000万人 メイン ユーザー :10〜40代( ユーザー の半数は10〜20代)  

インスタグラム MAU:約1,600万人 メイン ユーザー :10〜30代(コアは20〜30代女性)

 LINE MAU:6,600万人 メイン ユーザー :10〜50代

上記のように、一口にSNSといっても、 ユーザー 規模も年齢層もそれぞれ異なることがわかる。
例えば、10代にリーチしたい場合は Twitter やLINEが有効。
反対にターゲットが30〜40代に限定される場合は
まず Facebook を検討すると良さそう。
リーチ規模を求める場合には Twitter も検討対象に入れるべき。
LINEは、日本の人口の52%以上をカバーするという圧倒的 ユーザー 規模。
10代以上の各世代の利用割合がほぼ均等に分布している。
50代以上のユーザーも20%以上おり、
まさに日本国内の幅広い世代に利用されているSNSと言える。

動画スペック

Facebook  16:9(横型)〜9:16(縦型) 最大120分 

Twitter 2.39:1(横型)〜1:2.39(縦型) 最大10分 

インスタグラム 1.91:1(横型)、1:1(スクエア)、4:5(縦型) 最大60秒
※ストーリーの場合は9:16(縦型)、最大15秒 

LINE 16:9(横型) 最大60秒

動画の自由度が高いのは Facebook と Twitter で、
横型から縦型まで、企画に応じて自由に決めることができる。
インスタグラムの動画広告は60秒までだが、
ループ再生されるという特徴あり。
一方、LINEは運用型動画広告を提供開始してまだ1年も経っていないため、
動画の仕様については限定的。


伝えたい内容をコンパクトにまとめる

以上のSNSの特性を理解した上で
動画コンテンツ活用の際に意識したいポイントのひとつに、
伝えたい内容をコンパクトにまとめることが挙げられる。
ダラダラと長い動画の場合、視聴の途中で離脱されてしまったり、
「結局何を伝えたかったのかわからない」
といった印象を与えてしまう可能性がある。
そういった事態を避けるためにも、
伝えたい内容を明確にして、
最低限のボリュームで最大限の情報を伝えられるような
動画作りを心がける。


ターゲット別に動画を作成する

より効果的にユーザーにアピールするためには、
目的別に動画を作成することも重要。
目的を細分化して動画を作成することで、
アピールしたい内容をピンポイントに伝えることができる。
例えば、会社の認知度向上を
おしゃれな感じやニュアンスで目指すのであれば、
コンセプトや目指しているブランドイメージを
ビジュアライズで表現しているInstagramなどでの動画。
情報性を重視した対談動画や考えを伝達する動画では
ツイッターのような有名人も身近に参加できる媒体が好ましい。
目的に応じて動画を作成することで、
より効果的にアピールすることができる。


検索エンジンに内容をアピールする

動画コンテンツの内容を検索エンジンに
アピールすることも忘れてはいけない。
検索エンジンは動画単体では内容を理解することができないので、
タイトルや説明文に動画に関する情報を盛り込むことが重要。
どういった人に向けられた内容なのか、
動画を見ることでどういった情報が得られるのかなど、
動画についての情報を記載して
検索エンジンに内容を適切にアピールする。


縦型動画の普及とこれから

縦型動画が徐々に盛り上がりを見せ、
スマホ撮影の活用シーンも今後増えていくことが予想される。
近年ではスマートフォンのカメラ機能も非常に高性能となっており、
スマホでの視聴を想定した動画であれば、
存分に活用できるポテンシャルを秘めていると言える。
長尺の動画よりも、短時間の動画のほうが縦型に適していると言える。
1分未満の動画を再生するのにわざわざスマートフォンを横向きに持ち直すのは、少々煩わしいと感じる方も多いようだ。

縦型と横型、さらにいうとスクエア型(1:1)をうまく使いこなしていくことが
ネット動画の早道になる。
制作しているとその特徴は全くの別物で、
本来はその形式によって制作物も変化させていくべきだ。
しかしネット動画の特徴として
SNSの特性上での大量制作を前提とすることが多いので
縦型とスクエアなどを同時に制作させられることが多いのも事実。
懸念点はどんどんこのようなネット動画が
薄利多売化している点だ。

ネット動画を作り続けた僕だから分かることとして
クリエイティブよりも情報性や魂胆つ内容重視なものが多く、
多くの映像クリエイターが嫌気がさしてきた流れもあったのも事実だ。
このような情報詰め込み型の縦ネット動画で
しっかりと作り込まれているのはワンメディアなどが代表例だろう。
クリエイターの良さを引き出すことが本来ものづくりの素晴らしさにつながる。
今のネット動画はどちらかというと
動画というツールを使ったプラットフォーム作り
の延長線上にあるものが多いと言える。

今回は現在広まっているネット動画(情報詰め込み型)についての
イロハだったが、
今後はもう一つのネット動画の未来のあり方(過剰演出型)についての
特徴を記していければと思っている。




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