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昨日のカエル、今日のカエル

窓越しに、じっとしている蛙を見る。昨日も一昨日も、その前から、多分、同じ蛙だ。

最近の野性動物は、人間の臭いを嫌がらないらしい。だから、夜になると、国立公園の歩道なんかを平気で歩ける。
人間がむやみやたらに襲ってきたり、遠くで聞こえる電車や車は、近づかなければ安全だということを学んだ世代で、それから何度も代替えしているからだ。
人間よりも生命の周期が早くて、生きることに熱心な彼らの学習スピードは、われわれのそれより早い。人間が存在するよりも前から生きている生物たち。

それでも、目の前の蛙も私も、今この瞬間にしか存在しない。

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