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【14000字超・全文無料】パオジアンexデッキをゴリゴリに解説 CL福岡2024直前

671sはジョジョネタを考えるのをやめた。

パオで大した結果も残せていないので、現状の頭の中にあるパオジアンデッキについての情報をできる限りここに書き出します。(全文無料)



ここ一年は完全に環境上位デッキが割れており、いわゆる「環境メタ」なるものが作りづらい印象。どのデッキも考える上で脅威となり得え、どのデッキも頑張れば高い勝率を出せるでしょう。
環境初期はまだ構築の開拓が進んでおらず、前環境からそこまで大きく変化のないデッキタイプばかりでしたが、ルギア・サーナイトなど新しいコンセプトを携えた前環境デッキが急上昇。その他古代系、ロスト系なども盛り上がりを見せており、基本どのデッキを使っても当たりたくない対面が存在しています。
しかし、パオジアンのみ現状シェア率にそう大きく影響されずにパワーを発揮できる代物であると考えています。ルギア・サーナイトには明確に有利を取れており、その他あらゆる対面に対してもプランを通すことが可能であるからです


◾️今のビーダルパオジアンとは

ビーダルパオジアンのコンセプトとは何か。
“大型にはパオジアン、小物にはテツノカイナやゲッコウガでサイドを取っていって2-2-2の3回攻撃での勝利を目指すデッキ”という認識で問題はありませんが、どうやらそれだけで終えられるほど単純なデッキタイプでもないようです。

少し話が逸れますが、私は以前ロトムV・ペパーを採用した封印石パオジアンを0から作りました。

結局カイを引かねばいけないデッキであることからペパーで実質的にカイをかさ増しし、序盤の再現性を上げつつ封印石を活用して当時の主流であったゴッドパオジアンよりも継戦能力に長けるように構築したものです。

最序盤から220ダメージを飛ばすのは難しかったので、サイド2枚先行できない場合などは即席充電を用いて”待ちのターン”を作り、その分ツツジを採用して上手く制圧していく戦い方をよく行なっていましたが、その”基本常に2-2-2のサイドプランを遂行する”やり方には今は少々問題があるのです。

マキシマムベルトやプライムキャッチャーの登場はサイドの進行速度を格段に早めました。
220ラインなど簡単に飛ばされてしまうため、あえてパオジアンexを置いたまま待機して良い場面が格段に減ったのです。

故に1-2交換の不利なレースからスタートせざるを得ない状況が往々にしてあるため、”いかに効率よくサイドを進めつつ、いかに相手には非効率なサイドの取らせ方をするか”が重要。

ビーダルを主軸にすることで盤面をサイド1のみで固めるターンを作りつつ、相手の攻撃回数を最大限に増やすのです。
ビーダル型の盤面の優位性及びそれに応じた逆転要素は自体は今に始まった話ではありませんが、昨今はより一層重要になっています。
また、テツノカイナex・カイオーガ・かがやくゲッコウガを使い分けてのプラン立ても大切です。

特にテツノカイナやゲッコウガは小物を処理する要員のイメージが強いかと思われますが、単に小型・大型でパオジアンと使い分けるだけでなく、「手裏剣+プリファイ」、「ダイナミックウェーブ+プリファイ」など柔軟に組み合わせてプランニングすべきで、もはやこれらは小物処理要員には留まりません。
サイドプランは2-2-2や1-2-1-2だけでなく、1-2-3や3-3なども場合によっては視野に入ります。

ごっつあんプリファイ1回では処理できない例

パオジアンデッキにおける主役はパオジアンだけではありません。
ゴリゴリに回して上振れを狙うだけではなく、相手に押し付けるサイドプラン・自分の効率的なサイドプランを的確にイメージし、様々なポケモンを活用してそれを遂行するデッキです。

◾️構築の目指すべき方向性

・土台としての考え方

前項で述べたコンセプトを遂行するにはまずデッキの再現性を高める必要があります。
特に、ビーダルパオジアンは
・盤面をたくさん展開する
・ビーダルを立てる
・セグレイブを立てる
・エネルギーを集める
と序盤の要求が非常に高いです。
逆に終盤に関しては、このデッキの逆転手段はサイドの取り方・取らせ方であるため他のデッキに比べて詰め用のカードの価値が然程高くはなく、そもそも働く前歯でひたすら縦に引いていく関係上特定のカードを保持し続けるのは難しいため、ゲーム全体を通して活用可能なものを優先すべき。
故にボールやポケモン実物など序盤の盤面形成を最重視して構築することを大前提とします

