『おかえりモネ』第36回 りょーちんの父母
二回目の予報士試験も不合格。でも、朝岡のウェザーエキスパーツという目標を見つけてしまった。そのことを菅波も見抜いている。もう一度挑戦したい! そう願うのでした。
進歩がないようで、ある二人
そして2015年12月――三度目までの受験まであと一週間。帰省をかねて、モネは亀島の実家に帰省します。菅波は受験は二週間で奇跡が起こる、根拠はないけど大逆転もある、と言います。するとモネは「13日間」と訂正……逆転した! 菅波もそうですが、モネもめんどくさい性格でした。ともかく年末年始は勉強に専念すると誓い、別れる二人。
ここで菅波はいう。
「ちょっと待ってください!」
そして差し出したのは縄跳びでした。受験で最後にものを言うのは体力と記憶力。縄跳びは記憶力向上に効果があります。有酸素運動として1日3分跳ぶように指示をします。
「必ず飛びます!」
菅波はズレてる。優しいけど、ズレてる。お守りは科学的根拠がないし、アクセサリーも受験に関係ない。彼なりにがんばって考えた結果です。モネもそこを理解する。やはりこのコンビでないとダメですね。
とはいえ、見守ってきた森林組合のみなさんは不満。一年間何してたんだべ! そう呆れ果て忘年会へ向かいます。千年経っても無理だわ。そうサヤカは言い切るのでした。
でも、モネも菅波もやさしい。寒いから中に入るよう気遣う。お互いを意識して、よいお年を祈るほど、接近してはいます。
2016年のお正月
かくして亀島へ。2016年のお正月です。
ここで耕治はショックを受けている。なんとモネは成人式に帰ってこないと言っています。未知は去年から言っていると呆れている。振袖は着たくないって。写真だけでも着せたいと父は粘るものの、借りるだけでも20万はかかるとモネはその気がないのです。みーちゃんの時やればと持ちかけると、未知は自前の顕微鏡が欲しいという。
「色気のない子たぢだねえ」
亜哉子は苦笑します。耕治は父として成人式なんて一番気合いはいるのに、と粘る。大学行かないし、こういうときだけ金使わせてくれよ! そうしつこく粘ります。
でも、姉妹はしらけてる。そんなどうでもいいことにお金を使いたくないのでしょう。
これも着物ビジネスのドツボだべな。『カーネーション』ではヒロインが和服から洋服にすべく奮闘していました。それが行きすぎてしまった感はある。高度経済成長期に自滅するようなあこぎな商売をしたんですね。着付けを厳しくしたり、高く値段を釣り上げたり。不景気が訪れたら、高いし非実用的だし、馬鹿馬鹿しくて見向きもされなくなりました。『おちょやん』の時代は、庶民でもみんな普段着が和服だったのに。
モネは勉強をしていますが、幼馴染は盛り上がってます。三生なんて整形するとかしないとか。遊んでいるのは双六です。
「結婚して子どもうまれましたー」
モネはイライラして流石に怒る。モネは不機嫌さが割と出やすい。しかしみんなおかまいなし。明日美はこうきた。
「モデルにスカウトされ東京に行く!」
なんでも現実とリンクしているそうです。短大卒後、春から東京へ。なんでも原宿ショップ店員に出会ってリプを返されているんだとか。お店に会いに行って、アパレルに興味あるといったら、知り合いのショップを紹介されて、春から働くんだって。面接受けたら通ったって。保育士の夢はというと、短大卒でとれるし、母も賛成しているそうです。今まで言わなかったことを謝る明日美です。
モネはなんとも言えない顔。保育士の夢について聞いたモネは、自分と明日美の違いを意識しているのか、していないのか。モネは初志貫徹型ですが、明日美はそうじゃない。そしてここへ、お正月の残りのあんこ餅を持って亜哉子が入ってきます。
不倫の噂
未知がここで姉に告げてきます。亀島の噂では、亜哉子が本土で男と密会しているとか。その話ばかりです。
耕治が着たくすると、鮑ご飯を作って待っている亜哉子はうれしそうではある。龍己も起きているようです。そしてこう言う。
「いいかげん聞げよ。島中浮かれてしまって収集がつかねえ。びびってるんじゃねえよ 本気にしてんじゃねえだろうな?」
田舎の島ならではの嫌ぁな雰囲気だ。
かくして未知は確かめに行かないかと姉に持ちかける。モネはこんなことしている場合じゃないといいつつ、解決した方が早いと判断したのか、尾行するとなると素早いのです。
「行こ、行ってみよう」
朝から不倫疑惑。生々しい、さぁ、どうなる?
待ち合わせ場所に現れたのは
亜哉子は待ち合わせ場所のレトロな喫茶店へ。オレンジジュースを二人分注文し、姉妹も店内へ向かいます。
するとそこには男が来た!
「りょーちんのお父さん!」
そう未知は驚く。なんでも予約は10時半と二人は話しています。なんでも見られて困るらしい。とはいえ本土には耕治含めて結構島の人もいる。実はどういうことかわかって噂になっているんじゃないかって。及川さんちのお父さんと、永浦さんちのお母さんだな。
亜哉子はそんな新次に顔が前と全然違うと言います。新次は飲まなくなったって。
「うん、えらいえらい」
「男にそういう言い方しない人でしょ」
ここで二人はそう言い合う。謝る亜哉子に新次はこう言います。
「あいづだよ、そういう言い方」
そういう言い方がかわいい。それは美波さんのこと。だからみんな好きになっちゃう。最初の頃は大分嫉妬したと亜哉子は語ります。
なんでも耕治は初恋を引きずっていたらしい。未練たらしく、往生際が悪かった。そう語られます。
「そうが、耕治がねえ、ハハっ」
そう笑う新次。ここでそろそろ行きましょうかと言い合います。どうせ待たされるだろうけど、とも。田舎の病院ってそういうものです。それでも調子は出てきているとか。
永浦姉妹は、お父さんの忘れられなかった人は、りょーちんのお母さんだと悟ります。言ってましたねえ、忘れられない人がいるって。
さて、りょーちんは船の上にいます。波にゆられて、スマホで写真を見る。そこには父と母、そして息子のものがあります。そんな写真を見ているだけで、彼は啜り泣いてしまうのでした。
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