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僕が子供縁日で稼ぐ理由【前編】

売上は20万円くらい。天気が良ければ25万くらいはあったはず。

この金額は僕たちが丸岡城麓のお天守前公園で開催しているお祭り、お天守フェスで行う【子供縁日】の1日の売上。多い少ないの話ではなく、子供縁日は僕たち運営側にとっての大事な収入源の一つです。
これは地域のイベントは何のために稼ぐのか。そんな事を考えるきっかけになった話です。

_子供を攻められると親は縁日から逃げられない

僕の住む地域には春と秋に【丸岡祭り】という祭りがあり、まちの道路沿いに行商の屋台が何十件も並びます。
屋台の中でも縁日って親にとって恐怖なんです。子供は絶対にやりたがって駄々をこねるし、1回で500円ほどが一瞬で無くなります。
それでも下手くそな手書きのドラえもんが描かれたスマートボールを見ると懐かしくなりついつい子供と一緒に熱中して何千円も払う羽目に。残るモノはその時しか遊ばない安っぽいオモチャたち。
ただ、屋台がまちにやってくるのも年に2回くらいの非日常なのでそこまで深く考えた事はありませんでした。

_縁日界の半○レ現る

非日常とは対照的に最近は様々な所で頻繁に行われているまちのマルシェ。僕が初めてヤツらと出会ったのはそんな場所でした。
特に何の目的もなく立ち寄ったマルシェのゆったりした雰囲気の中に急に現れた人だかり。近づいてみるとスーパーボールすくいをする子供達とそれを見守る親達の輪でした。
いきなり現れた縁日に僕の心がざわつきます。
ちょっと待ってくれ!心の準備が出来てない。マルシェにそんな気持ちで来ていない。財布の準備も出来てない。
ペイペイが使えるだって?ふざけるな!

見た目は他のマルシェと同じようなテントで、中身は劣化版の縁日屋台。
お祭り縁日はレトロ感と何者か分からないおんちゃんが醸し出すノスタルジックな雰囲気も込みの金額なんだ!こんな即席のスーパーボウルすくいに何で500円も払わなくちゃいけないんだ。景品も例に漏れず今日しか遊ばなそうな屋台でもらうオモチャじゃん。何でそこだけ忠実に再現してるんだ。ちくしょう!

そんな親の思いとは裏腹にスーパーボウルすくいをせがむ我が子。
なんだか急に現れたマルシェ縁日から子供を介してカツアゲされた気分になりました。

_目指すは子供と縁日側と地域の三方良し

このマルシェ縁日は何ら違法な事をしている訳ではありません。
そもそも縁日に払う金額の対価って何なのかchatGPTに聞いてみました。

縁日で支払うお金は、一般的には提供される楽しみやサービス、地元の経済への貢献といった要素に対する対価となります。これらの対価を通じて、参加者は楽しい体験を享受し、地域の発展に一緒に貢献することが期待されます。

chatGPTより

今回の縁日マルシェは子供に対する楽しみや体験は満たされていたと思います。
実際に我が子は楽しそうにもう一回やりたいと駄々をこねていました。
縁日側もたくさんの子供が来てくれて大盛況だったので目的は達成しています。
今回僕が納得してお金を払えなかった理由は【地域の発展に一緒に貢献すること】これにヒントがありそうです。
お祭り縁日で少々財布にダメージを受けても納得できる理由は、このお祭りの空間が楽しい、丸岡祭りがこの先も続いて欲しい。その為に使っているお金だと納得しているからだったのです。
一方、このマルシェ縁日には悪いですが僕は何の思い入れもありません。
地元野菜や手作りクラフトをイメージして何となくマルシェに来ていた僕にとって、急に現れた縁日はただ出費のかさむ厄介な存在に映ったのでした。

こんな事を言いながら、僕たちの行っているお天守フェスでもやってるんです。子供縁日。
人力のモグラ叩きや射的や輪投げなど。最近では手作りでイライラ棒も作りました。
内容を充実させているからマルシェ縁日とは違う!なんて主張は、受け取る側次第なのでやっている事はマルシェ縁日と同じかもしれません。

今の子供達はイライラ棒を知らない

お天守フェスというイベントをやり出した頃は、正直な話、明確な目的なんてありませんでした。ただ、丸岡城麓のお天守前公園でイベントをしたい。まちの賑わいを作りたいなど。
よかったらこちらの記事にどんな事をしているか書いてあるので読んでみて下さい。

イベントに沢山の人が来てくれれば成功!なんて漠然と考えていた僕が、盲目にこだわっていた事が【稼ぐ】事でした。
ボランティアでは続かない!などとよく聞く言葉を言いながら、何の為に稼ぐのかを考えずに突っ走った結果、実際にイベントの収支がプラスになった時にちょっとした問題が起きました。
それは、ただ人が集まる事が成功のまちのイベントを行う事に疑問を持ち始めたきっかけにもなったのでした。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
続きは後編で!

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