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観光こそジェントリフィケーション、と友人がそっと吐き出す

島が消費される日々を目の当たりにしていると、語る言語も違ってくるのだろうと思えます。

島が消費されると言う表現を初めて聞いたのは8年前。豊島(てしま/瀬戸内海)の産廃不法投棄事件が知りたくて、毎週のように通っていた頃のこと。豊島の長老が「わしの友人」と言って会わせてくれた人は、難解な言葉を静かに紡ぐのでした。人名と地名は記号や目印として会話に差し込まれているけれど、テクストと言ったり、文脈と言ったりする、話の展開そのものが全く未知の流儀でした。己の無関心と偏向を強烈に意識したのです。

「わしの友人」は今や私の友人でもあり、今日は一緒に豊島の長老を訪ねました。珍しい顔合わせ、出会った時の再現のようです。友人の視座はビジョンが短期的とか白黒つけたがるのは保守的とか、性急なアクションを評しています。中でも、観光こそジェントリフィケーションと断言するに至る背景、そこを想像してみるものの深淵に届かず。

折しもここは香川1区。不甲斐ない1区は2017年まで、2021年は政治を、暮らしを変える場だよね、と盛り上がりました。

選挙、誰に入れるの?
先日、先生が口火を切ると、グループのまとめ役が調子を合わせて、まだ決めてないんですよねと返事。メディアにお勤めだったお宅で、それ以外の名前なんて誰も口にしないですよ。高度経済成長期、社員を大事にしてくれた会社への恩義を地元選出の議員に重ねる昭和の習わし。ついでのように「政治力がなくちゃ」と大平さんの話題に流れました。

その政治力が、いまの暮らしをよくしましたか? 保守派の老害を若い人の投票で変えましょうよ。
春先、先の先生に「東京では、総理大臣になれないとかいう映画が人気なんだってね?」と聞かれた。全国で、ですよ。香川1区の選挙じゃないのです。

友人が「保守的」と評する視座は見事な切れ味。離島が直面している民政を絡めながら、小気味よい時間でした。



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