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名前のはなし

最近友達に子どもが産まれて、久々に会おうということになった。
その友達は高校の部活が一緒で、高校卒業してからも1-2年に一度は会ってる友達。
少し前に彼女の結婚式の動画を作ったときに、昔、その子と地元から屋久島に行くまでをひたすら記録した映像が見つかった。正直撮ったことも忘れていた動画。新人YouTuberの映像みたいなやつやった。『今日はベッドが2つです〜』みたいなことを言ってて、若い頃の節約旅行感が良かった。当時、『結婚式のときとかに見返したら面白いやろな』って言いながら写真を撮ったりすることがよくあった。だから、それがまさかほんとに実現して、10年ぶりぐらいに映像を見つけたときは、正直ちょっと感動した。

今回もそんな感じで2年ぶりぐらいだったりして、何から話をしようかなぁとちょっとだけ恥ずかしい感じがしたけど、他愛ない話から、すぐに当時の感覚に戻って盛り上がって、デパ地下で買ってきた昼ごはんを食べながら、Uber Eatsってめちゃ便利よな、っていう話をした。
自分は親になったことがないので感覚は分からないけど、親になると色々な感覚が変わったりするんやろうなぁと想像したりもしていて、でも、彼女はいい意味でいつもどおりの彼女のままの雰囲気で、安心したりもした。

そんな中、子どもの名前の話になった。実はという感じで話してくれた。
菜々美がお芝居を始めてから初め会ったときに『今が一番楽しい』みたいなことを言っていたことがあって、いくつになっても好きなことできるのっていいなって思って、そうやっていつでも輝いてほしいなと思って、そういうのとかもあって"ある名前"にしようかと思って。字画とかもあってそのままの名前にはならなかった、と言いながらも、その子の名前には、その時考えていた名前の漢字が入っていた。

自分自身はそんな感じのことを言ったのは言われるまで忘れちゃってたけど、その話を聞いて、やべー泣きそうってなった。そこで泣くわけにもと思って話をそっと切り替えたけど、ちょっと危なかった。笑
もちろん私のエピソードだけではないのは分かっているんだけど、そもそも名前を考えるときに、一瞬でも思い出してくれたことがまず嬉しかったし、自分の小さい行動で少しでも伝わっていることがあったのかなと思うとなんか嬉しくて、あぁめちゃくちゃ幸せやなというか、有り難いな、有り難いな、という気持ちでいっぱいで。
この先いろんなことがあっても、この出来事でちゃんと前向いていけるんやろうなぁと思う出来事で、どんなサプライズよりもサプライズなプレゼントでした。


帰り道、駅まで彼女が送ってくれた。これまでは二人で会うときは二人やったのが、これからはこうやって三人で会うことが多くなるんやろなと思って、なんか感慨深かった。その子がちょっと大きくなったら、屋久島の素人Youtuberばりの映像を、一緒に見たいなと思った。

最近同世代で親になった人を見ていると、親の気持ちがちょっと分かる。何かを掴むとか、ベッドから一人で降りるとか、小さなことやけど毎日できることが増えていくのを見て親はとても嬉しいと思う。名前に付けた想いも、今までそんなに気にも留めなかった関西の夕方のten.の『めばえ』も、親になった周りの人たちに重ねることが多くなった。
そういう人たちを見て、今まで以上に親に感謝するようになったと思う。喜ぶ顔が見たくて、いつも実家になにかを買っていくようになって荷物がいっぱいになるし、親が喜ぶなら何でもしたいなぁと思う。いつも帰りに駅まで送ってくれるときに、『またいつでもおいで』と言ってくれるのも嬉しい。
誰かが子育ては人生の伏線回収と言ったのを聞いて、その意味もちょっと分かる。これがきっと歳を重ねるということなんだと思う。

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