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■2016:ジュビロ磐田J1戦記:第一節vs名古屋グランパス(の予習)

・吹田スタジアムのこけらおとしガンバvs名古屋の録画を観ながらTwitterにメモっていったものを整理したものです。未精査ご容赦ください

■名古屋の基本的布陣と目立ったタスク

・手抜き図のうえ汚い字ですいまそん

・4231に描いてますが基本は攻撃、守備も442

・シモビッチの相方(こけら落としガンバ戦は矢田)はトップ下タスクもやるので攻撃時は442、4231横断という感じ。4222のシークエンスはほぼない。ライン押し下げてバイタルに得たスペースは基本的にDMF(主に田口)が使う。

■守備面で目についたこと

・守備面では442のゾーンDFをやりたがっている節があるが、DFラインとDMFユニットの戦術的なリンケージが曖昧で、ボールをサイドに追い込んでもDMF同士の関係、カバーリングがルーズだったりDFラインがどこまで押し上げておくか(DMFのカバーをどういうふうにやるか)が確定していないようで、ゾーンでも気持ちでもない焦点のボヤけた442DFになっている

・ガンバ戦観てて特に目につくのはDMFユニットとDFラインで形成される構造のゆるさ。ポジショニングの連動や、相互カバーの強度も不揃い、ボールの位置に対してラインで上がるのか(それで閉塞できるよう相互にポジショニングするのか)、そうではなく縦関係でカバーリングするのか、DFラインがそれらの状況に対してどうふるまうのか、いろいろ曖昧

・曖昧なので、ボールサイドのDMFが切っているコースの内側や外側の先を消しているはずのCBがアッ準備できていなかったね(押し上げられてもいなかったね)、内側のDMFもマーキングするでもなくスペースを閉じるでも無く一瞬浮いてたね、とかそういう状況が頻発している

・サイドに相手を閉塞しにかかっているようなシークエンスでもそうなので、SBから斜めのパス一発でボールサイドDMFも内側のDMFもCBも見れないバイタルエリアのスペースにボール出されたりする。磐田的にミヤSBの方がいいんじゃ?というのはそういうコース見るのは太亮よりミヤの方が巧いから

・でも、狙いはいろいろもっていそう。

・たとえばボールをサイドに追い込んだあと、相手が繰り出すサイドチェンジのボールを永井に狙わせている。そこからカウンター、は狙いっぽい。永井のサイドでボールを追い込んでサイドチェンジされるケースはなかったので双務的な狙いなのか片務的なのか未確定。でもおそらく永井の活動平面の広さを織り込んだ狙いなので、永井のサイドだけだと思う。kokoroの中で、永井アイソレーション2016:ver1.0と名付けました

*↑ココ、磐田的には?↓

・名古屋のDMFユニットとDFラインのバインドが緩いことを考えると、SHの逆サイドのSH(永井)のポジショニングによって生じる状況はかなり狙い目になりそう。サイドに追い込む守備をしていても、SH(永井)が自軍DMFのスライドした後のスペースをカバーしてない可能性があるので。ただ、SH(永井)がサイドチェンジのボール狙えるようにポジショニングしていることで放棄するスペース(DMFが見れなくなるスペースも)はSB(安田)が見ることになっているっぽいが、再現性が高いものかどうかみてみたい

■モダン442っぽくプレッシングにいくけれど…

・DMF(田口・イスンヒ)は相手(ガンバ)のDMFをみておりFWが相手を追い込む高さに応じて上がって詰めていく。ガンバ戦では遠藤と今野を見ようとするあまりトップ下の位置におちてFW~DMFの間に入ってくるアデミウソンをしばしば外している。

・そこにボール入れられると、FW・DMFのマーキングがバラされて(誰を見るべきかが曖昧になって)そこまで続けていたボール循環の追い込みをリセットせざるをえなくなり、組織全体が一瞬止まって(相手のトップ下のボール受けの動きによってピン止めされる)いた。

*↑ココ、磐田的には?↓

・磐田的にはDMFと祐希のトライアングルからのビルドアップは生命線だけに、祐希がボールを受けやすい、そのことで相手をピン止めしやすい構造はおあつらえむき。でも、ここは開幕にはさすがに修正されているだろうな…。
・名古屋のビルドアップ時も同様で、DMFとトップ下で名古屋のDMFを挟めるように祐希を動かすのがキモになるかも。そのような状況でボール奪われた場合、名古屋のDMFはこちらのDMFをみるかトップ下を見るか判断つかず対応が遅れる可能性が高い。このようなケースでこちらのDMFに対するFWのトランジションが整備されてないため。まぁここも修正してくるかな……
・名古屋のDMFをミドルゾーンでピン止めするためには、磐田はあんま康太がDFライン落ちずにMFのラインでボール捌くよう頑張るべきらなこりゃ

■トランジション対応

・ミドルゾーンでボールを失ったとき、名古屋DMFユニットの対応が気になった。前に出ているDMFがアプローチしくじった場合、カバーリングポジションにいるもう一枚のDMFがプレッシャーに行かず内を切りながら下がるのはいいんだけども、かなり高い位置でもなにもせず、そのまま自陣BOX前までいってしまう

・この試合でこの種のシークエンスが生じたケース:ガンバの前線二枚残りに対して2CB+SB+DMFで対応できるので、DMFがもう少しはっきりとプレッシャーを与えて、DFラインでしっかりカバーをして相手を閉じに行ける(奪いに行ける)状況だが、そうせずミドルゾーンからBOX前まで総員下がっていった

・広島みたいなプレーモデル(ネガトラ時にミドルゾーンでプレッシングをかけることにこだわらず、規定のブロッキング構築優先でポジショニングリセットに走る。ボール回復位置が低くなってもそこからつないでシュート行けるから無問題)ならこの対応はわかる でも名古屋はそういうプレーモデルじゃないし、このルーズともみえる対応がどういう脈絡で生じているのかは気になる 狙いなのか、チームできてへんで!という意味での不如意なのか

・田口のネガトラの遅さも試合通じて気になた

*↑ココ、磐田的には?