・前カードプールとの相対的観点から考察

前環境はレギュレーションが変わる前なのでそもそも使えるカードが異なります。
①VIPパス→ポフィン
②マキシマムベルトの登場
③セイボリー・雪道のレギュ落ち
④暗号マニアの登場

辺りが代表的な変化でしょうか。

①,②は
パオジアンを1ターン目からバトル場に出したくない・出しづらい
集められ得るエネルギー枚数が減り、2ターン目から火力を出しづらい
ことを意味しています。
・パオジアンが前に出なくてもエネルギーを集めやすくするアプローチとして大地の器を多めに採用する
・パオジアンを前に出しやすくするアプローチとしてメタモンを採用する

など工夫をしていきたいです。

③について、
セイボリーのレギュ落ち→システムポケモンが削られづらくなったため3-3ラインでの採用といったアプローチのバリューが下がった…とはならず、結局裏はキャッチャーで狩られやすいため構築自体にはそう影響しなさそうです。

雪道が消えたことにより、スタジアムの貼り替え合戦が一旦幕を閉じました。あまりスタジアムに枠を割かずに済むのです。これは他のデッキタイプにも言えることであり、
雪道がないのであらゆるデッキがスタジアム枠を削る
→スタジアムが全然貼り換えされず余りがちに
→さらに必要な枚数が減る
となるのですが、最近は崩れたスタジアムの採用が目立っており、あまり減らしすぎると痛い目を見そうです。

一部ではポケストップ不要論まで興っていると聞きましたが、
崩れたスタジアムを剥がせないといけない他、
ポケストップを使えない→1ターンに見れる枚数の期待値が下がる
ので、デッキとしての最大値も下がり総合勝率とは別の一大会で高勝率を叩き出せる確率も下がるためあまりおすすめはしません。
ポケストップが完全上振れ用カードならまだしも、純粋に要求値を満たすためのカードとしての側面も持ち合わせており明らかにバリューが高いように思います。

④の暗号マニアは純粋に便利です。
カイに続く第二の確定サーチカードであり、"カイの実質的なかさ増し"の観点からナンジャモやポケギアよりも優先度が高いと考えています。
しかし、引いてから持ってくるものを選べたりそもそも引く必要がないカイと違って、引くのとセットでないと意味をなさないため、多少マシにはなったものの結局カイは引けないといけないデッキであることには変わりない印象

※完全に絶対的観点で物事を判断するのは不可能ではあるものの、相対的な見方に基づく評価はあくまで「~と比べてどう」でしかないことに注意が必要

・理想盤面から考察


ビーダルパオジアンにおける理想盤面は
アタッカー,セグレイブ(セビエ)×2,ビーダル×2,ゲッコウガ
で基本固定です。
特にこのデッキは働く前歯への依存度が高く、ビーダル一面では簡単に崩されてしまいます。
故にサイド落ちのケア・取られた時釣竿を介さず即置き直せる・そもそも立てやすくできるなど、ビーダルラインそのものを増やす利点はかなり大きいです。

釣竿でポケモンをそこまで戻さなくて良い
→エネルギー管理に余裕が生まれる
という考えもある

なお、この理想盤面に含まれないポケモンでスタートしてしまうと

マナフィでスタートし、パオで先殴り

このようにあまり強くない盤面のまま戦い続けることになります。そのため、パオジアン・セビエ・ビッパ・ゲッコウガ以外のポケモンの採用は本来消極的であるべきなのです。
とはいえ最初に言ったように様々なポケモンを活用してサイドプランを考えたいため中々そうもいきません。極力スタートしたくないポケモン以外の総数を増やす、わななくれいきから入らずともエネルギーが集まるよう大地の器を増やすなど工夫をできればしていきたいです。

可能ならばの話ではあるが、ゲッコウガを我慢すればビーダル二面はできる。
また、カイオーガといったアタッカーでスタートした時器などでエネルギーをれいきを介さず集めてそのまま攻撃できたり、あなぬけのひものレギュ落ちで前に放置していても相手が倒してくれたりするため、憂慮しすぎることもない。

※これは「〇〇と確率がでるからこの枚数は明確に避けるべきだ」と論じるのではなく、純粋に起こり得るデメリットを認識し、調整枠選びの指標を増やすことが目的

◾️各候補カードの採用メリット及び評価

確定枠

MMSS32-y5bz99-y2pSyp

残りの枠に調整枠のカードを当てはめていきます。
➕ メリット
➖ デメリット

◇セグレイブ(三枚目)

