C2Cレンタルがいまいち流行らないと思う理由

弊社ではRentioという家電、カメラのレンタルサービスを行っています。まだまだ大したことはないですが売上は年々拡大しており、レンタルサービスへの手応えを感じています。Rentioは自社で在庫を保有し貸し出すB2Cと、メーカーさんから在庫を預かりそれをエンドユーザーに貸し出し、マージンをメーカーに返すB2B2Cという2通りの販売形態を取っています(販売じゃないけど)。

B2C、B2B2Cの場合オペレーションコストと在庫コストがかかるので一気に10倍、20倍と売上を伸ばすことは中々難しいです。過剰に倉庫を広くしたり在庫を増やしたりするリスクを取るのであれば良いですが、あまり得策ではないと思っています。

そうなってくると、頭の良い人たちはC2Cレンタルという発想を考え出します。メルカリの隆盛を見ていれば当然の発想ですし、ニーズもあると思います。非常にありがたいことに僕のもとに「C2Cレンタルはどう思うか?」と相談に来てくれる方も数名いらっしゃいました。しかし、C2Cレンタルはあまり流行らないと思っています。2018年、2019年のうちにいくつかのC2Cレンタル企業が出てくるはずですし資金調達も行われると思いますがグロースは難しいと思います。

先に言っておくと、法人間のレンタルとクラシファイド系のレンタル、C2B2Cレンタルは可能性があると思っていますがメルカリのレンタル版を行うと中々しんどいと思っています(メル借りという名称を思いついてしまった・・・)。

サービスが流行らない理由を書くのは、誰でもできるし個人的にはダサいと思っているのですが相談してくれた方の中に「C2Cの方が楽だしグロースしやすいから」と言う人がいたのでそれを否定する意味でブログにしました。メルカリは社員の半数をCSで対応しているくらいトラブル対応に力を入れています。パソコンをカタカタやるだけでグロースすると思っているのであればそれは勘違いだと思います。

流行らないと思う理由は以下の点です。

逆に言うと、これらを解消できるのであればC2Cレンタルは流行ると思います。

まず、レンタルという概念が一般的ではないという点についてですが、レンタルサービスはいくつかありますがまだルールが整っていません。レンタル開始日は届いた日なのか届いた翌日なのか、返送する際の方法等もまだまだ整っていないのでいくらルール決めをしようと不安に思う人は相当多いので細かい対応が必要になります。僕は通常のECの経験も長いですがレンタルサービスは注文件数に対して問合せの量が多いです。

ヤフオク、楽天市場、Amazonが浸透していたからメルカリが成功したので、まだレンタルが市民権を得ていないので少し難しいかなと思っています。ただこれは時間の問題なので一番超えやすいハードルです。

次にトラブル対応についてです。メルカリでもトラブルはたくさんあるようですがレンタルの場合、注文量に対して単純に2倍は問合せが増えます。「届いたら壊れていた」「いざ着ようと思ったら汚れていた」という問い合わせは絶対にあります。また、返送したら「汚くなっていた・・・」等も絶対に起きるはずです。上記のようなトラブルもありますが盗難トラブルも絶対にあります。TSUTAYAやゲオでもありますし弊社でも盗難トラブルはあります。それらを防ぐための対応が非常に難しいはずです。イギリスのfatlamaというC2Cレンタルのスタートアップは盗難時にも全て企業側で保証しています。ただ、そうすると採算が合わないので取引の際の手数料を貸す側、借りる側双方から15%取っているようです。

次に出品側のメリットについてです。C2CでのレンタルはおそらくB2Cに比べて価格は安くなると思うので借りる側のメリットはあるはずです。ただ、貸す側のメリットがあまり感じられません。例えば5万円で買った普段あまり使わないカメラをレンタルに出したとします。いくらで貸すのでしょうか?弊社や同業を見ていると5,000円~10,000円くらいなのでC2Cだとすると高いかも知れませんが5,000円だとします。送料が往復で2,000円程かかるはずです。3,000円の儲けかと思いきやfatlamaの料金体系からすると15%引かれるので儲けは2,250円です。かなり良く見積もってこの程度なので実際にはもっと悪いと思います。洋服やバッグであれば返却後のクリーニングも必要になるでしょう。邪魔だというならメルカリで売った方が得だと思います。

ブランドバッグレンタルのラクサスさんが、ラクサスXというC2B2Cのブランドバッグレンタルを始めています。このサービスの場合ラクサスは委託倉庫の役割も果たすので出品する側のメリットは少しありそうです。このような形で例えばサマリーポケットの様な企業が預かった商品を貸すサービスならわかりますがメルカリのような形でのC2Cレンタルだと出品する側にメリットが感じられないので出品数が減り、必然的に借りる人も集まらないはずです。

ちなみにB2Cの場合、5万円で買って商品を5,000円で貸して(ちょっと安いですが)送料やメンテナンス費を引いて3,000円の利益だったとしても20回貸せば元は取れます。

最後にUXについてなのですが、例えば弊社であればきれいな箱に入れて、返送用の着払い伝票も付けて、ガムテープやご利用ガイドを付けて発送しています[PR]。

こんな感じです。C2Cレンタルの場合、そういったこともできないでしょうし、例えば商品の使い方がわからなかった場合などもサポートも出来ないと思うのでユーザー体験が非常に低レベルなものになってしまうと思います。弊社も創業当初からこのあたりをかなり変えてきたので自信があります。


だらだらと書いてしまいましたが貸す側にメリットがあまりなく、借りる側もB2Cの方が良い体験ができるのであればB2Cの方が流行るしC2Cにする意味がない気がしているのでしばらくは弊社はC2Cには手を出さずに進んで行こうと思います。

本当は、法人間のレンタルとクラシファイド系のレンタル、C2B2Cレンタルは可能性があると思う理由も書きたかったのですが長すぎるので・・・



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