色々落ち着いたしnote再開していくか~
あとがき 「完結したな」 「なんのこと?」 「昔流行ってた漫画だよ。男が化け物ばかり産ませるやつ」 「ああ、あれね。結局どうなったの、化け物たちはやっぱり主人公を食べちゃったの?」 「いや、化け物たちは主人公である父親を探して、自分の母親の事を聞きたかっただけだったっぽい。どんな化け物も母親の愛情を求め、自分を産んだ母親がどんな人物か気になるってことらしい。自分たちで食っちまったのによ。それに、いちいち覚えてる訳ないのに。つまらなかったよ」 「ふーん」 「結局あ
解けていく 時期が夏の盛りじゃなくてよかった。十月になると街の景色に温かくも鮮やかな赤や黄色の色合いが混ざり始め、秋の訪れを感じられる。 西上は気分転換に近くの公園を散歩していた。小さな滝から水が流れ落ち、川の流れに沿って歩いていく。池のある所まで行くと、屋根のあるベンチで池を眺めた。池は濃い緑色をしていて、紅色や黒色の鯉が時々水面に浮かんでくる。池の中央には小島があり、岩肌には亀が気持ちよさそうに、優しくもどこかカラッとした秋の日を浴びていた。 自然に触れ
伝記の章 目が覚めた翌日の朝、リビングで対面している二人はまだ眠っていた。よく見ると、二人とも手足はきつく巻かれたガムテープのせいで腫れ上がり、赤黒く変色している。 やがて目を覚ました二人のリアクションは全く異なっていた。落ち着いた様子で目覚めた彼とは打って変わって、全裸で椅子に固定された男は酷く動揺していた。ガムテープで塞がった口元から呻き声が漏れ、瞳を少し潤ませながら体を左右に揺さぶり始める。 男はパニックになっていたのか、しばらく目の前に座ってい
飛んで火にいる夏の虫 小さな体は茂みの奥へとどんどん入っていく。 蜂がいようと、危なそうな毛虫が枝葉にいようとお構いなく突き進むと、ひらけた場所に出る。そこは友達と見つけたカマキリが沢山採れる、秘密の場所だった。 注意深く枝葉を眺めると、獲物を狩らんとじっと構える黄緑色のカマキリがいた。目の前に手を出すと、カマキリは大和の手の上に乗ってくる。 お目当てのカマキリを捕まえると、公園内を流れる川の傍に向かった。無数の蜻蛉が飛んでいて、草葉に止まった一際大きな
玉石混交 街灯のすぐ下に、異様な光景を目の当たりにした。 大和誠治はしゃがみ込み、うねうねと動く集合体をまじまじと見つめる。数十匹のミミズが互いの身体を弾き、光を苦しむように激しく波打っていた。 ライターを点火し、その火に制汗スプレーを吹くと簡易的な火炎放射になるが、ミミズのまとまりを容赦なく燃やしていく友人を、大和はイカれてると思った。 時刻は夜中の二時になろうとしている。 この日は中学校の友達と花火をしに井草森公園に来ていた。大きな原っぱを囲うよう
伝記の章 彼が東京を離れたのは、僕が大学を卒業する少し前のことだった。 「東京にいるとなんでも当たり前に見えてきてしまうから、この街を出ようと思う」 きっと色んなものに触れてみたいんだと、あの時の僕は彼の言動からそう解釈していた。それは、彼が小説を書き始めてからしみじみと口にする言葉が物語っている。 「小説を書くにあたって、自分の見てきたもの、聞いてきたもの、経験してきたもの、出会った人、これら全てが無駄にならないんだ、こんな素晴らしいことがあるか? 誰もが、自分に
歪な眼差し 目が覚めて最初に感じたのは、体の気怠さだった。体の節々が筋肉痛のように痛み、瞼の裏には小石でも入っているかのように痛く疲れていた。 鳥羽一は大きく欠伸をしながら玄関を開けた。朝だというのに外は暗く、アスファルトの上に漂う空気には湿り気があって、今にも雨が降り出しそうな天気だった。 自宅マンションから歩いて十秒もしないところにコンビニがあり、鳥羽はそこに寄って、今週に出た週刊誌の立ち読みを始め、読み終えるなり栄養ドリンクを買ってコンビニの裏手にあるフ
伝記の章 まず初めに、大事なことを書いておこうと思う。 僕は友人に頼まれたこの伝記を面白半分で書くことを決意したのだが、書き終える頃には罪悪感に苛まれて後悔しているかもしれない。また、彼を友人として、いや、一人の人間として見続けられるか、自信がない。 この伝記を書くに至った動機は単純明快で、あの狂った友人の成すこと考えることが面白そうだったからだ。そして事実狂気に満ち溢れていた。しかしその異常性故に、こうして筆を走らせていると、頭の中では自分が何か、取り返しのつか
序章 電車から見える窓の外は、しとしとと雨が降り続けている。岸上賢治はそんな天気を嫌に思うことなく、見慣れない街に目を向けていた。 岸上に朗報が入ったのは、一ヶ月ほど前のことだった。 アルバイトで生計をたて続けて七年になろうとしている岸上に、小説の新人賞受賞の知らせが届いた。まさか自分が、なんていう気持ちはなく、取るべくして取ったのだと傲慢になりながら、自分が受賞したことを家族、友人、SNS上にひけらかした。 沢山の祝福の言葉の中に、売れない小説を書き続けている自
ここのモチベーションてみんなどうやって保ってるんだ…笑
本格的に梅雨入りですね。 じめじめさえしなければ、そこそこ雰囲気は好きなんだけどなぁ 本でも読みますか。
ここに投稿する用の作品の方向性について、 童話か小説に絞りました。 或いは両方か。 投稿前にもっとnoteの機能を知らなければ…。
結婚式に参列してきました。 自分は挙げたくないと思ってますが、人の結婚式は好きですね。 色んなかたちやエピソードに触れられるので。 空気も好きですよ。
物事に折り合いがついてしまうともうそこに熱を持たせるのは難しい…。 折り合いの付け方を知ってしまうのも中々に酷なものだな。
このnoteとやら、 始め方が分からず、色々決めたりネタを集めてからと思っていたら、 インストールしてから半年ほどが経ちました。 自由に始めて、 徐々に複数路線を運転していくつもりです。 通りすがりの物書きより。