目の前にあることをやるしかない

最近、フミコフミオさんという方のブログを読むのが好きだ。
元々はご飯系サイトに寄稿されていて、文章が非常に面白くてTwitterでフォローしたのだが、この方のビジネス系の寄稿にハマってしまった。

▼仕事を好きになる必要は無い。でも誠実であれ。
https://www.pasonacareer.jp/hatalabo/entry/2018/04/11

上記のエントリーを読んで、「こういうことを言ってくれる大人に会いたかったんだよ!」という気持ちで、嬉しくなってしまった。

フミコフミオさんは某ブラック企業の営業マンとして活躍された後に転職し、ホワイト体質企業の営業部長をされている。
読んでいる限り、特出した話術や技術をお持ちのスーパー営業マンではない。ごく普通のサラリーマンでいらっしゃるのだと思う。

スキルもコネも無く、ただこの方は長く仕事をこつこつと、誠実にやってきた。
その積み重ねに、今の地位がある。

こういう「昔は当たり前だったよね」のビジネスブログ、最近全然読めてなかったのだ。
ベンチャー気質と若者の起業、昔からある企業体質への批判。

私は凡庸な人間だから、ごく普通の人間がごく普通に努力した先にある成功に夢を見たいのだ。

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3年前、今まで勤めていた部署が解体され、私は営業課に異動となった。
社内でも各所で大きな異動があり、他の営業社員の顧客を引き継ぐことになった。

引き継いで数週間後。
ある顧客について、対応が漏れていた比較的大きなミスが発覚した。
しかも、そのミスは数年放置されたままだった。

引き継ぎの経路を説明すると、

A課長(地方へ異動。元々ミスの原因はこの人だった)

同僚B(A課長から引継後1ヶ月で退職)

ミスについてA課長に確認したところ、本人も初めて気付いたらしく、謝罪の上、以降の対応も地方から出来うることはフォローしてくれた。

私はA課長に文句を言う気持ちは無い。
問題は、Bだった。

問題解決後、退職後の手続きで会社に来たBに偶然会った為、事の経緯を説明した。
私はてっきり、Bはこのミスに気付く前に退職しただけなのだと思っていた。


「あ、あれ気付いちゃったんだね」

なんとB、ミスを知っていた。

「全部処理したんだ偉いね。あんな何年分も、自分のせいじゃないことやるなんてごめんだよ」

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確かにミスはBのせいではない。退職するBにその処理を行なう責任はない。
ただせめて、後任である私に何故もっと早く、この問題を教えてくれなかったのか。

私は驚きと落胆が大きく、後輩Cにその件を軽く愚痴った。

Cは言った。

「でも、Bさんの気持ちも分かります。あさひさんに面倒事をやらせたくなかったんですよ」

意外な回答だった。

「あさひさんは問題があった時、『とにかくやらなきゃ』って動きますよね。
俺もBさんと同じタイプだから分かりますけど、黙ってりゃ分からないなって。
しかも数年分で処理面倒なら、自分が黙ってりゃあさひさんも気付かないでいられる。
そうやってすぐ腰を上げられない人間もいるんですよ」

自分の非の有無は差し置いて、まず目の前の問題に1つ1つ、取り組むこと。
私は凡庸な人間だったが、それだけはこなしてきたつもりだ。
むしろ、社会人は皆それで当然だと思っていたが、どうやら違ったらしい。
それはもの凄くカルチャーショックだった。

BもCも、もう会社にはいない。
ただ両者とも(他の社員に聞いた話だが)そこそこ迷惑な置き土産を後任者に残して、辞めていったらしい。

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私の思い出話になってしまいましたが。
今まで大事にしてきたこつこつ、多分無駄ではないんだろう、と元気を貰えたビジネスブログでした。
誠実に、腐らないで働いていきたいですね。




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