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FIRE(早期退職)すると「後ろめたい」?

私は一昨年、55歳でFIRE(早期退職)に成功しました。
早期退職・定年退職後の人生設計や生きがいについて情報発信しています。

以前、「早期退職なんかして遊んでいて後ろめたくないのか?」と聞かれたことがあります。

FIREの条件が十分揃った人が躊躇してしまうのは「後ろめたさ」という心理的障壁があるためなのかもしれません。
私自身は全く後ろめたいと考えたことがないのですが、経験を交えて「後ろめたい」感情をどう扱うべきか考えてみます。


世間への貢献ってなに?

私には子供の頃の、こんな体験があります。
母が祖母から聞いた話です。祖母が年金受給年齢になった時、
「もう働いて税金を払ってお国のために尽くせないと思うと悲しい」
と言っていたと私に話してくれました。
今考えると、この祖母の言葉は誤解があります。年金を貰おうがなんだろうが、働くことはできるし、一定以上の収入があれば納税する必要があります。
祖母には、世間が何かを祖母に与えるのではなく、祖母が自分で働いて税金を払い社会をよくするのだ、という気概があったのだと思います。
祖母が働き盛りだった頃の日本は、戦後の復興、高度成長期で国全体がどんどん良くなっていった時代なので、「自分の働きが自分の生活や社会を良くする」というプライドを持ちやすかったのではないかと思います。
私は祖母のような気概は持っておらず、確定申告時期になると「どうやれば減るか?」という事ばかり考えてしまいます。
しかし、納税金額が決まり、提出書類が完成すると、ほんの少しだけ「このお金が貧しい人の生活の糧になったり、世の中がより便利になるために使われるといいな」と思うのは祖母の話を思い出すからです。
「社会への貢献」から連想される言葉は人それぞれだと思います。ボランティアとか、寄付とか、散財も一種の社会貢献と言えるかもしれません。
私の場合は税金でした。

社会貢献を計算してみる

税金を社会貢献とした場合、自分が今までどれだけ貢献したのかを計算することができます。
働き始めてからの、給与明細や確定申告書の納税額を合算すればいいだけです。
国税庁のWebサイトによると、平成12年度の平均納税額は68万円と計算されています。
また、資産形成オンライン([https://gentosha-go.com/articles/-/42291?page=2])によると大卒で65歳まで働いた場合の納税額のトータルは約3,029万円だそうです。
私の投稿を読んでいる人たちのほとんどが45歳以上で、FIREに興味がありということがわかっています。FIREを視野に入れることができる収入や資産がある人たちだと思います。
そうすると、多くの方は平均納税額以上の貢献をされているのではないでしょうか?
FIREしたとしても後ろめたさを感じる必要はないのではないでしょうか?
納税額が多ければ偉いとか、立派とかいう話ではありません。
ぼんやりとした不安がある時に、なんらかの指標を考え数値で明確化することは重要です。
私自身はFIREする際、平均納税額を調べたりはしませんでしたが、十二分に社会貢献していることがわかっていましたので、後ろめたさを感じることはありませんでした。

後ろめたかったらFIREしないのか?

私の場合、「後ろめたさ」については全く感じていなかったので、人から聞かれて初めて後ろめたさを感じる人がいることを知りました。
でも、時計を3年前に巻き戻すことができて、その時に「後ろめたさ」を感じていたら、どうしたでしょうか?
100%、後ろめたさを無視してFIREに踏み切ったでしょう。
実際にその人たちに迷惑をかけたというのなら話は別ですが、そうでないのに他人に後ろめたさを感じるのは無意味です。また、親に対してという場合も、すでに自立している子供に「後ろめたさ」を感じさせるのは、いわゆる「毒親」に間違いありません。親であっても袂を分けた方が良いです。
自分の人生はたった一度きりなのですから、やりたいことをやらないと損ですよ。

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