Imagists

音楽研究者。Imagistsは一人出版社の名前です。 http://www.imagi…

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音楽研究者。Imagistsは一人出版社の名前です。 http://www.imagists.net/Japanese/top.html https://imagists.stores.jp

マガジン

  • 媼の書庫整理

    本の整理ゆりかごから墓場まで

  • エミリィ・ディキンスンを歌う

    Emily Dickinsonエミリィ・ディキンスン(1830~1886)はアメリカ合衆国アマーストで生まれ、そこで生涯を過ごしたアメリカ最大の詩人。 生前は10編にも満たぬ詩が発表されただけだったが、死後1770有余の詩が発見された。

  • エゴの木

    女子大寮に生息する変人たち。林の道でいつも鳴いている山鳩。エゴの木の咲く頃出没する怪しい男。人生はまだ始まっていない。

  • 子供の歌

  • つながるぬり絵

    つながる塗り絵とは〜こちら↓をご覧ください。 http://ccc.byoubu.com/CCC/CCC.html 6枚1組でつながります。それを単位として6組(36枚)を4つ使って回転させ...いくらでもつながります。

最近の記事

  • 固定された記事

絵の中の美術館

絵:Kinzo Masuda 音楽: キーボードの音はハープ。 「アルバ」(夜明けの歌)のページは(midi) http://www.imagists.net/Japanese/htdocs/ezra/ezralily.html 

    • 源氏物語をめぐる本

       源氏物語に関する本が何冊か出てきた。 昭和31 年刊行紫式部の伝記。玉上琢弥著。 源氏物語の本文も知らないのに、小学生はあとがきにより源氏物語は英語で「テイル・オブ・ゲンジ(ママ)」というのだと知った。 以下の本は60年くらいの間に折に触れて読んだらしいが、今となっては内容は朧である。 私的解釈の物語(田辺聖子) 二次創作(清水義範) 推理作家による謎シリーズ(藤本泉) 解説的な評論(ドナルド・キーン、大庭みな子訳) 地名を辿る解説(瀬戸内寂聴) 説き語り(村山リウ、瀬

      • 思い出の書店

         その本屋は駒川という小さな流れにかかる上辻橋という橋の袂にあった。 橋を挟んで向かいはガラス屋だった。看板に羽田硝子店と書いてあったが、子供の頃「硝子」が読めなくて、女性がオーナーの店だと思っていた。 駒川に交差して南海平野線が川の上を走るレールだけの部分が数メートルあった。小学校の帰りに寄り道した時は、その危険な線路を通ると近道で、電車が来ないのを見計らって走り抜けると、ガラス屋の際に出てくるのだった。そして正面には本屋が見える。  高坂書店の間口は狭かった。奥ゆき

        • 北杜夫

           わたしが一番夢中になって読み、出るたびに本を買い、考え方にも影響を与えられた作家は北杜夫だった。  初めて読んだのは中学一年の時「どくとるマンボウ航海記」だった。マグロ調査船に乗っての旅行記。 印象に残っているのは、精神科医なのに、船員が盲腸になり、死ぬ思いで手術するところとか、ゆきずりの人に高価なものをあげたりしているのに、お世話になった日本人家庭に有り合わせの風呂敷をお礼に渡したとか。これは後に結婚した夫人の家だと思われるが。 船医という職業にも憧れた。その頃女性の船

        • 固定された記事

        絵の中の美術館

        マガジン

        • 媼の書庫整理
          15本
        • エミリィ・ディキンスンを歌う
          4本
        • エゴの木
          1本
          ¥100
        • 子供の歌
          2本
        • つながるぬり絵
          4本

        記事

          高校生の頃の読書

           私が高校生の頃は読書量というのはその人の評価にかなり関係していた。岩波文庫を全部読むといった類のことだった。主に文学だが、東西の古典から古今の名作と言われるものを人よりたくさん読んでいることは勿論、人の読まないような変わったものを読むというのがトレンドであった。まあ奇を衒うとも言えた。 高1のお正月には阿倍野のユーゴー書店に友達と行って、人文書院のギリシャ悲劇と喜劇の全集をお年玉をほぼ費やして買い込んだりしたが、同級生の男子はその全集を数日かけて立ち読みで済ませていたという

          高校生の頃の読書

          EGOの木

                          目次 そもはじまり 変人たち 清潔について 先生方 闇と光 不幸な人 マニア男 フェアウエル・パーティー 西陽の下宿 流れる手 逃走 アルバ                              1. そもはじまり  入寮式の日は花曇りだった。 わたしが寮についたら、すぐにマイクで呼び出しがあった。玄関のあたりに行ってみると、上級生の寮長から、「あなたは籤ではずれましたので、十三号館に行ってもらいます」と言

          有料
          100

          三島由紀夫

           三島由紀夫にはそれほどハマらなかったというのは本棚の本がそれほどないので わかるが、「剣と寒紅」があったとは。出版差し止めになった本だったが、今は手に入るようですね。 本棚の「日本の文学」全集に入っているのは、仮面の告白、金閣寺、午後の曳航、近代能楽集、芙蓉梅雨大内実記。 文庫本の「花ざかりの森」は16歳の時に書かれたものと知り、やはり天才なんだなと思った。高校生の頃「婦人公論」連載の「音楽」も読んだと思う。 映画になった「午後の曳航」を'70年代後半に見た。セーラ・