➕セグレイブ狩された時、一体サイド落ちした場合でも安心
➕純粋に飴セグレイブがしやすくなる

◇セゴール

➕デヴォリューションに強く出れる
➕片方のセビエをセゴールにしておけば、次のターンセグレイブを狩られても要求枚数がセグレイブ一枚で済む
➕飴をトラッシュしてくるタイプのコントロール系に強く出れる

◇ビーダル(三枚目)

➕一体サイド落ちしていてもビーダル二面可能
➕ビーダル狩されても釣竿で戻さなくて良くなる

◇ビッパ(三枚目)

➕一体サイド落ちしていてもヒスイのヘビーボールを介さずにビーダル二面可能
➕ビーダル狩されても釣竿で戻さなくて良くなる
➕スタートしたくないポケモンのスタート率を下げられる
➕1ターン目の着地率が上がる

これらはいずれもサイド落ちや裏狩に強く出るためのアプローチ。
再現性の向上にも繋がることからかなりバリューは高いですが、これに枠を取った結果構築の幅が狭まってプレイの選択肢を広げるカードが入れられなくなり、結局最低限の採用で妥協しているものが多い印象。

◇カイオーガ

➕イキリンコexやネオラントV、ミュウexなどを倒せてサイド差が2枚ほどついていても逆転が可能
➕エネルギーが手札に戻るためスーパーエネルギー回収を消費せず、LOへの耐性が上がる
➕バスターテールですら一撃で倒せない非エクや、相手のシステムポケモンを簡単に処理できる
➖逃げエネが重く、かつ盤面を圧迫するためスタートした時が嬉しくない

入れてない方も多いので調整枠にしています。
イキリンコなどを取って逆転する用のカードとしか見られていない側面がありますが、高いHPを押し付けてくる古代ポケモンや直接リソースを削ってくる対面、その他色々プランに組み込むことが多く感じているため私は入れたいです。

◇マナフィ

➕先2で手裏剣をしてくる対面に対して「じゃんけん負けたから」と割り切らずに済む
➖スタートして嬉しくない

基本的に1ターン目セビエを守るためだけに入れるカードです。
これの必要性については人によって意見が大きく割れている印象。
必要になるのは
パオジアン,ロストバレット,パルキアサーフゴー,ロストギラティナ対面の後攻時。
これらの対面を全て合わせておよそ25%、じゃんけんの勝率は半分として必要になる試合は約12.5%。現実的に先2手裏剣されそうな場合はもう少し少ないので大体10%弱といったところでしょう。
そもそも”後攻でかつ盤面を一つマナフィで埋めてしまってどこまで勝てるのか”と言われると微妙なところ。
そうはいっても「じゃんけんだから割り切り」というには割合が大きすぎますし、全員が全員完璧なプレイをすればマナフィ程度ではどうしようもないかもしれませんが、実際はそうではないのでマナフィによる勝率の上り幅はそれなりにあると踏んでいます。
実際パオジアンミラーは相変わらずそれなりの確率で起こり得る上、ロスバレの躍進も気になるので、CLで「じゃんけん負けたからここで終わり」はしょうもないと思っています。

◇メタモン

➕仲良しポフィンと組み合わせることで実質的にすべてのポケモンを持ってこれる
➕実質的に他の種ポケモンの総数を一体増やしているため、1ターン目の展開力が少し上がる
➕スタートしたくないポケモンのスタート率を下げられる

◇テツノツツミ

➕便利
➕れいきゃくジェットでの逆転もあり得る

よく分かっていません。
純粋に今まであなぬけのひもを使ったら強かった場面で強いのでしょう。リザードン戦最後にかがやくリザードンを押しつけられた時にこれですぐにゲームを終わらせられるのは間違いなく便利ですが、裏を呼ぶ回数自体は2枚のキャッチャーで足りているため、あまりこれに割く枠は作れなさそうです。

◇大地の器(二枚目)

