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ケトンフォーミュラのレシピ

タイトルからして、日本で数百人にも満たない人しか読まないであろう話題を書く。グルットワン患者家族の覚書として。

ケトンフォーミュラ、最近はうちではこんな感じで摂取している。

これを読みたいと思う人は、もうケトンフォーミュラについての説明は不要だろうから、先に結論というかレシピを。

ケトンフォーミュラのレシピ

●いちごアイスクリーム風(2食分)

ケトンフォーミュラ26g
クリームチーズ18g
(キリのクリームチーズだと1個)
生クリーム26g
冷凍いちご10g
液体パルスイート2g

全部スプーンで混ぜて冷凍して出来上がり(冷凍しなくてもクリーム状で食べられる)

●マッシュポテト風(1食分)

ケトンフォーミュラ13g
マヨネーズ13g

スプーンで混ぜるだけ

●砂糖菓子風(1食分)

ケトンフォーミュラ13g
生クリーム13g
液体パルスイート1g

スプーンで混ぜるだけ

●ミルクセーキ風(4食分)

ケトンフォーミュラ52g
卵50g(だいたい一個)
無糖アーモンドミルク250g
液体パルスイート4g
バニラエッセンス 少々

ミキサーやブレンダーで混ぜて、
冷蔵庫で冷やして飲む。氷を入れても良い。

ケトンフォーミュラとは

ここまで読んで、なんのことかと思われた人の為に補足を。

ケトンフォーミュラとは、明治乳業が医療用に作っている粉ミルクの事で、グルットワン患者やてんかん患者で、ケトン食療法を行う乳児は、これを通常の粉ミルクの代わりに飲む。離乳後も、小麦粉や牛乳の代わりに料理に使用することが出来る。市場に流通はしておらず、患者登録した上で、病院を通じて入手することが出来る。

明治乳業では、ケトンフォーミュラの製造専用ラインを無償で提供してくださっているとのことで、患者家族として足を向けて眠れない存在。

ケトンフォーミュラ13gで糖質約1g、100kcal。MCTオイルが入っていて高脂質。ケトン食や修正アトキンス食療法をしている者にとっては、完全栄養食だと思う。

ニンタの場合

4歳でグルットワンと診断されたニンタは、このケトンフォーミュラが苦手だった。お湯で溶いて飲ませる、とのことだったけれど、油の味が強くて、牛乳に慣れてしまったニンタはとてもそのままでは飲めなかった。私も一口飲んで、「これはとても無理」と思ったものだった。

もちろん、食事療法はケトンフォーミュラを使わなくても継続できる。

それでも、風邪で食欲がないときや、災害時など、食べられるものが限られる事態の時に、「ケトンフォーミュラさえ飲んでおけば、しばらく何事もなく生きていける」という利点を考えると、日常的に飲み慣れておくことはとても大切に思えた。

さらに、このケトンフォーミュラは病院を通じて、現在は無償で提供してもらうことができる。通常、脂質の高い食事を続けるために、MCTオイルを食事に追加する事が多いが、MCTオイルは高価な上、医療費としての補助もない。(地域によっては補助がある。そこにお住まいの方はうらやましい…!)そこで、すべての脂質をMCTオイルで賄うより、少しでもケトンフォーミュラで補えれば、その分家計も助かるなあ、という親の目論見もあった。

ついでに、これは私の感想なのだけれど、MCTオイルは下痢や胃のムカつきを起こしやすいけれど、ケトンフォーミュラはそういう事が起こりにくいように感じた(個人差があります)。年齢があがるにつれて、摂取カロリーを増やすけれど、そういう副作用を考えると無尽蔵にオイルを増やしていくわけにもいかないので、やはりケトンフォーミュラという選択肢があるのはとても有り難い事なのだった。

最初のうちは、お湯で溶いたケトンフォーミュラに少し甘みをつけたりして飲ませていたけれど、お薬だと思って我慢して飲んでいる子の様子を見ると、飲ませるこちらも気分が落ち込む。

そこで、少しでも楽しく飲んで欲しいと思い、グルットワンの患者会の方にいろいろお聞きし、また自分でもレシピを考え試行錯誤し、割とニンタに好評だったのが上記の4つだった。特にミルクセーキのようにしたものは「元気になる味がする」と言ってくれて、とても嬉しかった。すぐに患者会のLINEで共有した。

糖質制限のレシピを書くということ


糖質制限に関して、グルットワン患者というのはエキスパートとも言えると思う。

ということは、もっとここで私がレシピなどを公開すれば、ダイエットや持病やいろんな理由で糖質制限をしている人のお役に立てるのでは?

それはまあ、わかっているけれども、私が糖質制限の道に放り込まれたのは、運命であって、決して好きでやっているわけでも得意な訳でもない。

そういう類の事を書こうとしても、筆が乗らなくて書けない、というのが実情だった。

糖質制限の料理に関しては、患者会の中で情報交換していけばそれで十分だよな、という気もしていて。

でも、そういう患者会にたどり着いていない人や、グルットワン以外の病気でケトン食をしている人や、「グルットワンの疑い」という段階で不安に思っている人には、こういう誰でも読める場所に情報があるのは、意味のあることだと思い直した。

そこで、手始めに、本当に限定された人にしか役立たないし、と言って患者会では常識になっていて改めて読むでもない、基礎中の基礎、ケトンフォーミュラの話題を書いてみた。

どこかで、この情報を欲している人が、1人でも2人でも居るかもしれないから。

ケトンフォーミュラは、卵とおからパウダーと混ぜて蒸しパンやお好み焼きにも使っているし、クレープやパンケーキのように焼いたりもする。食の細いニンタの場合、ケトンフォーミュラを使った料理は自然にカロリーアップできるので、とても助かっている。

グルットワンの患者にとって、なくてはならない食材であると同時に、食事療法しかないこの病気の者にとって、薬と同等の価値がある。

そのケトンフォーミュラが、一企業のご厚意によって存続しているということは、少々危うさもあって、患者会では今後も安定的に供給されるように要望も出してくださっているとのこと。

私もそれを知って、使い残すことがないように、缶の底まできれいにすくって、毎日感謝の気持ちで利用させて頂いている。




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