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ダミーバイクでフィッティングの納車調整。

実車がShivなので再現性はまずまず。
パッド位置だけ修正して納車した。

通常、ダミーバイクを使った最適ポジションづくりは、得られたバイク計測位置(座標)が実車(ジオメトリー=設計寸法)で再現できるかをにらめっこしながら決める。

TTの場合はパッドスタックとリーチが他の車種と比べて重要なのだけど、自転車という意味ではサドルの前後位置も当然重要になる。基本的には前乗り出来ないとTTに乗る意味がない。一定ペース(強度、速度)のペダリングとエアロを実現するための車体だから。

車体の安定性やハンドリングなどの運動性能を引き出す意味でも前乗りポジションは大切で、これが出来ないとせっかく大枚はたいてTT専用車を買っても宝の持ち腐れである。

それに股関節の出力を最適化する意味でもサドルの高さ、前後位置はとても大事。TTに乗っていても、ロードのようなサドル後退位置で踏んでいる人が多い。これは理由のひとつにバイク調整の制約があると思う。車体側の調整幅が狭いということ。

たいていのTT車はあと20mm前にサドルを固定できるといいんだけど。

メーカーによってはトライアスロンとロードTTで共通のプラットフォーム(車台設計)を使っていることもあるので、ロードTTの国際的な車体規定をクリアするにはかなり後ろ乗りになってしまう。

これだと短時間のロードTTでは我慢の範囲としてなんとかなるけれども、6時間超のアイアンマンでは乗車姿勢も股関節の連続的な運動も我慢できない。

最終的に理想的なポジションの実車への再現はフィッターの腕の見せ所でもあるんです。そこはスキルで埋め合わせする場合もあります。クリート位置の調整、フォームの作り方、スキルが主な要素。

フォームの作り方は自律的な姿勢制御という意味合いで、制御するにはスキルが必要で、スキルは神経系と筋骨格系の制御が必要になります。これらがいわゆるペダリングスキルにつながります。

フォームはペダリングを司りバイクの駆動力を得るために必須であることに加え、空気抵抗を減らすメリットをもたらします。

で、ふたたびサドル位置固定のはなし。

身体の使い方という意味でも、フィッティングの流れという意味でもサドルの固定位置は重要。作業の流れという意味ではパッドスタック/リーチよりも先に固定されるので、必要な前乗り位置が実現できないとパッド位置も意味がない。

毎度、そんなことをグルグル考えながらフィッティングしてます。

実際にはこれらにバイクジオメトリーの再現性、お客さんの趣味性、メーカー在庫を加味して乗り換え、新車の車種とサイズ、カラーを決めていきます。

面倒で時間のかかる作業だからこそ、客観性のある事実が選択を効率的に、かつ後悔の少ない買い物になるわけです。

で、今日はサドル固定の自由度について言いたかったわけです(笑

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納車が終わって、予定されていたクリート調整がキャンセルとなり、いつもの立ち食いそばでランチして帰投。2時過ぎの暖かいじかんだったので、気になっていたロードのクリートを調整するためにライドへ。

夏にバイクを乗り換えた際に、クランクが170から172.5mmへ長くなったので、ペダリングがだいぶ変わりました。なので、クリートは170当時の位置から10mmほどかかと寄りに変わりました。

ペダリングがトゥーポイントのペダリングからヒールドライブに変わってきている証拠ですね。これは機材が変わったことによる変化だけでなく、筋肉と体重の減少も大きな要因ではないかとニラんでます。

データみると、3年前よりもケイデンスが高くなっています。最大パワーは落ちてますが、2分の4倍、5倍は維持しやすくなりました。

加齢によって可動域だけでなく、体重も変化します。

若い頃や調子が良かった頃のイメージのままでバイクに乗っていると違和感は大なり小なり出てきます。その際に、原因を自分自身のトレーニング不足やメニュー進捗だけに限定すると、解決の糸口が閉ざされるような気がします。「今の自分に合わせてバイク(と用品)を調整する」というバイクフィッティングの基礎に立ち返るとヒントがたくさんもらえます。

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グルグル考える仕事なので、糖分補給が重要です(笑
冬の限定版らしいです。甘すぎたw

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