          三島由紀夫

          ビールへの思い

           日本の四季はどうなってしまったのか。(実はこの文は去年の夏に書いて 保存のまま放擲されていたもの。1年くらいぼーっとしていたところ、人に会わないせいもあり、最近言葉が出て来にくくなっているのでなんでもいいから文を と出してきた次第です。 しかし途中の部分がなくなっていて、突然のように以下の文になっていた。)  それはさておき、ビールはもの心ついた頃はキリンしかなかったような気がする。その後アサヒが出て商品名も社名だけだったと思うが、その後いろんな銘柄が出てきて、今では選ぶ

          ビールへの思い

          記憶の揺らぎ:その2

           コロナ感染がやや収まりつつあるようなこの頃、新聞の広告欄を見るともなく見ていると、フジコ・ヘミングのコンサートが出ている。久しく隠遁生活を送っていたが、そろそろコンサートにも行ってみたいなあ、フジコ・ヘミングも一回くらい聴きに行きたいものだ、と思った。それが午前中。  午後、書斎の整理をしていると、これまでに行ったコンサートのプログラムの一群が出てきた。ぬ? これは? フジコ・ヘミング? コンサートのパンフレットのようだが、人物紹介が主で、何月何日の詳細なプログラムという

          記憶の揺らぎ:その2

          消えた本

           書庫の中からいつの間にかなくなっている本が数冊。さもありなん。小学校からとしても60年以上の子供の頃から積もり積もったものなのだもの。引越しだって何回かしている。人に貸してあげてそのまま忘れたものもあるようだ。 子供の本でなくなっているのはキングスレー「水の子」。小学校4、5年の頃に親と心斎橋の本屋に行って「好きなのを選びなさい」と言われて買ってもらったのは覚えている。どんなストーリーだったか今は忘れてしまった。ただ水の中を泳いでいる子供の挿絵が印象に残っている。 村山

          消えた本

          記憶のゆらぎ

           長く生きていると、記憶というものが頼りになるものかどうかわからなくなる。 若い時の友達とのエピソードも、自分が実際にその場にいたのか、友達から聞いた話を自分の体験として取り込んでしまったのか。例えば、駅で待ち合わせていた友達が来ないから変だと思っていたところ、人だかりがしているので、見てみると、なんとその友達が卒倒して地面に倒れていて、顔に土がついていた。助け起こそうとして「お願いしまーす」と言っても誰も助けてくれず、一人のおばあさんが肩を貸してくれた。それから駅長室まで

          記憶のゆらぎ

          便箋と封筒

           ぼけ防止として頭に刺激を与えるために毎日一つ今までしたことのないことをすると良いらしいが、といってもなんだろう? 思い浮かばない。久しくしていないこと、若い頃していたこと、というとメールではなく手紙を書くことでしょうか。 昔は「少女」とか「少女ブック」といった少女雑誌の付録にもよくレターセットというのがあり、薔薇や白鳥の浮き出た封筒が付いていると、それに惹かれていつも取っている雑誌ではないものを買ったりしたものだ。中原淳一のレターセットも人気があったが、今も変わらぬ人気の

          便箋と封筒

          明日は猫の日

          明日は猫の日。 上の写真は去年十二月に十八歳で亡くなったリス吉。 20年前から庭猫が次々と家猫になり、一時は5匹いました。今はみんなみまかりました。もう猫を飼うことはないでしょう。 猫たちに捧げるピアノ曲です。 「2匹の猫のためのマズルカ 」(ポンスクに捧ぐ) 姉御肌の面倒見のいい猫でした。近所を見回りして雄とも戦っていたようです。 「オレンジ猫ワルツ」(オレンジボーズに捧ぐ)茫洋として気のいい猫でした。手足が長く、スフィンクスのような座り方をしていました。 「金目

          明日は猫の日

          昭和のハギレ

           捨てられないものは本の他は端切れ。布に対する偏愛が激しい。昭和30年代からの端切れが捨てられない。昔は今のようにブティックとかアパレルとかなかったので、衣服は仕立ててもらうか家庭で縫うかだったでしょう。大層な場合は洋装店かデパートのオーダーメイドだが、夏のブラウスやワンピースなどは洋裁の上手な知り合いの人だった。出来上がったら裁ち落としも返ってきた。そういう訳で、端切れが膨大に溜まっていった。季節が変わると、時には神戸まで舶来(古い言葉)の生地を買いに行った。ローンやオーガ

          昭和のハギレ

          勝手にしやがれ

           たまたま通りかかったら午後のBS映画をやっていた。ジャン・ポール・ベルモント。ジーン・セバーグ。これは「勝手にしやがれ」だ。古い映画。私が大学1年の時に認識していたから60年代には見られていたということだろう。(1960上演とあり) 友達が映画研究会に入っていて、特にフランス映画に傾倒していた。友達の下宿に遊びに行った帰りだったか、その人と学校の近くの林を雨の夜に歩いていて、足が泥だらけになった時、彼女が言った言葉が「勝手にしやがれ」。 その頃はみんな寮でなければ下宿だ

          勝手にしやがれ

          墓碑銘

          「その一生を探し物に費やせし女ここに眠る。」 墓碑銘はこれだ。 今なくなっているもの〜サングラス、近視メガネ、スマホ差し込みプラグ、ソックス片一方、目薬、バレッタ、空気清浄器。 写真はアイルランドの詩人イエーツ(W.B.Yeats)の墓 @スライゴー 詩の墓碑銘出ています。「冷たき眼差しを投げかけよ。 生に、死に。 騎馬武者は通り過ぎてゆく。 」 と、この記事はこれで終わるかと思ったが、イエーツのお墓では、一つの発見があったのだった。このお墓の一方の端にもう一つの地

          墓碑銘