➕テツノカイナ起動の再現性が上がる
➕パオジアンexをバトル場に出さなくてもエネルギーを集めやすくなる、また2ターン目高火力の再現性が上がる

前項での説明の通り。
調整枠とはしたものの、ほぼここは確定であると考えています。

◇ポケギア3.0

➕ポケストップで拾えつつ、カイに触れやすくなる

◇暗号マニアの解読

➕カイ4枚に加えて更にサポート総数が増えるため再現性が上がる

◇ナンジャモ

➕サポート総数を増やしつつ、縦引きサポートとして見れる山の枚数を増やせる
➕後ろのポケモンを狩りながら手札干渉をすることで逆転を目指せる

暗号マニアは現時点カイ以外のサポートでは最も強力ですが、先述の通り五枚目,六枚目のカイというほどではなく、ポケギアの価値は依然高いと考えています。
ナンジャモについて、中盤以降は縦引きとして見れる枚数を増やしつつ手札干渉も行えて強力ではありますが、
・序盤の要求を満たせ得るものとは言いづらい
・既に持っているカードを沈めてしまうため常に強いとは限らない
・特定のカードを保持したままゲームを進めるのが難しく、故に最適なタイミングで干渉は行いづらい
などの理由であまり評価はしていません。

◇ポケストップ(三枚目)

➕崩れたスタジアムを剥がしやすくなる

◇基本水エネルギー(九枚目)

➕エネルギー管理が簡単になる
➕サイド落ちの影響が小さくなる

リザードン戦において、例えば
360ヘイルブレード(6枚)
360ヘイルブレード(6枚)
ごっつあんプリファイ(4枚)
計16枚分消費します。
スーパーエネルギー回収三回で12枚、残りの4枚は山札から引っ張ってくる必要がありますが、仮に水エネルギーが8枚とすれば6枚消費で残り2枚、サイド落ちなどを含めてかなりギリギリで管理せざるを得ないのがお分かり頂けるかと思います。
特に最近はピジョット型からビーダル型のリザードンに主流が移行しつつあり、サイド1枚分あたりの必要エネルギー枚数が多いのです。
エネルギー総数を増やす、即ちエネルギーを素引きしやすくなることも意味するためここを増やす価値は高めです。

まとめ

これらの選択肢の中から勝率の上げ幅の大きなものはどういった組み合わせであるかを吟味し取捨選択して行きましょう。
我々は残念なことにスーパーコンピューターではなく「この構築が数学的に見て最も勝率が高いものである」と証明することは不可能である以上、頼りになるのは各々の思考や経験のみ。自信をもって戦える60枚を完成させてください。

◾️各特性やトレーナーズの使用順

これらの特性やトレーナーズを正しい順番で行えるかどうかがプレイング上最も重要な部分。

わななくれいき
山札からエネルギーを2枚サーチ
山札を圧縮
・(当たり前だが)引っこ抜いた2枚はポケストップで落ちない
・手札枚数+2
使用後のエネルギー素引き確率ダウン

はたらくまえば
手札が5枚になるようドロー
・手札を減らしてから使う必要あり

かくしふだ
エネルギー1枚切って2枚ドロー
・手札枚数に関わらずドロー
・手札枚数+1

カイ
水ポケモンとグッズを1枚ずつサーチ
・(当たり前だが)引っこ抜いた2枚はポケストップで落ちない
サーチカードを直接選べるため、ドロー後に足りないものを補える

ポケストップ
山札上3枚をトラッシュしその中のグッズのみ回収
山のグッズの割合が高い状態で使いたい、余計なものを落としたくないため一定の山圧縮をしてから使いたい

全然盤面が揃っていない状況であれば使えるものから使っていって繋いでいきますが、これらの正しい順番を求めるには、まずそのターンの要求を明確にし、そこから逆算的に考える必要があります

⑴そのターンの目標は何かを設定
第一目標:そのターンの最低限の行動
第二目標:さらにやりたいこと
何ダメージ出したい、ついでに何を立てたい
山札には何枚のエネルギーを残したい、トラッシュには何枚のエネルギーを落としておきたい
など

(2)そのために必要なカードを明確にイメージする
スーパーエネルギー回収1枚,つりざお1枚

スーパーエネルギー回収or大地の器1枚
などなどを要求札を浮かべる。

ここまできて次のフェーズです。
これらの要求を満たすためにどういった順にプレイすべきか以下のルールに則って考えます。

①働く前歯の引ける枚数を最大化する

とにかくたくさん引いた方が要求は満たされやすいので、手札少なくして前歯→隠し札の順が基本。
もちろん例外はあり、ハイパーボールを使いたいがコストが足りない場合など少し引いた方が前歯で引ける枚数も増えるときはこの限りではありません。

②確定サーチは、サーチする区分のカードをドローでも引きたいならば後、他のカードを引きたいならば先
冷気のタイミングについては、
ドローしてさらにエネルギーを引き込みたいならば後に、他の引きたいカードを引きにいく、もしくは山にエネが2枚以下である場合は先に使いましょう。
カイについても、必要なグッズが複数あるのであれば引いてから足りないものを補い、既に全部揃っている状態ならば先に使って前歯のドロー枚数を増やし次のターンの選択肢を確保しにいきます。

