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映像がちらつく

 圏外から脱出成功、我が実家は電気はある、テレビも見れる水道は水が出ている、スマホ・パソコン機能果たさなくなる、よってとても静かな午前となり、雪で遅くなりしお坊様無事到着、お彼岸が来る。
 神妙にお経を聞く事10分程か ? 声のトーンはファの音階日本語らしき言葉ではなくどこぞの古代語の様に聞こえる。
 人により此処まで違うものかと考えている内に終わり、一礼、二礼、五礼もしながらお坊様は次のお家へ急いで車に乗り走り去って行った。
 
 一年に百回くらいは甦る映像がある、思い出しては笑い、何故?、どうして、不思議、ショック、目が点、そうかなりのショックを受けた事は確かであるから何時までも映像は甦り、またいぶかしく思うのだろう。
 
 車を停めようとした先に針金の様に細いお爺さんが、18リットルほどのバケツ一杯に豆をてんこ盛り、お爺さんは大分腰が曲がり今にも倒れそうにみえる。
 ドアを開けて「おはよ・・」ございます、が言えなかった。
 山盛りの豆のバケツを持ち直し物凄い勢いでそのお家の裏の方へ走って逃げて行ったのである。
 この一分もない映像は (笑) 鮮明に脳裏に焼き付き、あのお爺さんの顔の表情さえも浮かびあがってくる。
 私が犬ならば (笑) そうねシェパードがいいわね、ニマッ 野太い声でワンワンけたたましく吠えまくり脱兎の如く追いかけてみたいわ。

「どうして逃げたの ? 」

「逃げた理由を言いなさい」

「逃げたら追いかけたくて仕方がないのよ」

「逃げた理由を聞きたい」

(笑)そんな事したらお爺さん泡吹いて倒れてしまいますね。
 あの映像は私の記憶に焼き印の様にしっかりと刻まれ、事あるごとに繰り返し浮かび上がる事だろう、面白くもあり多少の不思議を漂わせながら、驚きとショックを思い返し、死に間際の枕の上で笑いながら目を閉じるかも知れない・・・(笑) なんてね。


 
 
 
 
 

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