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Dr.デ・ビボを探す

先日の記事を読んだ友人から「明治乳業が開発したミルクってすごいんだね」という感想があったので、

「(知らないけども)多分、開発…はしていないかも?グルットワンは海外で見つかった病気だから、先に海外で医療用ミルクのレシピがあったんじゃないかな。それを日本では明治乳業が受け継いだ?のかな?」と、あやふやな知識で返答した。

そういえば、私はこの病気の歴史について、あまり知らない。

五年前、子がグルットワンと診断されてしばらくは、治療法(食事療法)はどうしたら良いか、これからどうなってしまうのか、そういう事で頭がいっぱいだったから。

でも、どこかに何か書いてあった気がするな、と、手元の資料をパラパラとめくってみる。

いつも子が初めて利用する施設などでは、難病情報センターの「一般利用者向け」のページを印刷してお渡ししているけれど、そこには過去の歴史について特に言及がない。ただ、このサイトには「医療従事者向け」もあって、こちらには、一行だけこう書いてある

1991年にDe Vivoらにより初めて報告された。

難病情報センター

その後、日本では2004年に報告がされたと、別の資料で読んだ。日本で初の症例報告から、まだ20年も経っていない。

私が知っているのは、これだけ。De Vivo…デ・ビボ、と読むみたいだけど。

五年も経って今更だけれども、どんな人なのか。この、グルットワンを発見されたという方は???

このドクターが居なかったら、今頃私達はどうなっていたか、わからない。私は途端にこの恩人について知りたくなって、検索した。

情報は海外のサイトしかないので、そういうものを見慣れない私には、少々時間がかかった。そして検索用語をいろいろ変えながら探しているうちに、海外のグルットワン患者会が出しているDr.デ・ビボのインタビューにたどり着けた。

居た!この人が!!!

(内容は英語なので分からず、私はこのインタビューをイタリア語に翻訳したであろうサイトを、さらに日本語翻訳機能で読んだ↓)

なんとDr.デ・ビボは、新患の受付もしていて、予約の電話番号まで乗っている。

現役で患者さんを診ていらっしゃるとはー!

友人から、ニューヨークに移住しても大丈夫だねと言われたけれども、もちろん予定はない。

嬉しくて、思わず日本の患者会でサイトを共有したところ、当然の事ながら、患者会の中にはDr.デ・ビボや海外の患者会についてすでに知っている方も居て、最初からこちらで聞けば良かったんだった。

でも「Dr.デ・ビボに予約できる」という事には同じく不思議な気持ちになるようで、「すごいですねー」と言い合った。

なんかこう、歴史上の人物みたいに思っていた人が、今もニューヨークで診察をしているという不思議。

そして、そうやって検索しているうちに、アメリカの患者会やイタリアの患者会のサイトも目にして、同じようなことに悩んでいる事を知った。例えば、食事療法の補助金を受けられる地域とそうでない地域があるとか。

グルットワンは、日本でも100人くらいしか居ない珍しい病気だけれども、有病率は人種や性別によって差がないと聞くので、海外でも同じく、珍しい病気なんだろう。

グルットワンは、アメリカで、イタリアで、その他の国で、どの程度認知されているんだろうか。「糖質制限が必要なんです、アレルギーとは違うんです」なんていう説明もしているんだろうか。

きっとみんな毎日頑張っているのだろう、と思う。お互いの事は知らないけれど、同じ病気というだけで、繋がっているような。そして、その事実に、なんだか励まされるような思いがするのだった。

日本で、私達親子も、地道にこの治療を続けていけますように。

それから、デ・ビボ先生、この病気を見つけてくださって、どうもありがとうございます。

Thank you , Dr.Darryl Claude De Vivo!




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