『アイヌもやもや』を試し読みしました。これはすごい本だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000056.000053892.html

漫画にすることでわかりやすくなる

　漫画化を手がけているのは田房永子さんです。彼女の画風だからこそストンと入ってくることはあります。野田先生の『ゴールデンカムイ』は、和民族でもムキムキでこんな人は明治にいないと思えるような体型ではないですか。田房さんの絵柄はそれとは真逆なので、リアリティのあることだと頭にスッと入ってきます。

　日常生活の嫌なこと。ちくちくするマイクロアグレッション。そういった描写を描いてきた経験のある田房永子さんの絵に載せることで、“アイヌもやもや”がわかりやすく示されています。

　おばあちゃんが地元の料理を作ってくれるよ。茨城県ルーツの中高生がそう語るとする。それであんこう鍋なり、水戸納豆の話をしても「へえ」で終わるでしょう。
　それだけのことが、アイヌルーツであるだけでどうこう言われるのってなんなのか？　そう考えてしまう。
　そしてだからこそ、本書は『ゴールデンカムイ』読者が次に読むべき本だと痛切に思います。

もやもやは私たちこそ考えるべきだ