・ネガトラ時にDMFの前、後ろ、外側でスペースを与えてくれるので、祐希のキープや吉彰アダを一気に走らせるのがかなり効くかも

■攻撃面は?

・やはり永井が怖すぎる

・サイドチェンジから永井アイソレーションで渚と一発勝負かけられて裏抜けor内側切り返しや、安田から永井にスルーパス出されて一発で裏取られて折り返しシモビッチだけでやられ、とか余裕でありそう。ヤンツー磐田が柏にやってたのを今度は磐田が喰らう可能性がある…

・攻撃だけではなく、守備でも永井は怖い。他の選手より活動平面が広いので、こちらがSHとトップ下・SB使ってトレーラーのレーンのファジーな場所にDMF出して起点を作る、なんて時に寄せられないはずの距離にいる永井に詰められてトラップの瞬間掠め取られるとかありそう。

*↑ココ、磐田的には?

・というかガンバも同じような場所でDMF(ヤット)を起点にするので、そこ永井に狩られて決定機までもってかれた。このケースで起点役のDMFが獲られると、後ろが一気に数的劣位にされるという構造もガンバとうちはよく似通ってる。ガンバはこういうとこでCBを簡単に動かさないので固いが、磐田はCBがガンガンカバーに出てゴール前のスペース閉塞を緩めがちなので、注意したい。たぶんオグオグは狙ってると思う

・あとアタッカーで中央・サイドに縦圧力をかけて相手DFラインを下げましょう、というのはおそらく明確に訓練されている。ラインを下げ、DMFかSHをフリーにさせてアーリーを入れる/スルーパス狙いなど意思統一がされている。

*↑ココ、磐田的には?

・ラインを下げられて、フリーになったSHかDMFからシモビッチにアーリー入れられるのがいちばんヤかも

■田口の可能性を最大化できていない問題

・田口のパーソナリティをうまくチームの中で定義できていないのが名古屋の抱えている大きな問題のひとつかも

・良いボールは出すし、サイドチェンジの判断もいいから中心に見えるけれど、トランジションや相手ポゼッションの際のポジショニング、リセットが遅かったり曖昧で、トータルではチームのパフォーマンスに不均衡をもたらしている。田口の責任というより、彼をうまく填められてないんじゃないか。

・昔の康太みたいな感じ。攻撃ではそこそこ捌くけれど、トランジション時に明確なプレー選択、リセットの選択をできず右往左往してしまい、ほとんど意味をもてない。真ん中の選手がそれではチームがバランスを得るのは厳しい。

・イスンヒの方がトータルとしては、また個人としては良いプレーをしていると思うが、彼と田口のコンビでなんらかの均衡が得られるよう駆動できないといけないわけで。それができていない。田口はイスンヒのサポートできてないし、イスンヒもできてない

*↑ココ、磐田的には?

・DMFを比較的容易に動かせそう、動かした後のトランジション局面で(どうもシークエンスが整理されていなさそうなので)置き去りにしてDFライン直攻略の局面に持って行けるかも。SHをガンガン走らせ、絞らせて攻撃したい

■開幕戦は右SHが古林らしいのですが

・この試合SBに入っていた古林がSHに上がる的情報を耳にしました

・古林はこけら落としガンバ戦ではSBでまずまずのプレーぶり。上がりは自重しサイドに蓋する優先で構えていましたが、上がってワイドでポイント作るケースではグラウンダーの良いパスもある。

・永井安田のサイドが強烈だから目立たないけれど、古林けっこういい。ポジショニングで右サイドにバランスをもたらしている。ただ現時点での名古屋はそこから中央へのチェーンがうまく引けてないから、目立たない。ただサイドの蓋も中央のカバーもうまくやっている。

*↑ココ、磐田的には?

・太亮のトイメンに出られるとけっこうイヤかもというタイプ。つかそれが狙いかも。走らせるより、太亮食いつかせてその裏に確実にボール出す。アダは貴章が番しといて太亮孤立させる。
・磐田はSH~DMF~SBのユニットをバランス欠いた形で自分たちから崩すタイプのチーム(アダ単騎突貫などがあるため)なので、相手にこのような選手がいると難しくなる。短い手筋でSBを縦につり出されて裏を使われる。
・プレーの特徴をみていると、開幕古林が右SHなら、↑のシークエンスを狙っていると思われます。SB~SH間のバインドが容易に崩れる磐田の特質をにらんで、そこによいポジショニングでき、太亮を食いつかせてボールを捌け、捌いたあと自分で動ける選手を置くという意図なのはほぼ間違いない。きっちり分析されてるかも

・やはり侮りがたしオグランパスかも。アダ太亮vs古林・貴章のサイドで試合が動くかも。

以上、この項了 開幕がんばりましょ-

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