見出し画像

ひとり旅日記欧州へ19日目前編:ポツダムでたまたま出会ったフランス人ご夫妻とご一緒する。

2016年1/8ポツダム日帰り。

日帰り旅行。8:51amべルリン発、9:15ポツダム着。インフォメーションのオープンが9:30とのことで少し待った。んだよ?ここも地図有料かよ💢サンスーシ宮殿までバス。結構乗った。紛らわしい場所で下りかけたが、仏人のおじさんが下りるバス停を教えてくれた(なんで仏人って?間違えて下りかけた事で会話するようになって聞いてみたから)。

なんとか宮殿ツアーに間に合った。サンスーシ宮殿は世界遺産。先に並んでた年配のご夫妻のご主人が、自分がカメラ持ち込みの目印の腕章みたいのを付けるのに苦戦してたら、左手首に付けるのを手伝ってくれた。ありがとうございます。宮殿の中は写真を撮れるとのことで、思い切り撮りまくった。

植物の間がなんとも言えず、とても素敵だった。各部屋のシャンデリアも綺麗だった。この宮殿は王様の趣味の為の別荘だったとか(音声ガイド情報)。

次はまたバスに乗って、新宮殿へ。貝の間は良かった。南国のエキゾチックさが出てた。ここもまた最初の宮殿で一緒だったご夫妻も参加してた。

この宮殿地帯は広くて、日帰り旅行の自分は時間を気にしながらの行動。この世界遺産エリアでもう一つ行きたい所へのバスを気にしてたら、お昼食べてる時間はなかった。最初と次の宮殿の合間にカフェで解凍中途半端なリンゴタルト食べたのみ。寒いのになんだかね…

ポツダム会談の舞台となったツェツィーリエンホーフ宮殿に行くのにバス停へ。バス停に行くと、またまたご夫妻がいた。もう一組のカップルは2つ目の宮殿でフラッシュNGって注意されてるのに、平気でフラッシュ撮影してた旅慣れてない西アジア系。さすがに三度も一緒になったし、バス待ちだからご主人とお話しすることに。ザルツブルグ在住のフランス人と判明。話が盛り上がってた所に、西アジア系のオッサンが会話に入って来て、しかもよく分からんエーゴで割り込んで来た。理解に苦しむエーゴだったが、ご主人は心が広く、丁寧に対応していて聞き上手だった。奥さんは自分と同じ思いで、ナニコノヒト…。って感じでご主人に仏語でその様に囁いてる様に見えた。ブロークンもブロークンなエーゴで、「オレ、エーゴハナセルゼ!」のセリフを吐かれた時には、ある意味脱帽だった。日本人に少しでも彼のエッセンスがあれば、「私、英語話せないんです〜」って謙遜する日本人はだいぶ減ると思うが。

仏人ご夫婦も自分と同じツェツィーリエンホーフ宮殿に向かうとのことで、一緒に行くことになった。直通バスがないから、バスを乗り換えなければならなかったが、乗り換えのバス停を探すのに3人で苦労した。やっと見つけたバス停で次のバスは15分待ちでどうするかと思ったが、現地の道行く女性に尋ねると歩いて15分で着くと教えてくれたから、「では歩いて行きましょう」となった。

ご主人が現地の方と独語でやり取りして、自分とはエーゴだから何カ国語話せるか聞いてみたら、仏・独・英とのことで「英語が一番簡単で、仏語が一番難しいから母国語で良かった」と笑って教えてくれた。「そろそろ15分は歩いたよね…」って話してた3人にバスが追いついたのには笑った。奥さんが「きっと道を教えてくれた女性の足で15分ね」と。「そうですね!」

