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未経験者が失敗せずにIT企業へ入るためには④

どうも、Takahiroです。

前回からスタートした新シリーズの、未経験者が失敗せずにIT企業へ入るためには・・・を解説していきます。
第1回で一覧化した中から、今日取り扱うのは下記目次の通り。


※第3回と前回シリーズはこちら

ITエンジニアになった後にどのような実務や環境が待っているのかを知りたい方は多いでしょうし、実際に知人に聞いたり調べたりしている人もいるでしょう。
今回は、ITエンジニアと業界について触れていきたいと思います。
ただ、ここで取り扱う内容は全てではないですし、環境によってホワイトだったりブラックだったりもするので、一概には言い切れない点は注意です。出来るだけ、平均的な内容と極端な内容を紹介していきます。

ITエンジニアの実務を知る

まずはITエンジニアの実務について。
そもそも、エンジニアと一言で言ってもクライアント業務において社員や外注等の立場と働き方があります。細かく書きすぎると難しいかもしれないので、とりあえずココを押さえておけという点に絞って紹介します。
社員(クライアント側社員)
クライアント企業の正社員や契約社員で、その企業が直接雇用している社員を指す。主な業務は、プロジェクト管理やエンドユーザ(最終顧客、いわゆるお客さん)との折衝業務など表に出て全体を仕切ったり調整を行います。
派遣(クライアント側社員)
派遣会社と契約してクライアント企業の指揮傘下に入り業務を行う。クライアントから直接業務を指示され、社員と同じ業務や補佐などをメインとして、技術的な分野より事務作業が多い。
請負契約(外注社員)
予め定められた納品物を納入すれば完了する外注契約。成果物報酬となるので、納品物が出来ないとお金がもらえない。委任が一部分に対して、請負は丸ごとシステムを製作したりする方に向く。ただ、請負契約は成果物を軸とした契約なので、自社でも自宅でもクライアント先でも、どこで仕事しようが自由であり、複数案件掛け持ちも可能。タイパ良く進められれば高収入エンジニアの仲間入り。
委任契約(外注社員)
クライアントの1つ業務を丸ごと委託される契約。請負が製作に対して、委任は製作されたシステムの維持や運用をメインとする。どちらかというと大人数のチームで契約して、自分と同じ所属会社チームで構成される傾向にある。成果報酬は何時間働いたかの時間制。
準委任契約(外注社員)
委任はチームに対して、準委任は個人という傾向がある。いわゆる単独常駐でSESと呼ばれるもの。大概の初心者エンジニアがこの形態でクライアント先に常駐し、クライアント先で仕事をし、クライアント先社員と錯覚する。愛社精神は育たない。

5つを出しましたが、記載の通りエンジニア初期は準委任(SES)でクライアント先に常駐する機会が多いと思われます。
チーム常駐している場合もあるので、そこはめぐり合わせといったところですが。
ITエンジニアの説明をする人たちでは、SESを地獄の契約と表現している人が多くいますが、契約形態と今後のキャリアアップ方針を考えると、実はSESが一番適切だと私は思います。
SESでの育ち方については、また別の機会に解説しますね。
※今回の本筋とは違うので。

さて、実務の部分ですが、それぞれの立ち位置によって変わってきますので、1つの実例としてとある会社の運用管理部門を用いて説明します。
運用管理部門のミッションは、既に稼働している機器やシステムの安定した稼働を目的として、ルールに則った日々の点検や故障時の原因究明や復旧となります。
正社員責任者として全体を管理し、日々の点検がきちんとされているか確認をします。また、トラブルや故障発生時にはリーダーとして他の人へ指示をして、何を行うべきなのかを判断し、最終的に取りまとめて上司やお客さんへ報告を行います。機器の設定やログを見るというエンジニア的な動きは薄いです。
派遣社員正社員のサポートなので、ほぼ同等の動きになるでしょう。ただし、あくまで派遣なので責任はありません。
委任契約や準委任契約は、正社員から出された方針をもとに指揮命令者の指示に従って実際に機器の設定やログの調査を行います。いわゆるエンジニア職ですね。トラブルがある日も無い日も、日々調査・情報の収集が主な業務になるでしょう。調査と収集方法は基本的に技術書を見るかネットで前例を拾います。
※請負はシステムを構築する人達に当たるので、この話には登場しません。
 請負の人達は、このシステムにとって古の戦士たちです。

乱暴な言い方をすると、準委任でクライアント先常駐が出来るスキルとしては、最低限のIT知識を持った状態でネットで調べて回答にたどり着ける事となるでしょう。
ここで言う最低限の知識とは、資格という意味で捉えて貰えれば良く、例えばCCNAやLPICやLINUCなどが対象となります。
なので、調べ物は得意という方、向いてます。

IT業界の良い面悪い面を調べる

次に説明するのは、IT業界の良い面と悪い面です。
ネットやSNS上でIT企業や業界、働き方などを調べた事がある未経験者は、おそらく不安に思った事でしょう。
何故ならば、ネガティブな意見が割合として多く、そして目に付くからです。
しかし、それは半分本当であり、半分誇張されている内容と言えます。

