ETV特集「鍵をあける 虐待からの再出発」を見て~
支援は「今まで痛い思いをさせてきて申し訳なかった」と施設職員が強度行動障害を持つ人に謝ることから始まった。
外界や人から隔てる。興奮させてはいけないのでコミュニケーションは少なめに。仕切りを設けて環境調整。強度行動障害と呼ばれる人のためだと言いつつ、いったい誰のためだったのか。それによって、人として最も大切なものを奪ってきたのではなかったか。
なにも大それたことではない。信頼、愛情、自信、やりがい、「あなたは大切だ」と人から思われること。
施設に入所しているある行動障害の男性が「自分は生まれてこなければよかったんだ」と打ち明けた。所長が言ってたように、まさに心の底からのうめきだろう。打ち明けは地道な信頼関係の構築が前提となる。
施設から地域の作業所に通うようになって同じ作業所の仲間から「○○くんがいてくれたおかげですごく助かっています」と何気なくつぶやいた。そんな何気ない日常の一コマ一コマがかけがえのないものなのだろう。
このぼくも“強度行動障害”と一括りにして「大変なんだなぁ…」とイメージしてしまうことはよくあった。それが回りまわって、当事者本人を追い詰めていたとしたら申し訳なく思う。
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