私が短歌を始めたのは2018年。しんくわさんの短歌に触れて以来3年になる。とても好きだ。少し紹介させてほしい。おそらく15首ほど。一言ずつ添えていくスタイルでいきます。

卓球やあらゆる間接キスなどに負けるわけにはいかない僕らだ
　忍耐！

てのひらに落ちてくる星の感触にかなり似てない投げ上げサーブだ
　さー。

消火器の威力を試すなんてこと部屋の中ではやめろよ岩野
　いわのー。

真っ白な東京タワーの夢を見た　今年は寒くなればいいのに
　現実の色。

ぬばたまの夜のプールの水中で靴下を脱ぐ　童貞だった
　ぬばたまの夜なのでね。

背後から優しく抱いて囁いてジャーマンスープレックスホールド
　……やるよ。

木曜に落としたハンカチ、ペンギンに拾われ地球を一回りする
　ついー。

僕はもう火星に帰る。ペンギンの言葉を理解するなんて無理だ
　ボディランゲージ。

きらきらと光る凶器を魚だと言い張ってます。覆面ペンギン
　アジくらいの。

長宗我部元親という名のペンギンに統一されし南の孤島
　ぎゃー。

とらんぽりんがむかついている夜でした。かわるがわるに跳ねるペンギン
　ぽりんぽりん。

岬まで車に乗せて行きましょう花束と一緒に投げ捨てましょう
　事件性。

かばんの中の君の身体をたたむようにだからといって殺さぬように
　ぎゅっ。

金魚鉢をすっぽり被って夕焼けを待っているような哀しさである
　二度目の恋。

百年も経てば涙は乾くでしょう　僕は沼地で溶けゆくでしょう
　しっとり。

まだ34ページなのですが、15首になってしまいました。かなり厳選したつもりなのに。途中までになりましたが、歌集「しんくわ」は140ページほどあるので、ぜひ読んでいただきたいです。
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（了）