七草なばな

愉快になる話が読みたい。主に読む人です。気紛れに気が向いたときに、書いたりします。

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マガジン

  • S. キング 読書感想文

    今まで書いた、スティーブン・キングの小説(と映画)の感想文のまとめ。

最近の記事

思いの外、間があいてしまった。たぶん、S.キングで、次に読み始めた小説がもうひとつはまらなかったからか… 他にも面白い本はいろいろ読んだので、またぼちぼち書いていければ。

    • 読書感想文 スティーブン・キング『ペット・セマタリー』

       えっ、『ペット・セメタリー』じゃなかった?と思うところだが、小説の中で子供がスペルを間違えて書いてるのを、訳者が日本語に反映したとのこと。映画では、説明しきれないところなので、『ペット・セメタリー』となっている。  これもまた、不気味とか怖いとかいう、読む前からのイメージがあるんだけれど(たぶん映画の影響)、読んでみると印象が違った。  失った大事なペットや大事な人を蘇らせる方法があるのなら、実際それに手を染めるかどうかという人間の気持ちを描いた小説じゃないかと。  舞

      • 読書感想文 スティーブン・キング『IT』

         「IT」の映画のキャッチコピーは、「それが見えたら終わり」 うーん、うまく言えないけれど、ぞっとする、わっと脅かす、どっちのホラーなんだろうか? と思いつつ、読み始める。  そりゃ、怖い話だけれど、予想していた怖さとは違った。キングの持ち味のひとつは、地域密着型(と言っていいのか)の話を紡ぎ出すところだと思う。登場人物たちは、多くの場合、ひとつの町、町中の住民のことを誰もが知っているような、けっこう狭いコミュニティで生活している。その小さなコミュニティでの登場人物たちの生

        • 続:「Ghost of Tsushima」をプレイする

          気長に進めているゴースト・オブ・ツシマ、対馬の方はエンディングにたどり着いたので、壱岐之譚をやっている。  いったんケリが付いたのに、どういう物語になるのかな?と思っていたけれど、対馬での話を盛り込む手段がうまいなぁ! そして、対馬編でほのめかされていた、境井仁の少年時代の大きなトラウマの振り返りも。  対馬は、物語が進むにつれて北の方へ進んでいくけれど、秋がだんだん深まって、雪降る景色に移っていくのが、主人公の心境と相まって、とてもいい。壱岐の方は、そんなに景色の大きな

        思いの外、間があいてしまった。たぶん、S.キングで、次に読み始めた小説がもうひとつはまらなかったからか… 他にも面白い本はいろいろ読んだので、またぼちぼち書いていければ。

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        • S. キング 読書感想文
          5本

        記事

          また2ヶ月空いてしまった。これが自分のペースということで。

          また2ヶ月空いてしまった。これが自分のペースということで。

          個人的びっくりしたー!なミステリー小説タイトルピックアップ

           ミステリーで、これはびっくりした!!という作品について書いてみたいと思ったけれど、詳しく書いたらネタバレだし、タイトル挙げただけでもネタバレかな?と思ったが、タイトルだけでも書こうと思う。ネタバレNGな方は、この後はご遠慮ください…  さすがに、どの点でびっくりしたかは書くのがはばかられるので、だいたい読んだ順のタイトル羅列で。 ・貴志祐介「天使の囀り」 ・澤村伊智「予言の島」 ・三津田信三「忌館」「作者不詳」「蛇棺葬」「百蛇堂」(作家シリーズ) ・麻耶雄嵩「翼ある闇 

          個人的びっくりしたー!なミステリー小説タイトルピックアップ

          私の「中之島小説」 -- 有栖川有栖『鍵の掛かった男』

           この作家の本を読むのは、本当に初めて。読む気になったのは、中之島のホテルが舞台というところ。本の頭に、中之島近辺の地図と主な建物が載っているのもよい。  物語の舞台となる「銀星ホテル」は、もちろんフィクションの中の存在だけれど、レトロなプチホテルで、そこのレストランのフランス料理は、値段は張るがおいしいという評判。これはとてもいい感じがして、実在していたら、泊まりたいと思う。  そして、小説内で、中之島を繰り返し散歩することになるわけだけれど、中之島を散歩するというのは、

          私の「中之島小説」 -- 有栖川有栖『鍵の掛かった男』

          読書感想文 スティーブン・キング『ミザリー』

           『ミザリー』については、中途半端な映画紹介の知識くらいで、「作家が、頭おかしい女性ファンに監禁されて、小説を書かされる」くらいしか知らなかったので、ここは小説も読んでみようという話。  初っぱなから、この「あなたのナンバーワン・ファン」が怖いのなんの。そんな飴と鞭ならぬ、痛みと薬でコントロールしようとか、邪悪すぎる! そして、作家が書き上げたばかりの「個人的最高傑作」の原稿を焼き捨てられて、彼女がお気に入りの既存シリーズもの(19世紀イギリスが舞台のメロドラマ。この主人公

