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本来の使い方ではないですが

 作った人の意図とは異なる使い方が「新たな価値」を生み出すことがあります。例えば日本庭園などで見る「ししおどし」は水がちょろちょろと流れる心地よい音と竹が打ち付ける爽快感が、なんとも日本的風情があって良いものです。しかし、本来は読んで字の如し「獣を追い払う」道具でした。獣を追っ払う道具からヒーリング効果のある道具になったことは製作者の意図としない所だったのではないでしょうか。今回はそんなDIYになります。

  最近は天井の配管や配線などが丸見えの店舗やオフィスも少なくないですが、ほとんどの天井はそれらが見えないように蓋がされているものです。天井の中では照明などで多くの配線が張り巡らさせていて、それを束ねて引っ掛けておく為のフック「ケーブル支持金具」というものがあります。一般の人たちには、天井の中にあるのであまりお目にかからないものかもしれません。

ケーブル支持金具吊りボルト用

 このフックは天井から伸びる吊りボルトと呼ばれる長い棒のようなボルトに引っ掛けるようにできています。クリップのようにつまんで好きな位置に取り付けられるとても便利な金具です。今回はこれを使った簡単便利な自在ハンガーを作っていきます。

材料

  • 丸棒 910mm×直径Φ10mm穴 1本

  • ケーブル支持金具(好きな数)

  • 首長 直径Φ10mm穴  2つ

材料は3種類

 この「ケーブル支持金具」のクリップ部分のホールド力が結構あるので、吊りボルトでなくても滑らない素材であればしっかりと留まるのでは考え、今回は木の「丸棒」を使用します。壁への取り付けは「首長」と呼ばれるタオルハンガーなどを作る時に使用する金具です。見たことがある方も多いのではないでしょうか。

作り方

  1. お好みの長さに丸棒をカット

  2. 両端に首長を取り付け(きつくて入らない場合はカッターやヤスリでけずってください)

  3. ビスで壁にとりつけ

棒が回転しないぐらいのきつさに調整
今回は棒もカットせずに910mmそのままで
手動ドライバーでも充分です
「ケーブル支持金具」のクリップは結構しっかりしてるのでちょっと力がいります

 作るというのもおこがましいぐらいの簡単さです。しかも材料は3種類。工具もノコギリとドライバーがあれば大丈夫でしょう。費用は1000円あれば充分です。
 引っ掛けるという意味では「本来の使い方」と大きくは変わりませんが、普段天井の中の暗がりにある秀逸な金具を光を当て、インテリアとして使ったことは製作者の意図とは違ったものになったのではないでしょうか。このように「新たな使い方」「新たな需要」が生まれれば、このネタを使ったかいもあるものです。どうぞお試しください。

こちらからも作り方が見れます。

写真:薮内 努 https://www.instagram.com/yaboo/


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