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『下剋上球児』 第2話「隠し続けた秘密を告白する時」 感想


概要

放送局:TBS系列
放送日時:2023年10月22日(日曜日) 21時00分~22時09分

原案…菊地 高弘『下剋上球児』(カンゼン刊)

脚本…奥寺 佐渡子
音楽…jizue
主題歌…Superfly「Ashes」
プロデュース…新井 順子
演出…塚原 あゆ子
編成…黎 景怡、広瀬 泰斗
製作…TBSスパークル、TBS

番組公式サイト リンク

感想

「得意が一つあればそれでいいんだよ」

 樹生さんが居酒屋で独りごちた台詞ですが、めちゃくちゃ響きました。完璧な人間はもちろん、多芸な人間だってそういない。そんな中で「これだけは負けない」と自負できるものが一つでもあれば、それが自信に繋がる。自信があれば、"得意"以外に挑戦したり失敗から立ち直ったりする原動力にもなる。「得意なことがある」というのは、そういったプラスの連続につながっていくと思います。(今は「得意」と自負するハードルが高まっているので、そういう意味でも難しい時代ですが・・・。)
 翔くんの写真を見ながらというのも心に来ました。ああ、この人の孫への愛情は本物なんだなって。言動はアレだけど・・・。

 一方、越山高校野球部は前途多難。フィジカルテストでは芳しい結果が出ない。練習も食事管理も散々。各々が事情を抱えているとはいえ、チームとしては完全に翔くんに頼りっきりの状態です。
 南雲先生の「まずは熱中してもらうのが先」というのも一理あるのですが、部活(=結果を求める場)と考えると山住先生(演:黒木華)や賀門監督(演:松平健)の「叱ってあげる大人だって必要」という言葉の方が個人的には納得ですかね・・・。もちろん、相手の改善点だけを筋道立てて粛々と指摘し、相手に考えてもらう、本当の意味での「叱る」であるという前提ですがね。

 そんな中、越山高校と星葉高校の練習試合。
 賀門監督、厳しいながらもどっしりと構えて選手の意向を受け入れる、いい監督ですね。おそらくラスボス的立ち位置なんですが、「経験がない分、予想外の動きが出る」と選手の気を引き締めるところや、負けて悔しがる越山選手を見て「強くなるぞ、あいつら」と言うところは大物の貫禄が出ていました。
 星葉の選手もなかなかの好青年。翔くんとシニアでチームメイトだった児玉くんや江戸川くんも、彼の球速が上がっていることにワクワクしたり、試合後には「頑張れよー!」とエールを送ったり。ライバルとはいえ、彼らの関係は悪くなかったことが伺えます。
 一方、越山のエース・翔くんは完全に味方を信用できない状態(当然ですが・・・)。奪三振にこだわりますが、それが裏目に出て5失点で降板。代わった根室くん(演:兵頭功海)の好投や円陣での南雲先生らの言葉で"仲間の存在"を再認識した・・・と思います。まあ、一人で背負い込もうとするのは無理もないと思いますけどね、仲間がほぼ初心者同然では。でも、負けて悔しがり、練習に取り組む"仲間"は頼れる存在になるはず。そう思わせてくれる試合でした。

 ラストシーンで衝撃の事実が。なんと南雲先生は教員免許を持っていない。本来は「先生」を名乗ってはいけないのです。なんですって。

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