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音楽のレシピ

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音楽制作に関する覚書
運営しているクリエイター

記事一覧

音楽のレシピ(その17) -リズム-

先日、仕事の最中に、リズムのことをふと考え始めてしまった。0.5秒の躊躇や数mmの手元の狂い…

音楽のレシピ(その16) ― 小曲=世界 —

3~4歳頃のある日の昼下がり、家の下の小さな植え込みの中に隠れて一人遊んでいた。3m四方の地…

音楽のレシピ(その15) ー対位法ー

我が家のテレビとオーディオは、何故か右チャンネルがイカれていて音が出ないことがままある。…

音楽のレシピ(その14) ードとソ 五度音程の響きー

(武満徹著 "夢と数" より抜粋) ”たとえば…ド(C)の音ですね、そこから上昇する五度(音程)を…

音楽のレシピ(その13) -ギター-

かつてギターを毛嫌いしていた時期がある。どう弾いても先達の築いたスタイルから逃れられず、…

音楽のレシピ(その11) —存在と不在―

実はずっと倍音のことについて述べようとしていたのだが、どうも文で表すと胡散臭くなってしま…

再生

音楽のレシピ(その10) ーオマージュ・カヴァー・パクリ ―

自分ではオリジナルなメロディを歌ったり奏でたりしたつもりでも、後で既存の曲中に全く同じモノを発見することがままある。以前は没にしていたけど、最近はもう開き直って是としている(笑)。むしろ自覚的に取り入れたりも(どやァ!)。 例えば、難波弘之の某曲のベースラインが自作曲のメロディに自然と反映されて、「ま、いいか」と思っていたら、そのベースラインがドゥ―ビー・ブラザーズの某曲のキーボードフレーズとそっくりだったりして(爆笑)!そんな例はまだ他にもあることあること……。 そして、若かりし頃は他人様の曲を模倣するものだけど、時間と経験を積んでもまだそんなことをしている人もいる。いや、してていいんですよ? 自分の音楽への愛情や嗜好・出所等の表明となり、学理解析の勉強にもなるし、「いい趣味してるね」って褒められたくもあるし(←ゲス)。 「余裕が、あれば、カヴァーをするに、吝かでは、御座いません」(←前首相風に) 『マイルス、窓の外の鳥の鳴き声が聞こえるか? 自分の鳴き声がない、モッキンバードさ。他の鳥の鳴き声はなんでも真似るが、自分の鳴き声がないんだ。あんなふうになるなよ』(マイルス・デイビス自叙伝より) そう。人真似ばかりで音楽経験を積み上げると……(以下自己規制)。 でも正直言って、そのことに無自覚な人達ばかりが跋扈する現在の周囲の状況に辟易していることは確か。メジャー、アンダーグラウンドの別なく。 『僕、ベース弾いてるじゃないですか。ベースって僕が作ったモンじゃないから。だからもう思いっきりパクリな訳ですよ。(中略) で、ドラムがいてベースがいてギターがいて、っていうロックバンドの方式までパクっちゃってる訳だから。オリジナリティなんて、些細なモンに為っていくわけで』(the band apart 原昌和) 『そんなのワシにも解らん。しかしワシが何も解っとらんっちゅうことは解っとる』 (某TVドラマで香川照之が言っていた台詞) どうやら、オマージュとカヴァーの違いは、表現者が(フロイト言うところの)スーパー・エゴの段階にいるか、それともエゴの段階にいるかの違い、のようだと拙者は愚考します。以上!(続) (貼り付けた曲は、作曲家のギャヴィン・ブライヤーズが、ジャズピアニストのビル・エヴァンスの演奏した "My Foolish Heart" に捧げたオマージュ作品。各々のタイトルのイニシャルにも注目((微笑))) 追記:サンプリングについてもここで述べるべきだとは考えたのだが、コラージュのことと合わせて更に論考を深めたいと思い、先送りとした

音楽のレシピ(その8) —記憶ー

「あなたは何曲、今までの人生の中で聞いてきましたか?」なんて問いかけられたら、音楽が好き…

音楽のレシピ(その9) ー続・記憶ー

前編で書こうとして忘れていたことを一つ。 『頭の中で鳴っている音』ってなんだろう? 小学…

音楽のレシピ(その7) —コピー・模倣ー

先日、相方のホサカさんが「ジョン・コルトレーンの ”ジャイアント・ステップス“ 、好きな曲…

音楽のレシピ(その6) ー聴取者と演奏者ー

『誰もいない森の真ん中で木が倒れたとき、その音は存在したことになるのか』 今夜、サッカ…

音楽のレシピ(その5) ーノイズと話し声ー

何度でもしつこく言うが、51歳にしてオレは音楽についてまだ何も理解していない。ただ知識が頭…

音楽のレシピ(その1) ー鍵盤の弾き方ー

2020/06/22 12:07 [右手にふたつの音、左手にもうふたつの音。右手はそのままキープ。左手は右…

音楽のレシピ(その2) ー作曲の端緒ー

2020/06/29 07:11 いつも曲を作る時には、何かグッとくる音の響きを見つけ出すことが、大前提として在る。その響きとは和音であることが多く、バスドラムとスネアドラムのコンビネーションによるビートであっても、そこに幻聴に近い状態で倍音のハーモニーを聴き出していたりもする。 子供の頃はその感じ取った音を「アー」と発声するだけで表現出来ていると思っていた。それだけでは駄目と気付いた中学生頃から自発的に音楽の知識を学習し始める。 そしてその知識を自覚的に忘れていく。学ん