ツェツィーリエンホーフ宮殿は公園の中にあった。奥さんと、「今日はそんなに寒くなくて歩くのにちょうど良いですね!」と話した。

ツェツィーリエンホーフ宮殿は今までの宮殿とは異なってて、現代風の家だった。米・ソ・英と、会議のテーブルはそのまま残されて展示されてた。最後のパネルとオーディオガイドで、この会議で日本に降伏を促したが(「降伏しないと酷い目に遭うぞ!」と脅したらしい)、日本は強烈にそれを却下してしまったことで広島と長崎の原爆投下に繋がってしまった事は残念でならない。

仏人ご夫妻は先に見終わって部屋を後にしていた。自分はまだ原爆投下後の被害の様子のパネルで立ち止まったまま、日本ってなんてバカな国なんだろうとしばし思いを巡らせて、そろそろ部屋を出ようとしたら、各部屋のドアを開けながらこのツアーを進めてくれたお兄さんが、「普段は開けないんだけど特別に」と、パネルが置いてあった部屋からガラスの扉越しにしか見学できない、朝食の間のガラス扉の鍵を開けて中に入らせてくれた。「部屋の空気を吸ってごらん。歴史の香りがするだろ?」と。古い壁紙に染み付いた匂いと言うか、なんと言うか、確かに歴史の香りがした。静けさの中で、しばしこの瞬間を味わった。お兄さんによると、壁に描かれた自然と窓の外の木々が春になると調和してそれはそれは美しいとのこと。

普段は開かない部屋で写真は遠慮すべきかと思ったが、ダメ元で聞いてみたら、「ナイショでOK!」との事で、1枚だけ撮った。「ご親切にどうもありがとうございました!」とお礼を述べると、「今この宮殿で所々改修作業があるから、ガイドとしてあまり仕事がなくて、ヒマでね(笑)」と。暇つぶしにしても、随分ナイスな暇つぶしだな。って思った。

部屋を出た出入口では仏ご夫妻が待ってて下さり、自分は駅に戻ろうとしたが、橋があるからそこに行ってみるとのことだった。ここでお別れのハズが、ガイドのお兄さんが「東西のスパイが情報交換してた橋で、湖沿いを歩くと美しいよ!」とのことで、「ではせっかくなので自分もご一緒してよろしいでしょうか?」とお伺いした所、OKが出た。

仏ご夫妻のご旅行で、見知らぬ日本人と一緒にほぼ1日行動して下さるって、本当に心が広いなぁ。橋は日本でも公開されてた映画、トム・ハンクスのアメリカンスパイ?を撮影した所と教えてくれた。お二人とも良くご存知で、自分の情報量ってカスだと思った(苦笑)。

湖沿いを歩いてると、今まであまり会話に参加してなかった奥さんが、「エーゴはあまり話せないの」と前置きしつつ、お嬢さんが夜間の日本語レッスンに通った後に2年間日本に留学して現在はフランスで日本語の先生をしてると教えてくれた。息子さんも日本に行ったことがあるし、ご主人は日系の会社で働いてた現役時代に何度か日本に行ったことがあるし、奥さんも東京と京都に行ったことがあるという…。たぶん自分が日本人だから親しみをもって今日1日接してくれたのだと思う。

ご主人に「25日間も休ませてくれる会社が日本にあるなんて。良い会社だね!」って言われた時には笑えた。橋にたどり着いた。橋の側でご主人が奥さんと自分の写真を撮ってくれたから、自分はお二人の写真を撮って差し上げた。橋のそばに世界遺産マークが見えた。

1日がかりの日帰り旅行だったが、終わってみると予定通りの時間だった。中心部に戻るトラムに乗り込み、ご夫妻は途中で降りるとのことで、握手して、お二人のお時間をお邪魔してしまったことをお詫びして、メルシーとともにセイグッバイした。

ポツダム駅に着いて、薬を飲みたかったから遅い昼食にした。米…。ヨカッタ。駅構内にフードコート。タイ料理屋さんがあった。レモングラスチキン+米で4.5ユーロ。チキン、ウマかった。米はやっぱり足りない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?