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患者のくらし

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日々の生活のようすについて書いた記事です。だいたいがドジ話。
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相変わらず 食欲だけは一丁前の朝食、 ごちそうさまでした。 大阪は0℃の朝だけど、 ステロイド効果で 寒さが苦にならない不思議。 引越し準備、 楽しみにしていた勉強会、 未来のために動く金曜日じゃ。 あ、今日は缶瓶ゴミの日! バタバタ..

悲しみたがり

単身で暮らし、勤めを控えている患者にとって 誰かとコミュニケーションをとる機会は そうではない人と比べ、明らかに少ない。 コミュニケーションの筋肉があるとすれば、 退職した半年でずいぶん衰えを感じる。 今日、わりと派手な喧嘩をした。 正確に言うと喧嘩ではない。 (恥ずかしながら)ほぼ一方的に こちらが怒り、悲しみ、 最後はおめおめと泣き出していた。 つきあいが長いし、 喧嘩は初めてではないけれど..今回のは、 相手にとっては大事故だったはず。 さっきまで笑いながら進んで

開かずの扉

ある休日の夕方、患者は近所の警察署にいた。 ハゲ頭にニット帽をかぶり、 パーカーを羽織っていた。 さらにステテコ、スニーカー。 ノーメイクだし、 体調不良でひどいやつれようだった。 とんだハゲパジャマ女の登場に、 警察署の職員は明らかに困っていた。 エリィ「あの‥なんといいますか‥ オートロックの集合住宅なのに、 鍵を持たずに屋外へ出てしまいまして‥‥ それで、ロックのかかった家へ入れなくて とても困っておりまして‥‥」 警官「‥‥はぁ。しかし 我々にはどうしようもでき

何分の一かの、純情な感情

「失礼します!こんにちはー」 元気よく挨拶したものの、診察室は騒然としていた。 すでに診察を済ませた別の患者さんが、 院内で具合を悪くして転倒したらしい。 クラークと呼ばれる事務員さんが、 慌てふためいて説明している。 エリィ「ありゃりゃ..だ、大丈夫ですかね..」 どうしよう。出直したほうがいいかな。 主治医はクラークさんの話が終わると 振り返って、こちらを向いた。 まったくもって落ち着いた表情で、 何事もなかったかのように話し始める。 主治医「どうですか?熱はあ

大阪にヘルプマークが上陸しております

探し回っていたヘルプマーク。 ようやく、大阪でも6月から配布がスタートした。 遅い‥‥遅いよ、大阪府さん! と愚痴りつつ、6月に区役所で受け取って以来 患者は毎日このサインのお世話になっている。 特に不要なときは、 カバンの中にしまっていたけれど 今では、もうずっとつけている。 ヘルプマークの存在を「知ってもらうこと」が 大切だと思うので。大阪の皆さんよ、 この派手なサインを、ジロジロ見たまえ。 大阪の皆さんは、案の定 ヘルプマークを怪訝な表情でガン見する。 「この人、

だらしがないを、改めたい

患者が上京したのは、大阪の短期大学に 入学したのがきっかけだ。 田舎者にとって、大阪はとても刺激的な 街だった。 これまでの人生で、患者が最も 調子に乗っていた時期。 もしもこの時代へワープできるなら。 あの頃のじぶんに、言ってやりたいことが 山ほどある。 女子大生だった患者は、その日 駅のホームを歩いていた。 コンパか何かに出かけるところだったと思う。 穴をあけたばかりの耳にはピアス、 メイクはしていたけど、いまひとつ あか抜けない感じ。 外出時、女子大生はヘッドフォン

子ども時代の困りごと

子どものとき、学校に行きたくないと思ったことは 何度となくあった。 「明日のマラソンいやだな」という、単なるサボり心もあれば 対人関係の迷路にハマって、動けなかったこともあり‥‥ 「あれ?オイラいじめられてる?」と思ったことは、2回。 そのうちの1回が、小学4年生。 もう1回が、中学2年生。 1回目は、クラスの女子数名から、とってつけたように 「無視」をされたとき。 「わたしはあなたに恨みがあります」という手紙まで いただいてしまい、ただただ恐ろしかった。 肝心の、恨む理

