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微睡の世界VOL.9 宮藤官九郎さんについて

色んなミュージシャンを発掘してきた僕なのですが、ミュージシャンではない才能も一人見つけているんです。
それは最近ドラマ「不適切にもほどがある」の脚本で大バズりしている宮藤官九郎さんです。

彼との出会いは90年代の頭頃、下北沢界隈で小劇団ブームというのが起こり、色々観に行っていました。
その中で大人計画というのが面白いという噂を聞き、下北沢小劇場に93年2月「セックス・キングダムという舞台を見て「こんな面白いものは人生で見たことがない」というほどの衝撃を受けました。
今でこそ大人計画関連の舞台は年に1~2回ですが、93年は調べたら大人計画の主催のイベントが7本やっています。全部追っかけてました。

主催の松尾スズキさん以外にも今は映画監督の井口昇さんをはじめ何人かが脚本や演出をしていたのですが、宮藤さんも脚本演出が抜群に面白かったんです。(井口さんのも最高でした)

この時に20歳くらいだったら絶対に大人計画に入って演劇を目指すとなったと思ってい他ので大人になっていて良かったです。

なんとか関係性が出来ないかと思い、当時、僕はギタリストの高中正義の宣伝担当だったのですが、ラジオCMを作ろうという話になり、彼の音楽はインストなので、ただ曲流してナレーション入れてもインパクトがないと思い、芝居仕立てのCMにしようと思いつきました。

内容はタクシーのお客さんが乗ってきて流れている高中正義の音楽を聴いて「この曲、めちゃくちゃ良いけど、なんの曲?でも分からないと悩む(今ならshazamがありますけどね)そこでナレーションで「高中正義ニューアルバム、発売中」がされるというものです。(カセットで今でも持ってます)
このお客さんの役を宮藤官九郎さんにやってもらおうと思って連絡しました。
当時、宮藤官九郎24歳ですね
ヒョッロトして所在なさげにスタジオに現れた彼の佇まいは今でも覚えています。

それからなんとなく関係性ができて年賀状のやり取りなどもしました
95年のグループ魂の初ライブも西荻窪がどこかの小さいライブハウスに観に行きました。
インドの牛肉が禁じられているハンバーガー店のギャグをやったのを覚えています。

ある日、98年だと思いますが宮藤さん何かの雑誌の連載を見ていたらパソコンにナンバーガールのステッカーが貼ってあったんです。

これは連絡しなければと思いライブにお誘いしたり、音源を送ったりしたと思います。
その後、宮藤さんは度々、向井君に役者として舞台出演や映画音楽を依頼しています。

今もザゼン・ボーイズのライブの後の楽屋ではほぼ毎回お会いします。

氣志團と出会った時も、これは宮藤さんに知らせなければ思い、連絡したら、気にってくれて、当時、企画されていたドラマ「木更津キャッアイ」に大抜擢で出演させてもらいました。
その後、宮藤さんの舞台に綾小路翔は出演しています。

氣志團が宮藤さんの舞台にご招待していただき、よせばいいのに全員、学ラン、リーゼントで客席の真ん中にずらりと並んで座り悪目立ちして、その際の本当にすいませんでした。

本当は別の場所の設定だったのだけれど撮影の規制が一番ゆるい木更津になったそうです。これが木更津でなかれば氣志團の出演はなかったと思うので不思議な物です。

JAPANー狂撃ーSPECIALというバンドがいました。昭和のパンク・バンドのオマージュみたいなバンドで、面白いと思って何度が観に行ってたんですが、これも宮藤さん面白がってくれるのではと連絡したら、ライブを見に行ってくれました。
バンドはその後メジャー・デビューしたのですが、いつの間にか解散していました。面白かったけれど、初期衝動だけのようなバンドだったので仕方ないと思いました。

しばらくして宮藤さんと話したらJAPANー狂撃ーSPECIALのベースのよーかいくんが面白いから役者として使うんです、という話を聞きました。
彼も宮藤さんの舞台には今も良く起用されています。それと宮藤さんのもう一つのバンド画鋲にはベーシストとして参加してます。

僕は遠藤賢司さんの大ファンでもあるのですが、エンケンさんのライブの楽屋でも良くお会いしました。宮藤さんはエンケンさんの大ファンでもあるんです。
彼の監督作品で「中学生円山」という作品があります。これは遠藤賢治さんが痴呆症の老人役で出てくるのですが、これは宮藤さんが遠藤賢司さんを出来るだけ多くの人に知ってほしいという愛が実はすごく感じられる作品なんです。

宮藤さんのLINEのアイコンが一時、遠藤賢司さん写真だった事もあります。

宮藤さんについての考察は今の山のようにネットにあるので、それを読んで、納得がいかないのは書き手のほとんどが彼の作演出の舞台やグループ魂のライブを見ていないであろうという事なんです。

ドラマや映画ももちろん面白いですが、いろんな制限がない彼の舞台やライブはその何倍も面白いと思っていて、そこに彼の表現の本質が出ていると思います。

なので多種の今回の考察は何言ってんだか?と思ったりもしてるんです。

ちなみ最近お仕事している、ガチャリック・スピンを見て欲しいと思ってご招待したら見にきてくれました。
ボーカルのアンジェリーナ1/3の初舞台も見に来てくれて「初めてとは思えない」と感想をいただきました。

もし彼女が今後、宮藤さんの作品に出る事があれば両方のファンの僕としても嬉しい限りです。


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