③ポケストップは山圧縮の後
大抵の場合、ポケストップは最後に使うことが多いです。ただし、集めたいグッズが複数ある状態ではカイよりも先に使います。

例えば、手札が以下の状態、セグレイブを立て、エネルギーを4枚集めてへイルブレードを狙う場面であるとします。

既にカイで飴+セグレイブが完結していますが、更にビーダルも二面までいきたいです。
つまり欲しいカードは飴セグレイブビーダル(orハイパーボール)の3枚。

この場合は、
手貼りして手札一枚で前歯
冷気
手札にエネルギーが3枚以上あるならば隠し札
(ポケストップ)
最後にカイで足りていないものを持ってくる
が良いかと思います。

条件:山札のエネルギー残り2枚

これも同様に240ダメージのヘイルブレードが目標であるとします。
普通ならばスーパーエネルギー回収orエネルギー素引き+冷気の選択肢が取れるよう先に働く前歯なのですが、生憎山にはエネルギーが残り2枚しかないようです。この場合は前歯でエネルギーを引いてしまうとその枚数分損することになるので、先に冷気でエネルギーを引っこ抜いておくべきです。

今回はものすごく基礎的な例を挙げましたが、実際はもっと複雑な局面に度々遭遇し、その度に技量が問われます。
立てた目標が本当に正しいものであるか、それに応じたプレイが正しいものであるかを何度も練習し疑いながら感覚を掴んでいきましょう。

複雑な局面は相手の行動に対するケアであったり、最終的に必要になるリソースを予想して強い山札を作る、つまるところリソース管理の話に帰結します。「正しい目標立て」の中に含めてしまえる話なのでわざわざ一項にはしませんでしたが、これも重要な練習すべき部分。

◾️各対面の戦い方

vs古代バレット

自分と相手どちらが先に攻撃を始められるかで勝率は大きく変わります。

先に攻撃ができる場合
古代は終盤にかけて火力が上がるデッキタイプなので、パオジアンexで2-2交換をしてから手裏剣+プリファイ2回での1-1-2-2を狙います。

序盤パオジアンexで戦わせてもらえるので要求値的にもサイドレース的にも余裕を持って戦えます。

しかし古代側としてはexポケモンは一撃で倒したいため、火力が届かないうちは後ろの小さなポケモンをカウンターキャッチャーで狙われがちです。
そういった試合では最後にゲッコウガをテツノカイナで取って1-1-1-1-2を狙うことになります。


これらの例のように、相手が裏を狩りながら少ない攻撃回数で勝とうとしてきた場合、カイオーガが大変役に立つのです。
ブーストエナジー古代でHPを200にされるとダイナミックウェーブ1回では倒せなくなりますが、攻撃する対象は任意なので道具付きを避けやすいのも良いポイント。しかし、カイオーガで複数回攻撃が要求される試合にて、(あまりないが)盤面に残ったポケモンにブーストエナジーを一気につけられると大変であるため、手裏剣プリファイのプランが取れるのが最良であることは変わりません。
できればパオジアンで優先的にブーストエナジー付きを処理していきたいです。

先に攻撃されてしまった場合
一転してあまり余裕のない試合になります。
パオジアンexが耐えることを祈りながら1-1-1-1-2、もしくは最速プリファイでのゲッコウガ狩からの2-1-1-2のプランを通しましょう。

後者について、テツノカイナを相手のトラッシュに古代がそこまで貯まっていない状態でプレイすると、
チヲハウハネで自傷込みで倒すor刻む
の択を迫ることができます。
自傷込みで倒してくれればカウンターキャッチャーを使われるターンが減りつつ手裏剣で回収できますし、刻んでくるならばこちらもごっつあんプリファイで刻みつつ同様に手裏剣で回収すればよいのです。
カウンターキャッチャーを使わせてしまう・チヲハウハネにブーストエナジーを付けられると裏目であるなど、要求が高い上ハイリスクなプランに見えますが、古代バレットデッキは隠し札への依存度が高く、序盤に倒してしまうだけで試合を通しての削った山の枚数に大きな差が出るため、相当相手がぶん回っている場合を除けば、狙える手札ならば積極的に狙うべきプランであると考えています。

