無個性から抜け出したがる若者たち

無個性から抜け出したがる若者たち


お盆に田舎の親戚の家に泊りがけで行った。
今住む自宅から、3時間ほどかけての電車での長旅。乗り換えがいくつかあり、途中からは2両編成のローカル電車になった。

お盆だからか、はたまたいつもこうなのかわからないが、車内は満席で座る席がなく、田園風景と川を眺めながら立って揺られていった。

車窓から見る景色は、緑の濃さを増し、無人駅が増えていった。
そういえば田舎にいけば目にする無人機駅の存在を久しぶりに思い出し、懐かしく思い、いくつかの無人駅を経たところで目的の駅で下車した。


親戚(叔父)の家までは駅から車で2~30分だろうか。山に囲まれた田畑の広がる昔ながらの家に到着した。
お昼時だったので叔父夫婦と食事をしながら、近況報告をし、テレビで甲子園での高校野球を見ながら世間話をした。

ひととおりの時間が過ぎるとまったりして、手持ち無沙汰になってきたなという時に掘りごたつのテーブルからのけぞった先に少し古びた本が置いてあったのでパラパラとめくり始めた。
軽い気持ちで流し読みをしていると、あっ!と共感するところがいくつか書いてあったので、最初から真剣に読んでみることにした。


これまでの日本社会がつちかってきた物質的に豊かで、便利で新しい、生活スタイルに価値を見出せなくなっている。
現代の若者は見の丈にあった暮らしを望み、人がワサワサ住んでいる雑多な暮らしをしてみたいと思う。
無個性で面白みのない人間になる恐怖をかかえている。
若さゆえのアウトローだけでなく、質素でも人が集う生活の中に漂う人間味や生活感を追い求めている。



日頃からすごく感じていたことだったけど、的確に文章で表現してあったのでとても高揚した。

「無個性で面白みのない人間になる恐怖をかかえている」について、わたし自身もその一人で、常に日常を脱して変化していきたいと望んでいる。

「質素でも人が集う生活の中に漂う人間味や生活感を追い求めている」については、周りの独身知人がその傾向にあり、シェアハウスに住んだりしている。また、ネットでもシェアハウスを求める若者が多いことは知っている。


これらはなぜそうなったかというと、昭和から平成にかけて日本社会の構造の変化が原因として大きい。
いくつかの要因を以下に書いてみると、ざっとこうだ。


・核家族化

・近所付き合いのほぼほぼ無くなった社会

・上司と部下のつきあいが激減した会社生活

・会社と自宅の往復の生活

・晩婚化の進行

・ネット社会の普及、リアルな友人との繋がりの減少


これらから、若者たちをはじめ多くの人々が、人が集う生活の中に漂う人間味や生活感に飢えていて、欲している。


以前は当たり前のようにあった、
家族で食卓を囲む、お盆と正月には親戚で集まる、近所通しの付き合いがありお菓子を貰ったり雑談をする、近所の人が子供が悪いことをしたら叱ってくれる、学校の先生が愛を持って叱ってくれる(今はパワハラや体罰といわれできない)、学校の友達だけでなくて近所の友達と外で遊ぶ、友達の家に集まって一緒にゲームをする、上司と部下で飲みに行きお互いの思いを語る。

そして、家族と友人との繋がりも深かった。


だが次第に日本社会は物質的に豊かになり、子供は大人になると家を出ていき、都会にひとは集まり、便利で新しい生活スタイルを始めた。
そのしばらく後、今度は親が躾をせず過剰に子供を守ろうとし学校にクレーム、教師はノイローゼ、甘やかされた子供は成人しても自立せず実家住まい、企業の正社員雇用の減少、上司と部下とのコミュニケーションの減少、そしてネット社会の普及(リアルな繋がりの減少、何かをしたらすぐ情報が拡散し問題視される)によって、以前は当たり前のようにあったこれらの人間味や生活感を得る人の繋がりは、激減した。

それと同時に、サラリーマン生活に無個性で面白みのない人間になる恐怖や嫌気を感じて、フリーランスや個人起業への道を歩みだしている。
(終身雇用の保証の崩壊への不安もバックボーンとして少なからずある)


これは一見矛盾しているように見える。

それは人と関わりたいのに、会社での上司や同僚、部下などの人のかかわりは望まず、会社の外へ繋がりを求めだしているからだ。
会社の繋がりは所詮、会社が潰れたら終わりという現実を見据えていて、リスクヘッジと同時に、もっと自分にとって刺激があり、楽しく仕事をできる繋がりを求めていることが顕著に現れていると思われる。


あと、今まで述べてきたことは若者だけでなく30代以降の中年(独身に多い)にも現れている。
「金を稼いでも特に何か欲しいものがなく虚しい」と感じている中年も増えており、会社でも昇進意欲はない。

彼らはこう言う。「今の給料で特段生活に支障がないから。残業はあまりせず帰って、仕事とは違うことをしたい」
(親と同居、または親から家を譲り受けていることもあって衣食住に不満を感じていないようだ。)


わたしは親とは同居していないが、同じように「なんなら、副業OKの会社にしてほしい」とさえ思っている。そしたら短期アルバイトみたいなこともできるし、自分のプライベートでの得意分野を生かして楽しくお金を稼ぐこともできる。
(町コンみたいなイベントをしてみたいなぁ。コンサルも興味がある)

それは、高度成長時代の会社ならいざ知らず、今の成熟してストレスの多い会社勤めのサラリーマンでは、「無個性で面白みのない人間になる」と感じているからだ。


二日かけて時おり鈴虫の鳴き声を聴きながら、古びた本を読み終えた。
2006年発刊のそのタイトルには「イギリス式 お金をかけず楽しく生きる」と書いてあった。




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