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ビジネス領域を絞らなかったラクスルさんと、絞ってしまったプリントネットさんの時価総額がかなり開いてると言う話

企業にとって、投資家や銀行からどのように見られるかは非常に重要です。もちろん必要以上に良く見せるのは本質的ではないと思うので個人的には嫌いですが魅力的なビジネスモデルを示すことは未上場企業でも上場企業でも大切です。PBR(株価純資産倍率)と言う指標は企業の現在の価値を表すにはとてもわかりやすい指標ですが、PBRが1倍以下の企業(すぐ会社を清算したら株主はとりあえず利益になりそうなくらい市場で評価されていない企業)もたくさんあれば何十倍にも評価されている企業もあります。

PBRについては僕の大好きなバフェットコードのブログの説明が勉強になるので良かったら見てみてください。

とりあえず言いたいのは今の利益が同じでも時価総額が全然違うと言うのは当たり前のことのようにあるので、どういう企業が評価されるのかをしっかり考えるべきだと言うことです。

当り前ですが株式市場では「成長性」と「安定性」を求められます。例えばモノタロウは工具・工場用品の通販と言う中々地味なビジネスですが安定的な成長が評価され、140億くらいの経常利益ですが時価総額は約6,000億です。例えばパズドラで有名なガンホーは240億円くらいの利益を出していますが時価総額は2,400億円程度になってしまっています。これはわかりやすい例ですがまだまだ儲かっているパズドラが、今後縮小していくことは目に見えてしまっているからです。パズドラの代替えが見えないとも言えますね。楽天は楽天市場の成長は鈍化していますが金融部門の伸びが評価されてまだあまり下がっていません(それでも下がってしまってて悔しい)

昨年5月に上場したラクスルは時価総額が900億円と非常に良い評価をもらっている企業ですが、それでも年間の利益で4,000万円程度です(上方修正してこれくらい)。一方、ラクスルと同じ印刷ECの分野で昨年10月に上場したプリントネットは、7億円もの利益を出しています(予想かも)が、時価総額は47億円です。本業が同じ印刷ECで利益もプリントネットの方が出しているのに時価総額では20倍もの差が付いてしまっています。プリントネットさんも年間で7億もの利益を出している超すごい企業です。そこをdisる気持ちはさらさらなく、ラクスルさんすごすぎだなーという感想を以下でつらつら語ります。

※注※プリントパックじゃないですよ!プリントネットです!プリントパックさんは非上場です。売上は230億円くらいらしいのでラクスルさんが抜く日も近いのではないかと思いますがここで言及しているのはプリントネットさんです。

ラクスルの株価が高くなっている理由について、難しい視点からはCFOの永見さんの記事が非常にわかりやすいです。(くっそむずいけど)

モノタロウも例に出ていますが海外投資家比率と言うのが大事らしいです。そういうレベルの説明は今の僕にはできませんが、ラクスルとプリントネットのビジネスモデルがそもそも違うし対象となる市場が全然違うと言うことはひとつ言えると思います。

①印刷通販としてのビジネスモデルの違い

ラクスルは全国の印刷屋さんが持っている印刷機の中で、空いているものを安く使わせてもらうことで印刷費用を安くしています。いわばB2B2C(またはB)ですが、プリントネットはB2Cの印刷屋です。ちなみに売上があがった理由のひとつにラクスルからの受注があり、プリントネットの売上の20%~30%はラクスルからの受注です。一般的に小売の方がプラットフォームより利益率が低いと思われそうですがプリントネットの営業利益率は10%と割と高いです。利益率ではプリントネットは悪くないものの、現状のままではラクスルと言うプラットフォームに依存してしまっているため成長性が限られるととらえられたのだと思います。ちょっと前に楽天市場に出店して成長した企業の上場ラッシュがあったのですがそれに近いかも知れません。ラクスルは現状では広告宣伝費などの影響であまり利益は出せていませんがプラットフォームに企業を集めると言う一番難しいところを成功させているのて今後も安定的に成長できると考えられているのだと思います。

②戦っている市場の違い

プリントネットが完全に印刷ECに特化してしまっているのに対して、ラクスルは印刷だけでなく、広告、物流と言う市場の産業構造も変化するとアピールしています。

"楽刷る"、だと思っていたのですが"楽にする"に変えてきたという感じでしょうか。しかも上場時に広告事業の売上高比率は(印刷事業内で)15%もあったようです。これも見せ方によっては印刷事業なのですが、あくまでもポスティングなどの広告事業だと見せているのだと思います。

これは本当にうまいと思っていて、ラクスルの今後の可能性が広がりそうな新規事業が立ち上がりかけた時点で上場しているので市場の反応も非常に良いはずです。株式市場は安定性と成長性を求めます。ラクスルは印刷EC事業の安定性(成長もしてますが)と、広告事業運送事業の成長性をしっかり見せた状態で上場し、その後もそれらをしっかり進捗させアピールすることで株式市場から高い評価を得ているのだと思いました。

弊社で言えば家電製品のレンタルからスタートし、今はベビージャンルのレンタルもしていますし、レンタルしていただいた商品の販売やメーカーさんのマーケティング支援も始めています。ただの家電レンタルでは対象市場がおそらく5000億円もないと思いますが、小売の市場も対象にすれば家電だけで7兆円、マーケティング支援でも大きな市場があります。これらをしっかり成長させ、事業を1つに絞らず拡大、拡張させて行くことは本当に大事だなと思いました。もちろんしっかりそれらの事業を伸ばすことも大事ですが。あと繰り返しになりますが特に上場うんぬんではありません(実際に決まってたらきっとこんなこと書けないし)

ガガガっと書いたのでたくさんあとで直しますが自分がなんとなく思ったことを書いたのでご意見など優しく頂けると嬉しいです!

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