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お風呂に入る

とある申し込みに数秒間に合わなかった。
悔しすぎる。

落ち込んでいると友達の定置網に
引っかかり一緒に銭湯に行けることになった。
(定置網…昼間に友達がインスタのストーリーで
銭湯に行きたいな〜という文言でで定置網を
仕掛けておき、それに引っかかったわたしが
仕事終わった!という投稿をみて銭湯に
誘ってしまうよう仕向ける漁の仕方)

もうすぐ終わってしまう銭湯に行った。
水玉の看板と青い光を放つ電飾が目印。
浴槽のへりが丸くて安全でかわいい。
昔映画で栄えた街にあるので
渋い俳優さんの写真やポスターが貼ってある、
外観とのギャップもいい。

最近買った自慢の「祭」手ぬぐいを頭に巻いて
ひょっとこみたいに湯船に浸かっていると、
隣のおばあちゃんが急にお湯を撒き出した。
驚いてよく見るとドデカい蛾がいた。
おばあちゃんは蛾を退治しようとしていた。


田舎育ちのくせにデカい害虫が怖いわたしが
恐れ慄いている中立ち上がったのは友達。
桶を片手に蛾の方へ向かっていった。
たくましい。蛾は薬湯の壁の方へ向かっていき、
あと数メートルで届きそうな距離に。
おばあちゃんとわたしが見守る中、こちらへ
目配せしいざ湯に足をつけ捕獲するぞ!というところで
友達は沈んでいった。(物理的に)

床より浴槽の方が深いことを友達は計算に
入れてなかったようだ。おばあちゃんとわたしは
めちゃくちゃ笑ってしまった。
こういうところがとても好き。

そんなこんなでなんとか桶の中に蛾を収める
ことはできたけど、次はその蛾をどうやって
外に運ぶか。
入った時の番台はおっちゃんだったから
女湯には呼べないな〜と思っていたら、
奇跡的に女将さんに代わっていたようで
騒ぎを聞きつけて浴室に来てくれた。

「紙を!紙をください!」
と言うとティッシュを持ってきてくれたけど、
わたしたちは湯の上での殺生は避けたかったので
デカい広告的な紙を持ってきてもらうようお願いした。

そしてなんとか紙で蓋をしたまま桶をひっくり返して
蛾を外まで運ぶことができ、一件落着。

湯上がりに虫退治のお礼にと、コーヒー牛乳を
頂いてしまった。わたしはきゃーきゃー騒いでた
だけなのに。勇者は友達なのに。
でもありがたくいただきました。

そのあとあの蛾がどれだけ危険なのかを
おばあちゃんが力説してくれてかわいかった。
ツルツルおばあちゃん好き。

友達の行動、おばあちゃんのキャラ、女将さんの優しさ全てを踏まえてあの空間、空気感良かったな。
多分ずっと忘れないな。
家からいちばん近いのに全然行かなかったことを後悔。無くなってから後悔するのは人間の愚かさです。

とても楽しい時間だったけど、
夏の終わりということもあって寂しい気持ちも
湧いてくる不思議な時間でした。

ボーナストラック

食べたもの
朝 ベーコンエピ りんごデニッシュ
昼 ナスとトマトのスパゲッティ
夜 マスカット 鶏胸肉のおろしポン酢あえ

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