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夢の、ユンボ初体験の巻!!

 今年の田植えのお手伝いの合間に、友人の畑の準備も手伝った。どうも土の状態が良くないらしいので、彼が副業でやってる食肉関係の仕事で入手した家畜の堆肥を畑に混ぜ込むという計画だ。

 私が任されたのは、というか任せれたというよりは、いきなり練習を兼ねた実戦です。彼がトラックで運んで降ろした堆肥を初めてのユンボで広げながら均す作業だったのです。

 「ユンボ」この名称を聞いた事がある人は多いと思う。正式には油圧ショベル、バックホウ、パワーショベルなどと言われ、「ユンボ」はフランスのシカム社の商品名であり、フランス語で「象の鼻」という意味だと知る人は少ないと思う。かくいう私もこの文章を書くにあたって調べて知り得た知識なのです。象の鼻とは言い得て妙。

 さてさて、この重機をどうやって動かすのかなどと考えたこともない52歳。作業内容は理解してもユンボの操作は理解していません。
 友人に尋ねたところ私が乗る機体はKOMATSU製なので「コマツ」パターンだと言う。初めて聞く言葉だし、パターンって何よ?
 どうやらメーカーによって4つの操作パターンがあるようです。操作パターンとは、あの象の鼻のようなアームやブーム、バケット(ショベルの部分ね)の開閉、左右の旋回を操る2本のレバーの様式のようです。レバーをどの位置に動かすと、どのように動くかというのがメーカーごとに微妙に違うよう。

 2本のレバーにそれぞれ、上下左右に動きがアサインされており、例えば進行方向と関係なくアームだけ旋回する場合は左のレバーの上下を使い、右旋回は上、左旋回は下という具合だ。
 なんと彼はこれを行き当たりばったりで、ろくな訓練も知識も無く操作しろというのだ。
 乱暴すぎやしないかと私は内心思ったのだが、彼はそれを見透かしたように、

 「言葉では説明出来ない。慣れるしか無い。考えるな感じろ」と言う。

 まるでブルース・リーの「Don't think Feel」だよ。
 先程説明した、左レバーの役割とかは作業後にネットで得た知識です。たしかに、現場でアームを伸ばすのはこう、ブームを起こすのはこう、と教わったところで操作なんて出来なかっただろう。混乱して作業もへったくれも無かっただろうと思う。

 とにかく、無我夢中でレバーを操作してこう動かしたら、こう動くというのを体で学ぶしか無いのだ。それだからこそ、最初は全く思い通りに動かないし、気がつくとブームとアームが伸び切って戻せなかったり、と大変ではあったのですが夢中で操作をしていました。
 彼にはこれだけはやっては危険だということと、支点、力点、作用点を意識しろみたいなことは言われました。「習うより、慣れろ」たしかにそうかも。

 とにかく、彼が堆肥を取りに行って、降ろしにくるまでは黙々と独りでの作業でした。トライ・アンド・エラーを繰り返して。ちょっとは操作出来るくらいにはなったと思います。

 しかし、あの機械は本当に良く出来ています。かなりの細かい作業まで出来るのは、あの操作系(パターン)があるからなのだと大変感心しました。作業以降、道路工事等で細かく地面を均したり、埋まってる大きな石を掘り出したりとベテラン作業員のテクニックは惚れ惚れする技術だとわかるようになったのです。

 ちなみに前出の2本のレバー以外に、クローラー(いわゆる左右のキャタビラー)を制御する2本のレバー、ユンボの前面下部に取り付けられたブレード(この存在も世間にはあまり知られていない)の高さを上下に調整するレバー、エンジンの回転数を変えるレバーと操作レバーだらけだ。アクセルペダルは無く、レバーで回転数を上げて進むスピードやアームの動きなどの速さを調整する感じです。

 普通の生活ではあまり体験出来ないとは思いますが、機会があったら是非とも積極的に乗って挑戦することをおすすめします。
 だって、めちゃくちゃ楽しいよ!! ただし、事故もあり得る危険な機械であることも事実。素人は私有地内でしか操作できないことはお伝えしておきます。

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