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ナチュラルがステロイドユーザーと同じトレーニングをしてはいけない理由

誰にでもわかるように解説していきたいと思います。たびたび、ステロイドユーザーとナチュラでは、生理学的に別物だからトレーニングにしても食事にしても同じ事をすると失敗しますというお話をしてきたのですが、今日は特にトレーニングについて焦点を絞ってお話したいと思います。また、じゃあナチュラルはどうすればいいのか?というところまでお話しますので是非最後までお付き合いください。

1.筋タンパク質合成の違い

まず、筋肉がどうやってついていくのかを考えなければならないのですが、それはタンパク質の合成によるものです。筋タンパク質がより速く、長く、多く合成されれば、それだけ筋肉が沢山ついていくという事になります。
筋肉は、通常の状態で、このタンパク質の合成と分解を繰り返して、一定の状態をたもつようになっています。だから筋トレしてない普通の人でも筋肉が急になくなったりしないわけですね。そしてステロイドなどのPEDユーザーは、薬物の力で24時間年中無休でタンパク質の合成レベルが高い状態を保っています。これがアナボリックステロイドの主な効果の一つです。ステロイドユーザーは、トレーニングによってタンパク質合成を高いレベルに引き上げなくても良いわけです。ナチュラルはさっきも言いましたが普段は合成と分解が拮抗していて筋肉が急激に増えたり減ったりしないようになっています。これがいわゆる恒常性、ホメオスタシスですね。そのためナチュラルはトレーニングによって、主にmTorの活性化を通じて筋タンパク質の合成を促す必要があります。言い換えるとナチュラルの筋タンパク質の合成は、トレーニングに依存しているという事になります。でもステロイドユーザーにはそれはあてはまりません。勿論ステロイドユーザーにとってトレーニングが不要と言っているわけではないのですが、筋タンパク質の合成のトリガーはステロイドによって常に引かれていて恒常性は破られていますので、どんな風にトレーニングしたとしても筋肉に栄養が運ばれさえすれば筋タンパク質は合成されていくという事になります。ステロイドユーザーがとんでもないボリュームのトレーニングをしても、全く問題はありません。タンパク質の合成と筋肉の成長は起こり続けます。でもナチュラルはそうはいきません。トレーニングボリュームは少なすぎず多すぎず適切な量で行わなければなりません。

2.コルチゾールの影響

コルチゾールはナチュラルの筋肉に対して本当に壊滅的な被害を及ぼします。まず筋タンパク質の合成を阻害して分解を促進します。さらに筋肉の成長を阻害するミオスタチン遺伝子の発現に影響をあたえ筋肉が成長しないようにします。コルチゾールはAMPKの増加により筋タンパク質合成のトリガーであるmTorの活性化を阻害します。あたりまえですがmTorを阻害すれば筋肉は大きくなりません。簡単に言えば、コルチゾールは筋タンパク質の合成を全力で阻止して分解を後押ししまくるホルモンという事です。コルチゾールの役割はもともと蓄えられたエネルギーを筋肉の活動のために動員する事です。トレーニングで消費されるエネルギーが増えるほど生成されるコルチゾールも多くなます。トレーニングボリュームが増えるほど消費されるエネルギーが多くなるので、コルチゾールも増えていくという事になるわけです。これがナチュラルがトレーニングをやりすぎてはいけない理由です。せっかく頑張ってトレーニングしても筋肉をどんどん失ってしまうという事になりますね。かたやステロイドユーザーはステロイドによってコルチゾールの影響を相殺しても十分おつりがくる程度に保護されているので、全くきにする事なくハイボリュームのトレーニングを長時間行う事ができます。
これはステロイドとコルチゾールが受容体を共有しているためで、テストステロンが多くなるほどコルチゾールが筋肉の成長を妨げるのが難しくなります。とりあえずナチュラルにとっては壊滅的な被害を及ぼすコルチゾールもステロイドユーザーにはぜんぜん関係ないという事です。

3.筋グリコーゲンの節約

ステロイドユーザーのトレーニングの特徴はハイレップでドロップセットを多用しパンプを重視したトレーニングではないかと思います。これはナチュラルとは違って筋タンパク質の合成がトレーニングに依存していないためです。ハイレップのトレーニングで筋肉に大量の血液を送り込むことで、その血液に含まれるアミノ酸を筋肉に運んでやりさえすれば筋タンパク質の合成が行われてどんどん成長していくことになります。そのためステロイドユーザーはナチュラルのように高強度のトレーニングを短時間で行わなければならないという事は無いので、あまり重いものを扱って怪我をしないように軽い重量のハイレップトレーニングを重視する傾向があります。パンプ重視のトレーニングがナチュラルで全く機能しないとか意味が無いと言っているわけではありません。もちろん軽い重量のハイレップトレーニングでも1RMの60%以上の重量で限界まで行えばナチュラルでも十分に筋肥大が起こるとされています。問題は、軽い重量でハイレップトレーニングをすると体で何が起こるかという点です。例えば6~8レップ程度の中~高強度のセットに比べて15~20レップのハイレップトレーニングではグリコーゲンの消費量が二倍になります。これはコルチゾールの分泌もそれだけ増えてしまうという事です。さらに多くのセットを行うような事をすればコルチゾールの分泌はさらに増えてしまう事になります。こういった理由からナチュラルは可能な限りグリコーゲンの節約をして高強度のトレーニングを短時間で行う必要があるのです。

まとめ

という事で3点お話したのですが、じゃあナチュラルはどうすればいいの?って事になりますよね。かんたんにポイントを3点お話します。
1.トレーニングボリュームを1部位週10セット程度に制限する
2.プッシュ・プルの二分割にして高頻度のルーチンを組む
3.様々なレップレンジでトレーニングするとしても8~10レップ3セットを基本にしてあまりハイレップになりすぎないようにする
今日話したことを加味して自分にあったトレーニングプログラムを考えてやっていくことが重要です。トライ&エラーです。一番危険なのは人気のトップビルダーやフィジーカーのトレーニングメニューをそのまま真似してしまうことです。それはあまりにも愚かで全く効果がでないことがほとんどです。なぜかというとそれは上記に書いた通りだからです。ただし、その方たちの動画を見たうえでこの内容に照らしてうまく取り入れていけば自分の成長のためにはなると思います。全てが間違っているわけではないですし、すべてが正しいわけではない。身体の大きい人が言うから正しいというわけではないのと同じで、小さい人が言う事が間違っているというわけではないという事です。自分で考えて自分に合ったトレーニングをして体を大きくしていきましょう!

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