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■2016:ジュビロ磐田J1戦記:第3節にむけ柏レイソルの予習

・日立台にて鬼プレ(ズッゴク)合戦で死亡確認……の日々を忘れない

■柏の基本的なもよう

●攻撃

・基本線は4231

・相手のSH・DMF・SB・CBで構成されるスクエア(チェーン)をバラして高い位置で起点を得、そこからいくつかの選択攻撃をかけるのが柏の攻撃の骨格です

・具体的には(基本的には)SB(SH)を高く上げ大外に晴らせ、SH(FW)を相手のSHとDMFの間に入れる。ここに自チームのDMFからなり、DMFで相手のDMFを釣ってコースを作り、CBから直接なりしてSB・SHにつけて起点を作る。

・起点を作りながらバイタルエリアの高さでトライアングルを形成し、DMFを動かせればその裏(中央)へボールを動かし、CBピン止めしてペナ幅使ってBOX内にスルーパスなどで侵入。SBをつり出せればその裏にボールを出して最終ラインを突破してクロスへ。

・詰まりそうだったら、1)前を向けなければ出し手に戻す2)前を向ければ、逆サイドに対角フィードを送って大外のSBを使ってラインを突破する。

・このバラしを嫌って相手がボールサイドにぐっと圧縮してきたら、それを利用してサイドチェンジ→スライド(圧縮)させる→オープンサイドのBOX内(ファー)ががら空きになるので、そこに選手を走り込ませてシュートポイントを得る

・このように基本的な骨格がかなりしっかりしていて、この枠組みの中で選手はかなり自由に、淀みなく動いてます。しかも、ボールサイドを閉じられたらこうする、というのも決まっていて、そこからもわずかな手配りでラストプレーに結びつけられる奥行きもある。これらを相手陣の高い位置でやれるので、柏の攻撃は気が抜けない。

★磐田的には?

・選択肢が生じるよう前もって準備できていて、ラストプレーへの手筋がデザインされているチーム。ひとつひとつの手筋自体を消そうとするより、骨格自体をおさえて選択肢自体が生じないようにするのが最上ですが、磐田の完成度では少し難しいかも。
・一番可能性があるのは浦和戦でやったハイラインで442中央固める、外側だけ使わせる、というので一番怖いSH~DMF間からの崩しの選択肢をあらかじめ奪ってしまうというもの。外側に出させて、そこでボールを獲れるように差配できれば、柏が戦略的に使っているSBの裏を使って突破し、中谷にボッサンを当ててボッサンで殴る、という絶好の手筋が見えてきます。しかし、内側厳締めするということは大外に人を配せない(SBとSHを動かしたら柏にSHDMF間を結局与えることになる)ので、有効な奪い方を組織できるかどうか。あえてSH~DMF間を空けて誘い込んで、三方から取り切る、SBの裏使って以下同文という狙いも可能。
・ただ柏側はそれを見越してワンタッチプレーを使って内→ポスト→外で突破する手筋も持っているので、警戒が必要
・名波は浦和戦とは違い前ハメアクションサッカーで行く的なことを言っているみたいですが、柏はCBDMFの4枚がそれぞれ起点になれるようグルーピングされているので、闇雲に追うのは危険。左CBの中谷が右足から左にボールを逃がすのに、局面によっては苦慮している節があるので、中谷がボールを持つよう追いこんでそこからビルドアップを目詰まりさせていく(中谷からのパスラインで奪うだけでなく、そこで生じる遅れを使ってその先、その先で取る)のが一番可能性がありそう。
・柏は上述の攻撃で「ボールは出てくる」ことを前提にSBとSHがポジショニングするので、CB~DMFのエリア(高さ)でボールを取られるとトランジション局面で遅れが生じる傾向があり、前から取りに行くのであればこの傾向も利用して、素早くシュートまでもっていきたい。

●守備

・守備時は基本422でセット

・ゾーンセットで引き込んで取る場合、前から相手に一枚一枚当てていってハメに行く場合との二本立て。ここまでの試合観ている限り、後者はビハインド時用のやり方のような感あり

・いずれの場合も、まだ十分に組織的なリンケージが実現されておらず、そこが狙い目となります。また攻撃時の手筋との整合性も取り切れていないため、ネガティヴトランジションの局面も狙い目になるでしょう。

・442でセットできている時は、中央のFW・トップ下・2DMFのリンケージが崩れる局面が散見されます。具体的には前の二枚のどちらかが(おそらく)勝手にCBを見に行って、残りの三枚がその状況をどうフォローアップするか決まっていないため、自分たちが準備できていない状況で相手のDMFを自由にしたり、DMF・CBから二列目へのパスコースを容易にさらし、裏へのフィードを簡単にさせてしまう。

・前からハメに行く時は、最終ラインの振る舞いがまだ整理されていない模様。ボールを前ハメで規制しきれずバイタルの高さまで入れられてしまった場合(その場合DMFが前目に出ていることが多いので相手に比較的長時間自由を与える)、SBが食いつきにいってしまい、そのフォロー構造が定まっておらず簡単に裏を取られるというシーンが散見されています。

★磐田的には?

・まず、CB(とくに中谷)にはボスロイドで勝負をかけられるであろう、というのが前提。
・442セット時の問題点を利用してビルドアップを成功させ、サイドに起点を作ってSHを走らせ、ラインを押し下げSBorDMFのフリーエリアを作ってアーリーでボッサン勝負、あるいは康太のフィードで一気にSHを裏に走らせクロスからボッサン勝負、とか。
・上述した柏ネガトラ時のポジショニング問題を使うため、柏が使いたいエリアでどうにかボールを取る。その後、SBが空けている裏のスペースを使って急襲、クロスからボッサンで勝負。このとき逆サイドが空いている場合も多いので、逆サイ送ってクロスからボッサン勝負でも。柏の準備されたアタッキングエリアでボールを取る、これがなかなか難しいと思いますが、これができれば勝ち点3がかなり近づくので準備しといて欲しいです。ただ肉を切らせて骨を断とうと思ったら骨も切られた!になりそうだなあ。

以上、駆け足にてご容赦であります。

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