例えば飲食店の口コミを書こうとする場合、その店に対しての感動か不快感のどちらかが原動力になるはずです。
今まで行った飲食店で、皆さんは感動/普通/深いの割合はどうでしょう?
大多数の店が普通(満足~まぁこんなものかくらいのレベル感)の評価になり、あえて口コミや情報発信をしようとは思わないでしょう。
つまり、ネットやSNS上で発信されている情報は、ポジティブであれネガティブであれ、少数が書いているだけなので参考にするだけで鵜呑みは禁物なのです。

という前提のもと、いくつかの検索エンジンで調べてみた結果、こんな意見が多いようでした。

・残業やサビ残が多い
・有休が取れず休日出勤もある
・元請け下請け構造に問題がある
・給与が安い
・残業代が出ない
・成長産業である
・転職しやすい
・給料が上がりやすい

今回検索エンジンで探してみましたが、主に情報を発信しているのは転職エージェントやサイトがメインでした。
そして、最後は自己の集客の為に良い事を書いて終わるという流れ。
営利目的なのでそれは仕方ないとしても、やはり偏った情報しかないみたいですね。
では、1つずつ解説していきます。

【残業やサビ残が多い】
業務内容にもよりますが、より知識や専門性が必要な場合は残業時間は多くなる傾向にあります。転職したばかりだったり、知識が必要ないルーティーン作業の場合、やることが決まっているので残業は少ないでしょう。
サビ残については、かなり無くなっています。むしろ、サビ残を迫られるIT企業は絶滅危惧種ですし、もし遭遇したらさっさと転職するなり労基に通報すれば良いだけです。

【有休が取れず休日出勤もある】
繁忙期は有休も取れず休日出勤があるのは事実です。その繁忙期は、長くても2か月程度なので、それ以外は有休取得の調整も可能ですし、無駄な休日出勤も無いでしょう。
また、IT企業はコンプライアンス遵守が当たり前な風潮があるので、有休も年間に最低5日は取らせる法律を守るべく、有休取得率が低い人に取るよう要請をする管理者の姿はよく見かけます。

【元請け下請け構造に問題がある】
この悪しき習慣は、まだまだ残っています。
下請けに丸投げをしている元請けもよく見ますし、それで疲弊している下請けもよく見ます。
ただし、一般的なエンジニアや管理者は丸投げのリスクを熟知しており、丸投げはせずに細かくコントロールするのが当たり前と考えています。
そのため、丸投げしたものが炎上した場合、丸投げした担当は吊し上げられますし、下請けには謝罪をするのが普通です。
仕事を与える側と受け取る側の力関係が元請け下請け構造を捻じ曲げているのですが、正しく主張し相談をすれば下請けは保護されるという事を知っておきましょう。
もし、正しく主張相談をしても救済しない企業だった場合は、さっさと逃げた方が正解です。

【給与が安い】
正直言うと、きちんと資格取得や経験を積んでいれば、他の業界と比べると同程度かやや高いです。とはいえ、下請けの下請けの下請けとかの会社で働いている場合は中間搾取があるのでまともな給与は望めないでしょう。
そんな営業力がなかったり搾取されるだけの会社にいるなら、さっさと転職して次に繋げるべきです。
動けないと言いつつ動かない人が、現状を嘆いているだけなのがこの内容の正体なので、気にする必要はありませんね。

【残業代が出ない】
これはほとんど無くなりました。というか、そもそもこんな事してたら後で痛い目を見るのは会社なので、きちんと残業代は出ます。ただ、タイムカードが30分単位とかセコい事はしてきますけどね。

【成長産業である】
打って変わってこちらはポジティブな内容。ITはまだまだ成長産業です。AIにとってかわられるとか2000年くらいから言われ続けていますが、いまだにエンジニアを脅かすAIは登場していませんし、AIを制御するのも人間なのでやっぱりエンジニアはまだまだ必要です。
逆に、様々なサービスやイノベーションが生まれているので、それを実現化するためにエンジニアが足りていないというのが、今の状況でもあります。

【転職しやすい】
エンジニアは手に職がついているので、基本的にはどこでも仕事はしていけます。ITの知識とは別に英語が話せれば、それこそ海外の企業にだって就職は夢ではありません。というか、英語が話せれば海外企業の方が就職しやすい感すらあります。
また、業界全体で転職をしてキャリアアップするという風潮があるので、転職回数を気にしないという企業は多いです。短期離職が多い場合は敬遠される傾向にあるので、そこは気を付けましょう。

【給料が上がりやすい】
1つの企業に居続けた場合を考えると、役職が上がらないと給料は上がりにくいと感じています。エンジニアとして経験を積み、人が足りていない企業へ転職をすることで自分の待遇を飛躍的にアップさせる事が実現できるので、渡り歩く度胸があれば給料は上がりやすくなるでしょう。
かくいう私も、転職をするたびに待遇を上げてきた身なので、ここは本当に実感しています。

さて、エンジニアの実務とIT業界の実態はどうでしたでしょうか?
多少の向き不向きはありますが、そこまで障壁の高い仕事ではないので、興味を持たれている方は是非この業界にチャレンジしてみてください。
ではまた。

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