多角化でアイドルの活動期間が伸びた V6も

【四半世紀のアイドルファンが想うこと★V6★ vol.79】
 V6の解散予定日まで あと3日


昭和の頃は、いい成績取って、いい大学行って、いい企業に就職して、定年まで勤めあげると言うのが人生うまくいく図式とされていた。
企業も、大きな工場を作って大量生産して売れる時代だった。

それが今は不確実性の時代と言われて先が読めない。
仕事でも本業は大事だけど、ずっと同じことをしていたら大きな会社も大変なことになってしまう。


アイドルも、昭和の時代は、歌とダンスとコンサートが中心で、バラエティー番組にメインで出たり、司会者やMCをやったりとかって考えられなかった。

それが、SMAPさんのおかげで、バラエティーや司会者など、アイドルにとっての新しい世界が開かれた。

V6も、代表番組の「学校行こう!」を筆頭に、三宅健くんがレギューラー出演してた「伊東の食卓」など、バラエティー番組にずっと出ている。

アイドルとしてダンスや踊りがうまいのはもちろんだが、グループのコンサート以外にも、ドラマ、映画、外部の舞台やミュージカルなどにも出演している。



こうやって、本業以外にも事業を行うのを経営学では多角化と言う。
多角化とは、その企業にとっての新しい市場に、新しい製品を投入していくことだと言われる(アメリカの経営学者のアンゾフによる)。

アイドルで言えば、歌とダンスとコンサートというガチガチの本業はもちろん、バラエティー、司会、映画、ミュージカル、舞台などにも出るということだろう。バラエティーは芸人さん、司会はアナウンサー、映画等は役者さんなど、アイドル以外の方が担っている、アイドルにとっては新しい市場だ。
新しい製品というとちょっとわかりにくいが、歌とダンス以外の、コントをやる力や、司会業なら人の話を引き出すスキルなどの新しいスキルだろう。


そして、多角化のメリットは、シナジー効果だと言われる。新しい市場に新しい製品を出すことで、本業も潤っていく。

アイドルで言えば、ファンにしか知られなかったグループが、バラエティーや司会者をやることで、初めて見る人の目にも触れていき、知ってもらって、認知してもらう。それでまた本業のアイドルでのファンが増えるだろう。
また、ファンになってもらわなくても、あのタレントさんの司会がいいとか思われれば、司会者として期待される。シナジー効果だ。

イノッチこと井ノ原快彦くんは、アイドルでありながら、役者をやったり、司会では紅白までやったりと、歌とダンスのアイドルの本業以外にもバンバン出演している。
イノッチは、かつてのインタビューでこんな風に語っていた。

俺、役者だけやってたら普通だろうし、歌手としても普通だったと思う。芸人さんだったら、今の激戦時代を勝ち残っていけると思えない。でもアイドルという肩書きがあるから”アイドルなのに?”と驚いてもらったり、楽しんでもらえたりして、いろんな仕事をやらせてもらってる。
(「ぴあ関西版」No.659 2008年11月6日号)

このインタビューではイノッチは、
  アイドル→芝居(役者)やバラエティ(芸人さん)
で楽しんでもらっていると表現している。
これは、逆に、
  芝居(役者)やバラエティ(芸人さん)→アイドル
という図式も成り立つだろう。アイドルとしてのイノッチを知らなかった方々も、NHKの「あさイチ」で司会をやってたイノッチを見て、あら、アイドルだったの、と知ってもらえることもあっただろう。

こうやって、イノッチは、アイドル以外にも、役者や司会者などで幅を広げ、世の中に楽しんでくれる人を増やしている。そして、逆にアイドルとしての自分も知ってもらって、ファンの幅を広げているのだろう。

思えば、SMAPさんの頃から、ジャニーズのアイドルの活動年数が10年を超え20年を超えると言うことが普通になってきた。アイドルとしての多角化が、シナジー効果となって、彼らの活動の長さとなっているのかもしれない。

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