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夭逝を言わずに回顧展は成立しないだろうか

プロフィールから検索をかけて、最後の衝撃的な一文が鑑賞へと後押ししたのは間違いない。猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA/香川県丸亀市)で開催中の「中園孔ニ展」。

大胆に画面を分割して、スピーディーに仕上げていく。
色を重ねて重ねて奥行きを出す、初期の猪熊弦一郎とは対照的に、筆の勢い、色のかすれが印象的な中園作品。
色を混ぜることなく、ホワイトもしくは地の色で区切りながら、多彩な画面分割を試みています。
にぎやか、鮮やかとは違う、静寂がありました。
それは作家が、この世にいないせいでしょうか。

場所とのコミュニケーション
最期についての意思は、検索ではヒットしません。本作を見ながら、解説から推測する含みがあります。
 コンフォートゾーンにコミットしたんだ! 
 息をとめすぎちゃったんだ、海の中で。

中園作品の呪術的な、プリミティブな色と線から、ミトコンドリアもしくは細胞分裂を想像しつつ、アプリが進化した2023年、ジェネレーティブAIを彼ならどう使うでしょう。

これは飯野山。猪熊作品にも触れているなあと推測される作品がいくつか。下の作品から、瀬戸内生活工芸祭2014のハウスを思い出しました。中園作品は2008年なので、逆の発想があるかも。

212  2008/油彩・カンヴァス

瀬戸内生活工芸祭2014  女木島会場 ↓
ナカオタカシ 「海辺の家」FRP




足利の巡回展も面白そう!

顕神の夢
霊性の表現者 超越的なもののおとずれ
2023年7月2日(日)~8月17日(木)

中園孔二《無題》(2014年)個人蔵

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