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最近の記事

路地裏

たった一人で 路地裏に立つ 周囲を見渡す 煙草に火をつける 砂漠の街の 唯一の泉 殺気の中の 潤い 黒いでこぼこな アスファルト ピンクのネオンの光 ゴミの腐臭 何羽かのカラス 太陽の光は ビルに遮られて この路地には 届かない 酒の匂い 氾濫する匂い 両側から迫る 雑居ビル 空を見上げる 水色の空 潮の匂いが漂ってくる どぶ川の匂いと入り混じって 僕は 絶望的な状況にいる 都会の 片隅で

    • 資本主義と技能実習生

      昨日、僕はあるミャンマー人の女性と会ってきた。彼女とは言語交換アプリのTandemで出会ったのであるが、彼女は自分が技能実習生であるという事実を僕に伝えてなかった。ミャンマー資本のレストランで働いているとか言っていたのだ。彼女は身長が178cmあると言っていたが、実際には168cmくらいであった。彼女は多くの日本人と同じくらい白い肌を持っていて、濃い色のサングラスをかけていた。 僕は何人かの技能実習生と会ってきたが、今回はちょっと資本主義と技能実習制度について日頃思っている

      • 新しい仕事の依頼がきました

        新しい仕事の依頼がきた。これは、一昨年と去年にやったコラボレーション作品(画家や音楽家とのコラボレーション)の続編のようなものを書く仕事である。 最近気づいたことをいくつか書くことにする。たまたま、この投稿を見た人がなんらかのインスピレーションを得ることができたならば、僕は幸いである。 僕は以前に書いた通り、純文学とWEBライティングの2足の草鞋を履いていて、それを収入源としているのだが、この2つのスタイルの執筆には多くの共通点があり、これらの仕事を同時並行的に行うことに

        • 飛ぶ飛行機

          飛行機は 飛んでいく 何千メートルの 上空へ 何千里の 彼方へ 多くの希望を乗せて 空港の一面の銀世界 飛び立つと すぐに青い海が見える 平らな平野に 突起した山 雪は白く 木々は黒だ 雲に突入すると 霧の中を歩いているようだ 雲を抜けると 一気に 一面はスカイブルーになる 一面の スカイブルー スカイブルー スカイブルー たまに 乱気流に機体がぶつかる 機体が 小刻みに揺れている 僕の心は 少し震えている 見えたユーラシア大陸 中国南部の 稲作地帯 一面の田園風景

          日本の旅 vol. 1

          今回は1週間の日程で、北海道→名古屋→三重→名古屋→東京→横浜→北海道の順に旅をした。旅をしながら日記作品の原稿を一つ完成させて、出版社に送付した。旅の効能としては、知らない土地に関する様々な見識を得れること、居住地での生活を遠距離から眺めることができること、物理的移動の副産物として思考や記憶を圧縮できる(また感覚として時間を圧縮することもできる)ことなどが挙げられると思う。 今回の旅も大変な旅であった。行き先は何度も変更された。僕が空港に降り立つと、その空気は澱んでいた。

          日本の旅 vol. 1

          学問

          僕は長い間、体系的に勉強をするということをしなかった。中学や高校の頃も教科書を読むことはあっても、文法書を自発的に読むことはまずなかったと記憶している。思い返せば、授業もあまり聞いていなかった。退屈だったからだ。なので、僕は先生からすれば、基本的に嫌な生徒だったはずだ。 小学校にも、中学校にも、カリキュラムというものはあったはずであるが、そのようなものを意識することもなく、ただ漠然と時間を過ごしていた。好きな科目は自分で教科書を読んで勉強した。社会、理科、国語など。それで、

          2024年現在における生存の難易度 〜人間観察から見えてきたもの〜

          社会が複雑化しているというようなことは、近頃よく言われることである。本当だろうか。また、近年生きることがより難しくなったということもちらほら聞くがそれは事実であろうか。今回はそれらに対する僕なりの見解をいくつか述べていきたいと思う。 僕はさっき街から帰ってきた。街で色々と人間観察をしてみた。街には日本人をはじめ、中国や台湾や韓国から来たと思われる観光客が溢れていた。彼らは当たり前のように生きていた。生きることになにも疑問を感じていないようであった(もちろん彼らの思考や深層心

          2024年現在における生存の難易度 〜人間観察から見えてきたもの〜

          食について

          淡泊な味付けの料理が好きである。これは、僕の体質が自然に要求するものであるし、父親が関西地方の日本海側出身で、家の味噌汁なども淡泊な味付けのものが多く、その結果でもあると思う。刺身が好きだ。特に、白身魚の刺身が好きだ。最近食べたもののなかでも、ヒラメの刺身など白身魚の刺身を特に美味しいと思った。石鯛や黒鯛やベラの刺身(これは関西地方の人しか食べないらしい)も好きで、僕は生粋の白身魚好きだといえるだろう。 うどんは鰹出汁のものではなく、昆布出汁の薄味のものを好む。主に関西地方

