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青くさい恋の話たち

私は私なりに成長してるよ、

って過去の自分に言いたい。




中学1年生。

はじめて、誰かと付き合うということをした。
家族でもない、友達でもない、
彼氏、という特別な存在ができた。

けど、
当時の私は、
好きという感情を表に出すことが出来なくて、
好きなのに、
彼と直接言葉を交わすことがうまく出来なくて、
ラインでしか好意を伝えられなかった。



なんで別れちゃったんだろう。
忘れるほどの、些細なことだったと思う。
ラインで好きになって、
ラインで恋をして、
ラインで別れた、
そんな初めての彼氏、だった。



中学3年生。

それまではずっと同じ部活の男の子で、
全く好意を持ってなかったのに、
ひょんなことからお付き合いをした。
高校受験が終わった冬の出来事だった。

たしか、初めて手を繋いだんだっけ。

過去の反省を踏まえて、
恥ずかしいけど頑張って言葉を交わすようにした。
今までは苗字で呼び捨てだったのに、
名前に君を付けて呼んだりもした。
わざわざ遠回りをして帰ったり、
雨の日には相合傘をして帰ったりもした。


初めてのデートは、
中学校を卒業した春休み、駅前のマックだった。
高校入学に向けた課題を3時間一緒にやった、
それだけだった。

それに幸せを感じられてたらよかったのに、
その3時間で彼に抱いた違和感を積み重ねてしまい、
高校入学してすぐにお別れをした。
私はあの日マックに行ってから、
一度も彼の姿を見ていない。
近所だけど駅で見かけたとこもなければ、
知り合いのSNSで見かけたこともない。

あなたは今どこで何をしてるの?



高校生。


同じ部活の男の子と付き合った。
面白い人だった。不思議な人だった。
博識で、自己肯定感が高くて、低い人だった。

人生を楽しませてくれる人と付き合いたい、
そんなことを考えていたから、
私はその人に惹かれていた。
165cmの私と身長が変わらない、
そんな人だった。


付き合って1年目。
デートはしたこともあったけど、
まだ心を開けていなくて、
人前で言葉を交わすことに抵抗があった。
それでも彼の隣にいるのは落ち着くし楽しかった。

付き合って2年目。
やっぱり彼と一緒にいるのは楽しかった。
寒くても、暑くても、
学校から3kmある私の家まで、
自転車を漕ぐ私の隣を彼は走ってくれた。
部活を引退するまでそれを続けていたし、
引退してもそれを続けていた。

帰り道の途中にあるマックで
テスト勉強もしたし、受験勉強もした。
てりたまも、月見バーガーも、グラコロも三角チョコパイも一緒に食べた。
マックに行かない日はファミマで買い食いをした。
夏はパピコを半分こして、
冬はピザまんを食べた。
ピザまんは寒い雨の日に食べたファミマのが一番美味しかった。

なんの根拠もないけれど、
彼と結婚するのかなーとか思ってた。
そのことを本人にも伝えていたし、
一緒に未来のことも話していた。

時々、
嫌なことはあったけど、
ちょっと我慢すればいいやって思って、
見て見ぬ振りをした。

付き合って3年目。
になる頃、ちょうど大学受験を目前としていた。

と言っても私は第一志望に推薦で受かり、
記念日を迎える少し前に合格を決めていた。
一筋縄ではいかなかった推薦受験だったが、
日本史の授業の時に机の下で合格通知を見て
涙を流した。

「受かったよ」


放課後、勉強で残っていた彼を呼び出していちばんに報告した。


「おめでとう」


それだけだった。
いや、
他の言葉もあったかもしれないけれど、
私の記憶に残っているのは、
その5文字だけだった。


何かがプツンと切れた音がした。


これから受験を控える彼にとっては
私の報告はただのストレスだったかもしれない。
けど、
泣くほど悔しい気持ちをして
泣くほど嬉しい合格を勝ち取ったのに
彼が掛けてくれたたった5文字が
温かい言葉のはずなのに、
なぜだか冷たく感じて、
ドンと鈍い音で殴られた感覚になった。



結局記念日はどう過ごしたんだっけ。
クリスマスは受験があるからって会えなくて、
冬休みが明けた1月ごろに別れを切り出した。
彼はセンター試験直前だった。


高校生活の2年と3ヶ月を共に過ごしたけど、
呆気なく終わりを迎えた。



大学生になってから何度かラインをした。

「本当に結婚したいと思うくらい好きだったよ」



私も、
あの日までは本気でそう思ってたんだけどね。



ちょっとずつ成長してた、
10代の私、たち。




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