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京都ママチャリ旅 道中編

この「京都ママチャリ旅」は道中編と、京都到着編の2作に分けて書いていきます。といっても、2分もあれば読み終えてしまうのですが。書いてる途中に僕の集中が切れてしまったため、急遽2作に分けることになりました。そして、この旅の道中にまさかの1枚も写真を撮っていなかったので、今回は文章のみになってしましました。反省。それではお楽しみください。



あれは2年ほど前の春休みだったと思う。空がこの上なく青く、雲が一つもない日だった。僕はセールに向かう我が母のようにママチャリを爆速で漕ぎたおし、京都に向かっていた。

僕が京都へ向かう数日前に友達とご飯にいった。そこで友達は、どうやら面白い人たちが集まるホテルがいろんなところにあるらしい。その名を「ゲストハウス」と呼ぶらしいぞ。と僕に言った。僕は「よくわからんけど、行ってみたい」と思ったのだった。

そして、僕が初めて旅をする日がやって来た。その日は何も予定のない1日のはずだった。しかし、バカみたいに晴れた青空が僕を外へと招いていた。僕は何を思ったのか、「よし、今からゲストハウスへ自転車で向かおう」と決めたのだった。当時の僕はビュンビュンスピードをだせるような立派な自転車は持っておらず、風が吹けば歩いてる人よりも遅くなるよなママチャリしか持っていなかった。京都のゲストハウスに予約を入れ、リュックに適当に着替えを殴るように押し込み、大好きな服を着てママチャリを跨いだ。ママチャリを跨ぐまでは順調だったのだが、僕は極度の方向音痴だったのだ。京都がどの方向にあるのかもわからない。しかし、僕には最高に信頼できるパートナーがいる。iPhoneを買うと必ず付いている「マップ」というアプリだ。そして彼に行き先を伝え、彼の言う通りにママチャリを漕ぎたおした。

その日の僕は、人生で1位、2位を争うほどのハイテンションだったと思う。道を歩いている知らないおばさんに「こんにちは!いい天気ですね!」と声をかけたり、信頼できるパートナーがいるにも関わらず「ここに行きたいんですけど、どうやって行けますか?」などと聞きまくっていた。初めて感じるこの心のワクワクを誰かに共有したかったのだろう。ひとり旅だと思い出や気分をその場で誰かと共有できないのが少し寂しい。

京都へ向かう道中のことは今でもはっきりと覚えている。国道を走るトラックに僕も負けじと大声で歌い、「まだ着かんのかよ!!」となぜか笑顔で愚痴を叫んだり、まだ少ししか漕いでないのに、自分へご褒美のパンとコーラをプレゼントしたり。初めて見る景色、初めて感じるワクワク、本当にたどり着くのかという不安。色んな初めてがそこにはいっぱいあった。僕はそれらに心から感動していたのだろう。それがテンションという形で現れていたに違いない。あの時僕のテンションの餌食になった方々、本当にすみませんでした。笑 

「京都到着編」へ続く。


おかげさまでいつも楽しくやらせてもらってます。ありがとうございます! これからもどうぞよろしくお願いします。