名前も顔も知らないあなたが

胸の奥の揺らぎを

あなただけの鮮やかなカラーで

描いて貼り出してあり

そこには住所が書いてある

その住所を訪ねれば

あなたの心が飾られた個展が開かれていて

人々はそれを眺めては一喜一憂

クスッと笑ったり

ポロッと涙したり

一緒に下がったり上がったりしながら

あなたの絵画が放つドラマから

感覚へのご馳走をたくさん貰ってる

ストーリーがあなたの心を通過する時

生まれたドラマに触られた感覚が

ギュッと絞り出したカラーで描いたものが

誰かの感覚に触り

その誰かのカラーを絞り出し

その誰かの絵画をカラフルにして

その家主もまた

自分の個展で誰かの絵画の新たな絵の具となる

あなたが今ここに懸命に生きて

感じ続け

それを描いてくことで

それは誰かにとって

代わりのきかない大切な持ち物になる

あなたが欠けることで

失う繋がりは

誰かにとってあまりにも大きい損失だよ

毎日じゃなくても

時々でも

あなただけの絵画を家に飾ってくれたら

僕は君の家に遊びに行くよ

自分にはないカラーを求めて