相手の最初の攻撃はあまりパオジアンで受けたくはありません。
パオジアンに予め刻まれると試合を通して必要なアタッカー数が+1されてしまうこと、また相手がカウンターキャッチャーを使えるターンが増えてしまうため、セビエなどを前に差し出すと良いでしょう。

これらはあくまで一部の例で、他にも様々なプランを求められることもありますが、テツノカイナ,カイオーガ,ゲッコウガをうまく活用して相手より先にサイドを取り切る方法を導き出せるようにしてください。
世間的には基本古代バレット側がかなり有利であるように語られており、実際ある程度こちら側の要求が高めであったりはするものの、明確にサイドプランをイメージしながら臨機応変に戦えば全然勝て得る対面だという認識です。

ダークパッチやトドロクツキexなどを入れた悪寄りの構築は入れ替えカートが入っていることが多く、手裏剣を用いたプランはあまりおすすめできません。この場合ではカイオーガを酷使しましょう。

vsパオジアン(ミラー)

「じゃんけんゲー」
本当?
私は後攻からでも一定の勝機はあると踏んでいます。
理由は単純明快、"世間一般にパオミラーの戦い方があまり浸透していないから"に他なりません。

例えば、先攻2ターン目へイルブレードでサイドを2枚先行したとします。
サイド2枚先行した時点で安泰、変に止まることさえなければ順当に勝てそうなものです。

では、相手が月光手裏剣でセグレイブ2体にダメージを与えてきたとしましょう。次のターンも再び月光手裏剣を使われればなんとセグレイブが盤面から消えます!こうなればあれほど優勢に見えた状況から大逆転を許してしまうのです
これが後攻からの逆転方法です
また、純粋にテツノカイナを置いたりサイド落ちだったりの兼ね合いでビーダルが一面になることも多いので、そこを狙い相手が攻撃できないようにして捲っていくのも良いでしょう。

では逆に先攻側が逆転されないようにどうすれば良いか。
テツノカイナexをうまく利用するのです。
先程はセグレイブが二面立っている前提で話を進めましたが、セグレイブは1体に留め、片方をセビエのままにしておけば(というよりは現実的にはそうなっていることが多い)手裏剣でセビエが気絶し、ベンチが一枠空きます。
ここにセグレイブをこれ以上置くことは諦めてテツノカイナexを用意すれば良いのです。そうすればテツノカイナはエネルギーを保持し続けるので、セグレイブ狩をしてくるゲッコウガを倒してしまってサイドを取り切れます。
逆に後攻側はビーダルをキャッチャーで呼び縛りながらセグレイブを狙うしかなくなります。

先手
後手

これに備えて、ビーダルに予めエネルギーを1,2枚貼っておく、もしくはプライムキャッチャーをこれまでに温存しておけば難なく勝利です。
盤面を埋めている状態から考えましたが、最初からテツノカイナを使ってサイドを先行していた場合、相手は手裏剣プランを一層使いづらいでしょう。
また、最も手っ取り早い方法は、先攻でもマナフィを置いてしまうことです。採用している場合はもうそれで良いと思います。

後攻側はここまで見越して1ターン目はexを後ろに構えてプライムキャッチャーを誘いつつ、誘いに乗らずごっつあんプリファイをしてくれば基本ビーダルが一面になりがちなので、ここをカイオーガやテツノカイナで集中放火して捲っていくというのも良いプレイかもしれません。

まとめると、
後攻側
・手裏剣でのセグレイブ狩、もしくはビーダルを狙っての逆転を目指す
先攻側
手裏剣に対してカイナで返せるような盤面にする
・マナフィを置いてしまう
となります。

パオジアンミラーとは最短で勝利を目指す側vs全力でシステムポケモンを潰す側の戦いです。
じゃんけんに左右されがちとはいえいい勝負にはなると思います。

ちなみに、パオジアンで1枚から取ることになり1-2交換からサイドレースが始まってしまった場合、相手がテツノカイナ以外で盤面を埋めていれば
盤面を非エクで固めつつ手裏剣orバスターテールorダイナミックウェーブを相手のパオジアンに当てる
 相手が1を取る
ごっつあんプリファイでパオジアンを倒して3枚取る
で逆転できるのを頭に入れておいてください。

vsアルセウスギラティナ

やはり先攻有利、この対面はしっかり「じゃんけん」です。

よく言われている話で、マキシマムベルトの登場によりトリニティノヴァでexを倒されてしまうため、後1でパオジアンexは出さない方が良い…というのは噓ではないのですが、少々本質からずれているように思います
パオジアンにとって最も恐れるべき状況とは何か。
それは以下の盤面を作られることです。