          読書感想文 スティーブン・キング『ミザリー』

          自己紹介記事を書こうとして、何度か挫折した。書いたものから察してもらえれば。

          自己紹介記事を書こうとして、何度か挫折した。書いたものから察してもらえれば。

          散歩する習慣

           ウォーキングなどの軽い運動を継続してやるように。何かしらの健康診断の結果で引っかかった場合に医者に言われる言葉である。今までは、そんな気力体力はない、という一点張りでやらないできたが、ほぼ在宅な生活を送る合間に、猛暑もやや和らいできたことだし、無理にでも習慣にしようとしてみた。  とにかく基礎的な体力がないし、うだうだ考えていると、外にでる気力がなくなっていくので、「なるべく短時間で家を出れる前準備」をする事にした。散歩用の服・靴はこれを着て出ると決めておく(服選びで迷わな

          散歩する習慣

          「Ghost of Tsushima」をプレイする

           PS5が手に入ることになったので、どのゲームをプレイしようか考えて、ずっと気になっていた、ゴースト・オブ・ツシマをプレイすることにした。これが予想以上にはまる!  「時代劇感」というのが、本当に言い得て妙。ストーリーや映像、斬った後の刀の引き抜き方、1対1の勝負がこちらが鯉口を切った瞬間から始まることなどにもこだわりがある。メインシナリオが「仁の道」、サブシナリオが「浮世草」となっているが、やはり一癖ありすぎる登場人物の魅力か、物語を次々とたどっていきたくなり、止まらなくな

          「Ghost of Tsushima」をプレイする

          映画『ミスト』 -スティーブン・キング『霧』

           さて、小説を読んだので、映画版も見てみようと思った。アマプラにあったので見てみる。感想は、なんだか不遜な言い方だけれど、「よくできている」  小説の方は、主人公の心の中の描写がけっこうあるところをすっぱりとカットして、テンポのいい物語になっている。まぁ、小説でははっきりと言わずに、ほのめかし程度だったことが、はっきり言われていたり、違うところはあるけれど。  やはり、この人物はどう描かれてるんだろうと気になっていたのは、宗教オバサンのミセス・カーモディと、実はものすごくで

          映画『ミスト』 -スティーブン・キング『霧』

          読書感想文 スティーブン・キング『霧』

           映画なんかでチラッと知っているようだけど、よく考えると話の筋をよく知らない小説を読むことにした。最近は、特にホラーに嗜好が傾いているので、じゃあ、スティーブン・キング読んでみっか!ということで『霧』  キングは、よーく考えると『キャリー』は読んでいる。むかーし図書館で読んだ気がする。(映画は怖すぎた) その頃は怖い映画わざわざ見る意味が分からん人だったので、『ミザリー』『ペットセメタリー』なんかの映画も見ていない。  さて『霧』面白いなぁ…… その土地にずっと住んでる地

          読書感想文 スティーブン・キング『霧』

          2ヶ月ごとに書こうかなと思うらしい。

          2ヶ月ごとに書こうかなと思うらしい。

          ドンブラザーズとタローマンを続けて見た話

           いわゆるニチアサを継続して見る習慣がないので、何かのきっかけがあったら、ワンシーズン見ることが多い。ちなみに、この前に見たのは「仮面ライダービルド」(何年前だよ)  「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」は、TL阿鼻叫喚だったので、見てみたらハマった……というか、気になって仕方ないので見るという感じに。これは鬼頭はるか好きになるだろ。  タローマンもTLがその話題で埋め尽くされてるので見た。  両方とも、ストーリー or 内容も面白いけれど、スーツアクターの動きに魅せられる。特

          ドンブラザーズとタローマンを続けて見た話

          『火星の人』を読んで考えた ~危機的状況での問題解決思考

           『プロジェクト・ヘイル・メアリー』に引き続き、『火星の人』も読む。 想定外の事態に陥り、自分一人しかいない場合にサバイバルできるか? もうちょっと言うと、適切な問題解決ができるか?  この物語は、問題解決思考とは?という壮大な思考実験なのかもしれない。それも、エリートが隙のない思考と行動でもって解決するというよりも、普通にグチったり泣いたりする人間がそれをしているというのが、読者にとっては魅力的に感じられる。(そもそも宇宙飛行士という存在が、訓練を積み、知識と技術を備えたす

          『火星の人』を読んで考えた ~危機的状況での問題解決思考