たまたまですよ

きのう、電車に乗って京都へ行ってきた。 気まぐれにぶらりと出かけたのだ。 患者の住む大阪も暑いけど、 京都も残暑が厳しい。 あちこち歩き回って、疲労困憊。 もう歩けなくなった患者は、 アイスコーヒーで元気を注入する。 なんとか元気を振り絞って、 三条駅をめざして店を出た、その時。 向こうから歩いてくる女子に、見覚えが‥‥ それは、前のシゴト仲間Mちゃんだった。 とってつけたような「バッタリ」っぷりに ふたりして「えぇぇぇっ?!」と叫んだ。 「ちょっとちょっと、どういう

たそがれの夜空に恋ダンス~吹奏楽編~

高校に入学したら、部活は 吹奏楽部と決めていた。 希望したパートは打楽器だった。 コンクールに出たり、演奏会があったり、 なかなか青春っぽい経験をしたと思う。 社会人になっても、ドラムを習いに通っていた。 そのうち、じぶんの限界(技術の)を勝手に こしらえて、楽器から遠ざかってしまって。 それから、20年くらいたったある日。 会社をやめて、時間ができた患者は たまたま 自宅の近所に、一般の吹奏楽団を見つけた。 毎年、ちゃんとコンクールに出ているし もちろん演奏会も開催して

手に入れたい習慣と、手放したい習慣

人は、新たな習慣を 身に着けるということが苦手で 同時に、これまでの習慣をやめることも やっぱり苦手だ。 たとえば。 毎日午前2時くらいに就寝していた人が 朝型に切り替えるとか。 タバコを吸っていた人が 禁煙するとか。 毎日ビールで晩酌していたのを、 緑茶にするとか。 それは、とても単純なことのはずなのにね。 患者の、習慣にしたい不動の第1位は 「薬を忘れずに飲み続ける」こと。 こんなに簡単なことができないだなんて。 相当どうかしている。頭では、わかっているつもり。

おいしい野菜が恋しくて

「食べ過ぎる」とか、「食べられない」とか、「普通にしてるのに太る(or痩せる)」とか。がんを患うと、なかなかそのあたりのコントロールって難しい。 患者はいま、休薬期間が予定より長くなって食欲が戻ってきた。食欲がないときは「食べたいときに食べたいものを」というナースの常套句をしっかり守り、炭水化物ばっかり食べてかなり偏っていた。いまこそ、食生活を整えておこうじゃないか。そこで、以前お世話になっていた「野菜のお取り寄せ」の復活を検討していた。 オイシックスとか、大地を守る会と

冷えてはいけない患者の、猛暑日のおたのしみ

「冷たい」という言語は、人によって違った表現になる。 患者は「ちべたい」と表すことが多い。 方言かなと思ってGoogle先生に訊いてみたら、 京都も大阪も「ひやこい」と指導された。 とにかく。 患者は冷えやすい体質に加え、 副作用の骨髄抑制により白血球が少なく、 すぐに腹をこわすのが日常だ。 ちべたいもの、ひやこいものは なるべく避ける生活をしている。 毎日、腹巻きは欠かせない。 腹巻きは冬より夏なんですよ、奥さん! なるべく白湯を飲むようにしているし なまものを食べると

熱中症にご用心

ミスチルのライブで、考えられないくらい汗をかいた翌日のこと。患者はとにかく安静にしていた。昨夜は蒸し暑い京セラドームで、踊り歌い叫んでいた。勢いで買ったツアータオルは汗でびっしょり。今日はもう、なんの力も湧いてこない。疲れた疲れた。 ゆっくりと8時くらいに起きてきて、午前中は家事をするなど機嫌よく過ごしていた。お昼ご飯を食べたくらいから、なんだか雲行きが怪しい。体がだるくておなかが緩い気がする。あと、手足が異様に熱をもっている。なんか顔もかカッカしてきた。そのうち、頭が痛く

お買い物がうまくいかない

昼間のテレビショッピングで、それは突然始まった。患者がずっと購入しようか迷っていた、ダイソンのホット&クールという商品。「今日はお安くしておきます!」テレビからそう呼びかけられている。本当は空気清浄機付の、いいやつが欲しかったけれど、オイラには高価すぎるんだよね。だからこっち(空気清浄機能なし)でいいかもな。番組開始後3分で、すでにお買い上げモードに入っていた。テレビに映る「カッコいい高価な扇風機」にくぎ付けだ。 番組は5分くらいで終了し、それと同時に電話をかけた。お急ぎく