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源氏物語をめぐる本


少年少女伝記文庫

 源氏物語に関する本が何冊か出てきた。
昭和31 年刊行紫式部の伝記。玉上琢弥著。
源氏物語の本文も知らないのに、小学生はあとがきにより源氏物語は英語で「テイル・オブ・ゲンジ(ママ)」というのだと知った。

同じ頃の清少納言の伝記というのも出てきた。


以下の本は60年くらいの間に折に触れて読んだらしいが、今となっては内容は朧である。



私的解釈の物語(田辺聖子)
二次創作(清水義範)
推理作家による謎シリーズ(藤本泉)
解説的な評論(ドナルド・キーン、大庭みな子訳)
地名を辿る解説(瀬戸内寂聴)
説き語り(村山リウ、瀬戸内寂聴)
対談形式(瀬戸内寂聴と馬場あき子ら、円地文子と白洲正子)
心理学的ストーリーの分析(河合隼雄)




覚えていることとしては〜田辺聖子の私本的源氏物語は登場人物の大阪弁がきついが、光源氏や女君は標準語である。どうせなら全部大阪弁いやせめて京都弁だったら? しかしそうするとキャラクターが変わってしまうのかもしれない。

また最近読み直した瀬戸内寂聴の「わたしの源氏物語」では、光源氏の人柄も挙措振る舞いも完璧で優雅な美男というより、恋の欲望に流されてひたすら厚かましい自惚れの強い人物のように語られている。作家の経験豊富な人生からの確かな男性への目線なのでしょう。

清水義範の「読み違え源氏物語」は夕顔など巻々を用いて、登場人物を自由に動かして幾つかのストーリーを編み出している。清水義範には「永遠のジャック・アンド・ベティ」を読んでからかなりハマっていた。アメリカ人に姿を変えた末摘花など奇妙な味わいというのでしょうか。





この二点の本は視覚から。


「易・五行と源氏物語の世界」は日本文化を陰陽五行を通して構造研究する民俗学の吉野裕子著。長年の研究を極めるために八十歳過ぎてから東京から奈良へ引っ越されたという。ある会合の講演に来ていただいたが、その時みんなが購入した本に栞が挟まれていて謎の言葉が書かれてあった。



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