マッチングアプリスク
久々にカフェで作業をしていたら、隣に恐らくマッチングアプリで出会って今日初めて顔合わせデスって感じの男女がいて
「実は本名は●●なんですよろしくお願いします。アイコンと全然変わらないですね」
みたいな会話をしていたので耳の穴をいつもより広げて見守ってたのよ
ひょろっとした童貞臭漂う、僕は男子校出身だから女性の顔見て話せないんです系男子と
恐らく素朴な人生を人に騙されたり貶められたり絶望したりすることなくすくすくと歩んできて都会に進出したタイプの女子のペア
会話開始2分で自己紹介を終え、早速迎える沈黙の5秒
初対面の沈黙は3秒だって地獄だというのに
話を展開する気力も能力もなさそうな男子を察してか
「人見知りですか?緊張してますか?」と
聞いたって何の解決にもならない会話のボールを投げてやる女子に対し
「そうなんです…聞いてもらう方が楽なタイプかもしれないです」
と早くも匙を投げるMEN
私が相手だったら「筆談かテレパシーにでも切り替えます?」とか言ってしまいそうなところだが
「じゃぁお互いの質問出しっこクイズしましょうか!」と起点を聞かせる女子
世の中にはそんなゲームがあったのか
さすが女子。勉強になります
「私の出身はどこでしょう」
「僕の好きな色は何でしょう」
やっと会話めいた当たり障りのない表層的な質問が始まり、勝手に胸をなでおろしたのもつかの間
5分くらいたったあたりで男が苦渋の表情を浮かべ
「もう大体クイズだしちゃったな…後なんだろう」と言い出す始末
おい、お前の20数年間は5分間のクイズに収れんできるのか
そんなはずはないだろう
好きなAVのジャンルとか、好きな消臭剤のメーカーとか、好きなマヨネーズのメーカーとか、好きな化学記号とか、好きな栄養素とか、
まだまだネタにできることはいくつでもあるだろう
さぁ、質問をひねりだすんだ
お前はそんな浅い男じゃないだろう、さぁ、出すんだ
心の中でエールを送るも、再び訪れる沈黙の5秒
哀れになったか、女子から質問を投げてあげる始末
「私も質問される方が楽なタイプなんでわかります~」
おい男よ、これは気を使っているが、これはお前はタイプじゃないと言っているんだぞ わかっているか
気を使って質問して差し上げる気遣いもできるワタクシですれども、本来はぐいぐい聞いてくるMENがいいのって
そういうことなんだぞおい ちゃんと認識できてるか
話しやすくて僕に興味持ってくれてるいい子だな~なんて間違っても思っちゃいないだろうな
と、どんなに心の中で叫び続けても通じようがないが、
30分くらいたったところで「そろそろ店出ましょうか」と早くもディールをクロージングしにかかる女子
いいのか、ここで踏ん張らなくていいのか、もっと話したいな、とか言わなくてもいいのか
「あ、そうですね、出ましょうか」
終ーーーーー了ーーーーーーー
残念だったな、、、30分でタオルは投げられた、、、
しかし自分ならどうだろうか
全く興味もない初対面の人間の「私のこと当ててクイズ」なんてさせられた日にはたまったもんじゃない
そんなことしてるより一人で官能小説でも読んでた方がよっぽど有意義だ
そんな風に思うからいつまでも一人なんでしょうね
え?わかってるわ
はぁ、やっぱりマッチングアプリなんてやらなくて正解だわ
とりあえず運命の王子様に街角で急にぶつかって声をかけられるその日を待つわ
∑(゚ロ゚ノ)ノ