          食について

          安楽按摩

          蓮の池の畔の 開放感のある広い建物 気温は 丁度いい 部屋には仏蛇の絵が 飾ってある そこに 一人の女がいて マッサージをしてくれる その女の按摩は 熟練されていて 当意即妙で ときに基礎に忠実に ときに変則的で ときに強く ときに弱く 女は 疲れた部分をよく心得ていて 言わなくても その部分を探り当てる 静かな音楽が ゆっくり流れていて 僅かに 香の匂いがする 時たま 吹く風は 爽やかで 心地よい 少し霧がかかった山の稜線が見える ここは シャム北部の高原だ 部屋の中

          滑走路から離陸する飛行機

          僕は 人生を変えるために 空港のゲートの前に立っている 必要なものをしこたま詰め込んだ 黒いバッグを一つ持って 何台もの白い飛行機が 並んでいる 搭乗ゲートのナンバー 僕は これから無謀な旅に出るんだ 賭に出るんだ 幾つもの 辛い 苦しい 惨めな 抑圧の歴史に終止符を打つ LCCのチケットを握りしめている 搭乗時間はまだかと待ちわびている 搭乗時間よ早く来い 来い! 搭乗時間が来た ゲートが開く 足を進めて 飛行機に乗り込む 窓側の席だ 離陸時間を待つ 飛行機が飛び立

          滑走路から離陸する飛行機

          想い出すのは君のこと

          港町の坂道の階段 二人で 腰掛けて 語り合った 少し暗い街頭 でも 画面は明るかった 君の目は 茶色かった 君の手は白かった 僕は 若かった 港町だった 様々な人種の アメリカ兵が歩く 僕らはタバコを吸った ガムを噛んだ ガムは甘かった 気温は 丁度よかった 風が心地よかった 階段の下には窓がある 細い道につながっている 心が満たされていた 世界が満たされていた 世界が満たされていた 心が満たされていた 潮風が吹いていた その時間は長くは続かなかったし その後

          想い出すのは君のこと

          黄色い果実

          朝 スーパーに行って 果物を買う 大体 フィリピン産の カットされた パイナップル それをベンチに腰掛けて 食べる 糖蜜がまばらに散った パイナップル それに 齧りつく 適度に 熟した女のような 甘さと 酸っぱさが口に広がる 亜寒帯の大地にいる僕が 国境を越えて 熱帯の島国にいる気分になる 熱帯の国の 大胆な露出度の高い赤い洋服を着た 少し色素の付着した皮膚を持つ 二十そこそこの適度に肉付きのいい女のことを思い浮かべる そんな僕の目の前に広がるのは 青の世界だ 氷と一

          黄色い果実

          Filipina

          僕はあるフィリピーナと会ってきた。昨晩のことだ。僕は以前からフィリピン人とは比較的縁が深くて、たびたび会ってきた。僕が初めて本格的にフィリピーナと話したのは17歳の頃だ。当時、僕の家の近くにジュリーというフィリピンスナックがあって、近所の人やインド人の友人と一緒に行ったのだ。スナックジュリーは当時25歳だったJulieというフィリピーナをメインホステスにしたスナックだった。Julieは確かに美人で、おそらく当時近所にいた女性のなかで一番美人だったと記憶している。そのスナックは

          桐島 聡が発見された

          久しぶりに短いエッセイを書こうと思う。東アジア反日武装戦線の桐島 聡が、半世紀ぶりに神奈川県鎌倉市の病院で発見されたという。発見されたときにはすでに相当衰弱していて、発見後すぐに死亡が確認された。 神奈川県藤沢市の工務店で勤務し、年季の入った住宅で40年も生活していたらしいが、近隣のバーなどにも顔を出していたらしい。特に、60年代と70年代のロックミュージックを好んでいて、バーの近辺の音楽好きにはそこそこ知られた存在だったとか。 正直、このニュースを見たときに僕は色々と考

          桐島 聡が発見された

          Chiang Rai(เชียงราย)

          僕の中に残っている、霧に包まれた楽園のイメージがある。これから、その楽園のイメージをできるだけ明確に、詩という形式にて書き記そうと思う。 朝起きると頭は冷えていた 茶色いタイルの床 グレーのスーツケースが目に入る 気温は 丁度よく 少し 暖かい 外は晴れている 既に何人か 起きているようだ 日本人は 僕だけだ 胃薬の 缶が目に入る 僕は 寝床から起き上がると マイルドセブンのソフトパックを探した 少し潰れた 水色の煙草のパックが目に入る それを握ると 外に出た 晴れてい

          Chiang Rai(เชียงราย)

          横須賀港

          夜の 横須賀港 滲んだ 数々の照明 黒い 海の水面 米軍の 幾つかの船 突如 頭に降ってきた 見慣れた 景色 港に面する レストランでは タイ料理を 食べられる 広い 店内では タイ人の店員が タイ料理を運んでくれる 完全に タイ資本の店だ 潮の匂いは しなかった 画面だけが 夜景だけが 頭の中で 再現された 僕は 蝦夷地にいるのだ 外は 一面の白銀世界だ 南方での 遠い記憶のように この景色は 蘇生した 2024/01/30