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映画「WAVES ウェイブス」を観て。


原題:WAVES
邦題:WAVES ウェイブス

監督:トレイ・エドワード・シュルツ(2019)

あらすじ: フロリダで暮らす高校生タイラー(ケルビン・ハリソン・Jr)は、成績優秀でレスリング部のスター選手で、美しい恋人もいる。厳格な父との間に距離を感じながらも、何不自由のない毎日を送っていた。しかし肩の負傷により大切な試合への出場を禁じられ、そこへ追い打ちをかけるように恋人の妊娠が判明。人生の歯車が狂い始めた彼は自分を見失い、やがて決定的な悲劇が起こる。1年後、心を閉ざした妹エミリー(テイラー・ラッセル)の前に、彼女に好意を寄せるルーク(ルーカス・ヘッジズ)が現れる。(引用)

感想:

「女らしく」という言葉は、「男らしく」という言葉と同類だよね。

タイラーのあの金髪はライオンの立髪みたいなもので、必死に父親のようにマッチョ性な男を必死で自分に言い聞かせてたのかなあと。だから、繊細なピアノを弾くシーンは、あの姿こそが彼の本当の姿なのではないかと。

妹エミリーの前で泣くタイラー。病院で泣くタイラー。悲しい凶暴性を発揮してしまうタイラー。負の部分の姿こそ彼なのかも。そうすると、序盤のいわゆる「リア充」的な姿は…。考えるだけで悲しく辛くなってくる。

エミリーの少しずつ心を開いていく過程で見られる笑顔や思いやりの感じられる言動、涙、目線、全てが美しくて。

それまで近くにいた男といえば、マッチョ性を丸出しの父と兄だけ。そんな彼らとは全く違うルーク。

エミリーの前だけで泣く主要男性陣。
普通の人が持ってる、ちょっとした力をエミリーは持ってるんだろなと。

車内でのカメラワークややり取り。濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー」を連想させた。なので、密室空間の車内でのやりとりってものすごく緊張感を抱くようになってしまった。

タイラーのときは、楽しいデートシーンでも、口喧嘩シーンでも、とにかくハラハラした。何か起きるんじゃないかと。

逆に、エミリーのときは、優しく見つめ合うシーン、車中泊するシーン、など、どうか何も起きないでくれと。

バリー・ジェンキンス監督「ムーンライト」でもそうだったが、「水」のシーンって、「洗礼」と繋がってるよね。実際ウィリアムズ家はキリスト教だし。

タイラーとアレクシス。エミリーとルーク。エミリーと父親。

エミリーが圧倒的にルークとの水場のシーンが多いのは、罪への持念が多かっただろうか。

前半で崩壊、後半で再生。
うまく対比シーンが出て来てて繋がりを楽しめた。

ひとつ出てこなかったのが、ベッドシーン。エミリーとルークの、なんとも言えない優しい笑いの起きる一瞬。タイラーとアレクシスだとなんとなく予想はついてしまうが、妊娠した行為と愛情の行為は別物ということなのか。

誰の歌だ!とかはわからないけど、その時のシーンと合わさって泣く。新海誠作品に似てるよね。

色彩も美しくて。エンドロールに持ってくるのがうまいなあと。そして最後の「I love you」「I love you too」に号泣。

もーーー大好きなルーカス・ヘッジズ。今回もルーカスでしたよ。優しくて素直で繊細な役で。彼が出てる作品にまちがいはなし。しかも序盤のキャストが出て来た時に彼の名前出てきてハア?ってなって巻き戻して確認したくらい。

文字ではなくて、ちゃんと面向かって、感情をぶつけ合えばよかったと。何度思ったことか。

愛とかじゃなくて、自分がどうありたいのかって話。

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