これは何かというと、
マキシマムベルトを消費せずにトリニティノヴァを2回非エクに当ててサイドを2枚先行しており、仮にどれかポケモンを倒したとしても、残るポケモン二体以上はいずれもパオジアンを一撃で倒すことが可能である
盤面です。
こうなってしまえば縛りながらダイナミックウェーブしてお祈りしないと勝てません。
真に恐れるべきは、サイドを2枚先行されることよりも、最初のアルセウス1体を倒すまでにトリニティノヴァを二度宣言されることなのです。

トリニティノヴァ一回

逆に、一回攻撃でのサイド2枚を代償に即アルセウスを倒すことができれば、相手の盤面にパオジアンを倒せるポケモンは一体のみであり、まだ勝てます

ビーダルパオジアンにおいて、盤面にパオジアンexを出していない状態で手札干渉された後パオジアンを用意しエネルギーを5枚集めて300ダメージを出すのは至難の業。
手札状況にもよるのでケースバイケースですが、
パオジアンを待機させておきボスを誘う、もしくは手札干渉後冷気隠し札から入れるようにする
更には、パオジアンをいきなり前に出してしまって冷気でエネルギーを集め、そしてトラッシュしてしまって次のターンの要求を下げる

といった一見ハイリスクなプレイングも必要であると考えています。

ちなみに、パオジアンでサイドを1枚から取ることになり1-2交換からサイドレースが始まってしまった場合、
盤面を非エクで固めつつダイナミックウェーブや月光手裏剣で1枚取る
もしくは
ダイナミックウェーブをギラティナに当て、ごっつあんプリファイで回収する
で逆転できるのを頭に入れておいてください。

ビワを警戒して極力グッズを手札に溜め込まないようにしておきましょう。
少々手札干渉には弱くなってしまいますが、釣竿を早めに消費する、スーパーエネルギー回収をエネルギー実物に変換しておく、などなど。
やりすぎると今度は随分動きづらくなってしまうので、支障が然程ない範囲で最低限に。

vsリザードン

キャッチャー+キャンセルコロン+手裏剣で小さな種を蹂躙したり、へイルブレード360ダメージでリザードンexをぶっ飛ばしたりしながら戦っていきます。
ボスの指令やカウンターキャッチャーで後ろのシステムポケモンを積極的に倒してくるデッキであるため、飴や釣竿などの管理により精妙さが求められる対面です。
盤面を非エクだけで固められる性質上、かがやくリザードンを押し付けられてもそれほど痛い状況にはならないのがGOODポイント(月光手裏剣やバスターテールで弱点突いて倒せる)。
1枚差程度のサイド差であれば盤面を固め、ゲッコウガなどでサイドを1進めるだけで簡単にサイドレースを逆転できます
崩れたスタジアムに不意を突かれぬよう注意。

ピジョット型
大抵の場合エーススペック枠はマキシマムベルトが採用されています。
故にパオジアンexを最初から一撃で倒してくるため、攻撃の準備が揃うまで安易に置かないようにしましょう。

ちなみに、サイド差が2枚ついてしまった場合は、
盤面を非エクだけで固めつつ手裏剣を何かしらの非エク+ピジョットに当てる
後にごっつあんプリファイで回収し3枚取り
で逆転が可能です。
なお、相手もさすがにこちら側の意図が分かってしまうため、崩れたスタジアムで手裏剣投げられたポケモンをトラッシュしてくる可能性があります。
故に、これを狙うのはあまり急ぎすぎず、ロトムVのトラッシュやこちら側の盤面を圧迫する意図で使用してくるのを一旦待ってからの方が好ましいです。

ビーダル型
大抵の場合エーススペック枠はプライムキャッチャーが採用されています。
序盤に220↑を出せるのはエンテイVのみであることから、ベンチを埋められない内からパオジアンexを置いてしまっても問題はなさそうです。
ピジョット型よりも動き出しは少し遅いですが、盤面がリザードンex以外非エクで埋まっており、対ピジョット型のように少ないエネルギーでサイドを取り進めたりができないため、エネルギー管理は本当に慎重に行って下さい。

