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【春弦サビ小説】暗殺者(RPG風) 737文字

このショートショートは
『春弦サビ小説 オープニングムービー』からインスピレーションを得て創作しています。

曲を聞きながら読んで頂けるとRPG感が増すと思います
よろしければお試しくださいませ(* ˊᵕˋㅅ)❤


マークもフレッドも全身を強打して意識がない。
残るは剣士ガードと、白魔法使いの私ペグだけだ。

兄のように優しかった
サドルがどうして…

床に打ち付けた体が思うように動かない。私は杖を支えにして立ち上がった。

息が切れる…
立っているのもやっとだ
隣のガードも
ふらついている


王を暗殺した反逆者、サドル王子は広間の中央にいる。銀髪から垣間見えるサファイアのような瞳が美しくも恐ろしい。

「この国は汚い札束を吸うヒルのような政治家が蔓延している。湖の底に沈むヘドロのような世界だ。未練などない。全てを白紙に戻すときが来たのだ」

サドルは天に向かって剣を掲げた。それは飢えた猛獣のように周囲の光を飲み込んだ。強い魔力で壁がピシピシと軋む。鋭い眼光。冷徹な微笑。空間を切るように剣を振り下ろした。刃先から青い三日月型の衝撃波が放たれた。

(まともに受ければ命はない。せめてガードだけでも守れたら)

私は両手を広げてガードの盾になり、シールドを張る。

「ガード伏せて!!!」

「ペグ!!」

覚悟を決めて歯を食い縛る。衝撃波が私の腹を引き裂くかと思ったが、突然目の前で消えた。ガードは右手に持っていた剣を前へ突き出した。固い防具を貫通し、私の背中に激痛が走る。

「ガード?!?!」

ビュン!!

私の右頬近くをなにかが横切った。ドスンと鈍い音。

「ぐはっ!!」

ガードの剣が派手な金属音を立てて床に転がった。
私は背中の痛みに耐えながら、混乱したまま後ろを振り返った。するとガードの右肩ににサドルの短剣が突き刺さっていた。ガードは肩を押さえながら倒れるように両膝を床につく。

サドルは私の血が付着したガードの剣を拾い上げると、鋭い切先をガードの喉へ押し当てた。

「ペグを殺し、その罪を私に被せるつもりか。王を暗殺したときと同じように」





PJさんの【春弦サビ小説】の企画に参加させていただきました✨
壮大で美しいテーマソングに圧倒されて、なにを書いていいやら本当に悩みました💧
最初にRPGが思い浮かんだので、RPG風のミステリーに仕上げました。サビだけでも、なんとなく全体のストーリーを想像できるように工夫したつもりです。登場人物の名前はギターの各部の名称からつけました(笑)

素敵な企画を考えてくださって、本当にありがとうございました💕