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ミスiD2021 完結

伸びに伸びたミスiDがやっと終わった。


正直、このまま終わらなければいいのになってこの冬はずっと思っていた。だって、終わらなければ全員ファイナリストという小さなゴールのままだから。


コンテストというものはどうしても結果がでるもの。ミスiDは賞が多いことで有名だけども、どの賞にも引っかからない自分を想像しては怯えていた。


予想通り、ミスiDの卒業式ではずっと気分が悪かった。



自己紹介で初めて審査員の方々に自分を見てもらうから、最後の悪あがきと思ってワンピースを脱いでメイド服になるパフォーマンスをした。


こういうことは誰もしてなくて、みんなは色んな方への感謝やギターの弾き語りをしていたから、私は間違っているのかな…という気持ちになり、自己紹介までの2時間がすごく長くてストレスで煙草が止まらなかった。



普通の服を着ているときは何の取り柄もないただの女の子だけど、メイド服を着ると無敵になれる。そういうことを伝えたかった。メイドという職業は私の数少ないアイデンティティだから。



自己紹介が終わって授賞式に移り、何の賞にも引っかからない私はずっと頭が痛くて、胃が気持ち悪くて、受賞者の皆様のコメントと小林司さんの「対面面接では~なことがあって~」というその人に纏わるエピソードを聞くたびに泣きそうになって何度も何度も何度も帰ろうとした。


やっぱり対面面接に進んだ人がほとんどなんじゃん、という気持ちでずっと泣きそうだった。



授賞式が終わった後のことはあんまり覚えてない。頭の中がぐちゃぐちゃで、一刻も早くあの空間を抜け出したくて、トイレで着替えてすぐに帰った。スナップ撮ってもらってくださいね、というグループLINEも無視して。




おかげで授賞式のあとに写真を撮ろうと思っていたかわいこちゃん達とはろくに言葉も交わさずに帰ってしまった。自己紹介と授賞式の間の休憩時間に相互フォロワーの2人とだけでも撮っててよかったな、と今では思う。


そもそも私がファイナリストになれたのは、セミファイナルのときCHEERZというアプリで2番目に熾烈なグループにはいってしまい、アイドルさん達に挟まれながらも健闘したから、それだけだと思っている。


あの1ヶ月半は寝ても覚めてもランキングを見ていて、みんなが課金してくれたりポイントを毎日貯めてくれてる様子を見ては無理させてる自分が嫌になったり、順位が入れ替わるたびに胃が痛かった。


最終日の夜は1人だと怖くて耐えられなくなったから友達を呼び出してbarでお酒を飲んでいた。結果を見た時にハハって空笑いした記憶がある。正直もう二度と課金レースはやりたくない。


(余談ですがそのCHEERZで最終的に2位になった方はファイナルを辞退していたようです。なんだよそれ!w)


ファイナルではまたzoom審査があった。シナリオを練っていたものの、やりたいことは半分しかできず不完全燃焼で終わった。そのあと対面面接がある人とない人に分かれたんだけれど、私はない組だった。そこまで魅了できなかった私が悪いのだけれど。




魅了できなかったというか、人生に迷っていたから何を伝えれば良いか分からなくなっていた。


最初はアイドルとライターになる夢を捨てきれずに応募したミスiD。


コロナ禍が長引くごとに今からアイドルを目指すことは悪手じゃないかという考えもどんどん増したし、セミファイナル時にはCHEERZでほぼ毎日文章を書いていたけれども文章の才能も楽しく書き続ける才能もないなと悟った。毎日何を書けば良いか悩む日々で、寝る前になんとか語彙を引きずりだしていた。



その迷いを審査員に伝えるべきだったんだろうけど、短いzoom審査では伝えれるはずもなく、ただオムライスを作って終わった。だから私は審査員に会いたかった。この迷いを、悩みを、人生のカルマを伝えたかった。




生まれて初めてのアルバイトがメイドカフェで、それが3年続いてる私はどう考えても人と違う部分があると思うんだけどなあ。自分でもその狂いは認識できてないんだけど、辞めてく子がこんなに多い業界に、豆腐メンタルのはずの私が毎日楽しく働けてるのはどこか尖ってるところがあるからなのでは?と思わざるを得ない。


たくさん応援してくれたみんなには何も受賞できなくてごめんなさいという申し訳なさしかないです。私を推してくれたみんなは見る目があるよ!って言いたかった。大口叩いといて何もとれずに本当にごめん。


何人かから「ミスiDって何回でもエントリーできるんでしょ?」って言われたけど、迷ってばかりじゃなくて自分で認めれるくらい魅力的な人間になったらもう一回チャレンジしてみようと思います。


そのときにはメイドをやってないかもしれないし、今と全然違うキャラかもしれない。その時も応援してくれとは言わない。


ただ、この私が不完全燃焼で終わるわけないわよ…!ということはここに表明しておきます。




ミスiDで人生の何かが変わるとは思ってないけど、今まで私のことを見下してきた全ての人にちょっとでも(…ふーん。)と思わせられたら。




改めて、ミスiDファイナリストのふんわりれいなとして応援してくれた全ての皆様に感謝と愛を。アーメン。

記事を書いた後いつもインスタントのスープか紅茶を飲んでいます。奢ってくれる気持ちで投げ銭してくれると書く甲斐があるってもんです