病床六尺舌先三寸胸一寸10

ものすごく身勝手なのを承知の上なのですが、
 20代まではバカでありました。
 人の心など推し量ることもせず、自分勝手でした。
 しかし健康で人並み以上に体力に恵まれていたおかげで潰れることも
 潰される事もなかっただけでした。

 体を壊してからは
 謙虚になりました。
 それは良く言いすぎですね、卑屈になりました。
 若さ故の過ちを恥じたら死にたくなりました。

 しかしどんなに酷い態度でも「死ね」だけは言わなかったのです。
 なぜなら『タナトフォビア』だからです。
 死に関することがとても怖いので相手へ言うこともできなかったのです。
 生意気で喧嘩腰でも「死ね」は言えなかったのです。
 殺される覚悟があってもその前にあるであろう『痛みと恐怖』が死ぬより怖くて死にそうだったからです。

 こんなクズなのに『死ねない』のです。
 この世で一番己が嫌いです。
 一番卑怯で汚い男です。
 
 人のせいにして逃げ出せる人が羨ましかった。
 でも自分は悪あがきをしてしまうし、引け目も感じるのでより心を悪化させてしまうのです。

 心の発散だけの理由では決してありませんが
 親と環境だけは選べないし、
 選択肢もリルートすることはできないのです。
 ドラえもんはなんとかしてくれないのです。

 自分は犯罪を犯していないだけで根っこはきっとあいつらと同じなのです。
 もっと面倒くさいのかもしれません。
 それを隠すこともなくだたひたすら産まれた事という根本から間違っていたのだと
 考えることにしています。

 生まれる前に戻りたいのです。

投げ銭を旅費にして旅をしてレポートしたり、リクエストを受け付けて作曲をしたりしています。