注意点として、テツノカイナは中終盤でのみ使用しましょう。
前をごっつあんプリファイで倒せるからといって安易に起動してしまうと、カウンターキャッチャーでビーダルが取られ、場にリザードンexからしたら脅威にならない重いだけのexが残ります
テツノカイナを起動するためにパオジアンも盤面に置いていたとしたらビーダルは大抵一面のみ、カウンターキャッチャー一個でドローエンジンが消えますし、仮にビーダルを二面できていたとしても、前のリザードンを倒すためにパオジアンを置けば結局次のターンビーダルが狩られ盤面から消えます。
パオジアンで1-2交換をしてしまっても、先述の通り盤面を非エクで固めてサイドを1進めるだけで捲れるので大丈夫です。
テツノカイナは使うとしても中終盤の詰め、覚えておきましょう。

vsルギア

明確な有利対面です。
チラチーノが化け物火力を出して2-1交換を仕掛けてくるのが強力なデッキですが、
・チラチーノはごっつあんプリファイで取れる
・イキリンコやネオラントを出しがちで、カイオーガで取れる
・チラーミィを2体置けば手裏剣で取れ、1体ならチラーミィとルギアに手裏剣を当てればルギアをごっつあんプリファイで取れる
などの理由により当たればほぼ必ず勝ちたいです。
特に下二つの理由からサイド差が2枚ついていたとしても逆転可能です。
崩れたスタジアムに不意を突かれぬよう注意。
轢き殺しましょう。

vsイダイナキバLO

とにかくリソース保護に全力を尽くします。
カイオーガをメインに使っていきましょう。
いかに山札から釣竿(最優先),スーパーエネルギー回収,プライムキャッチャーを早く手札に引き抜けるかが勝利に直結します。

月光手裏剣+ごっつあんプリファイなどで最短で勝利を目指す戦法もありますが、手裏剣当てたキバを引っ込められると難儀であること、プライムキャッチャーを落とされたりすると全て水の泡であること、さらに毎ターン攻撃を加えねば間に合わない関係上中途半端なタイミングで手裏剣をするとゲッコウガに1エネついた状態でカウンターキャッチャーを使われてエネルギー一個分損することになるため、我慢してダイナミックウェーブに徹し、残ったブーストエナジーやヒーローマント付きを順にパオジアンで処理しましょう。

ラストにごっつあんプリファイをゲッコウガに当てられると1ターン短縮ですが、厳しいと思えばゲッコウガを倒してしまって大丈夫です。

古代バレットと同じく隠し札への依存度が高く、古代のサポートを途中で途切れさせることも不可能ではありません。
これらを意識すれば勝つときは勝ちます。

3/11追記
記事公開当時と違い、今はビワの採用がメジャーになりました。
釣竿やスーパーエネルギー回収を落とされてはたまったものではないので、「使える状況になれば早く使い、グッズとして手札に抱えない」よう意識してください。

vsロストバレット

後攻時、先2手裏剣マナフィに盤面を一枠取られてしまう関係上盤面がもろくなり、終盤捲られやすい反面、先攻時はごっつあんプリファイ・コロン手裏剣などでテンポをとっていけるため、これもまた先手後手で勝率が大きく変わります。
終盤のツツジに備えて山札の純度を高めつつ、サイドを2-2と進めていくのを意識してください。

セビエ、ビッパはHPが60であるため2体並ぶと2枚取りされてしまう。ロストマインが飛んでき得る時は同時に場にいる状況は避ける。

2/26追記:この最後辺りは力尽きて随分雑になってしまっていますが、CLが終わった今ロストバレットが環境的二番手まで上昇し、きちんと動き方を明確にイメージしておく必要があります。
こちらの記事がロスト対面の注意事項をより丁寧に明記されているため共有しておきます。
https://note.com/pcg555pcg/n/n97e19b54e69b

終わりに

三徹です。
パオジアンについて色々考えたにも関わらず特に結果も出せず何も生まず終わるのはすごく残念に思えて、noteが書きたくなりました。
前にもCL直前に無料の記事を書いてまあまあ伸びた成功体験を引きずって意気揚々と挑んだものの、普通にお勉強で忙しいので睡眠時間とそれに伴って寿命を削りながら書き上げる羽目になりました。
若いうちにしかできない。
質問やご指摘があればXのアカウント671sのDMまで。
(余談ですが、この記事内では「アプローチ」という言葉を誤用しています。訂正も面倒なのでこのままです。)
過去一金欠です。カードを買うどころか交通費すらやばい限界高校生オタクなので投げ銭が一番喜びます。
以上。

↓前回のCL直前解説記事
【15000字超・全文無料】ロストギラティナのプレイング CL横浜2024直前|671s@珍横浜育成委員会 (note.com)

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