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😨 ホウ〜💦の種


  実家のの家の裏、30メートル位は離れているだろうか ? 一本のホウの木が大きく成長して毎年花を咲かせている。
 木で遊ぶ事が好きだった亡き父が植えた物である。
 毎年の様に花は種になっていた、見上げる高さ、手など届く筈もなく濃いローズピンクの細長い物が木の天辺にある、手に取りじっくり見たくてどうしょうもない。
 毎年、嫌~届かな~い、欲しい、長い棒を持って来て叩き落とそうとした 、ツル性の豆に使う竹ザオを二本繋げて試みても届かなかった。
 悔しい~、心の中では悔しいのオンパレード、団子作りのようにぐにゅぐにゅうに伸びたり縮んだりしている、嫌~ 悔しい~届かなかった~。
 飛び道具があるといいわね、弓とか~拳銃とか、買ってくるか !! イヤイヤそこ迄して見てみたいか ? 私は自分の心に聞いてみた。
 心は言っていた、諦めろ、そこ迄して見たい物では無い筈、やる事が他にも沢山あるだろう、あのローズピンクの細長い物にそれだけの価値は無い筈なのだよ、ほらほら畑のかぼちゃの手入れとかニワトリ達のお散歩が待っているわよ。
 そんな事を思い眺めるだけにした。
 すると台風が来た、とても大きな台風、風がビュウビュウと荒れ狂い大きな木がしなるはしなる、見ていてドキドキする程斜めになっている、それでも倒れない木々達に敬意をはらい見つめていた。
 次の日は台風も収まり、透き通る青空は雲一つない素晴らしく良いお天気になった。
 ホウの木の実の事等すっかり忘れてしまっていたわ~。
 畑のとうきびが風に倒されて、豆も倒れて嫌だわ、どうしょうと考えながら仕方がないから倒れて豆達を元に戻して疲れてしまいました。
 私の病気はウロウロ・モソモソ・キョロキョロとそこら辺をほっつき歩き、何か目新しい物はないかな~、興味をそそる物はないかな~と歩き回る事らしい。
 そして 👀👀 足元にはローズピンクの細長い物が沢山落ちているではありませんか、心はぴょんぴょんスキップ、クルクル回る風車が目にも止まらない速さで回る回る果てしない。
 15~6センチのホウの木の種を持ち上げ、その重さにびっくり、眺めつすがめつ撫でまくり、鼻に近付けて香りがするのかな ? しなかった。
 大切に持ち帰り箱の中に入れて一週間位経っただろうか ? ローズピンクの細長い実は黒ずみ小さく乾燥して中のオレンジの小さな種が見えて来た。
 この時点でえ~っ、気持ち悪い、グロテスクな物がふたつも横たわっている様に見える。
 あれ程欲しかったホウの木のローズピンクの細長い物は、夢破れて山河あり、の心になってしまい適当に写メしてしまった。
 見つめて想い、眺めて思い想像は果てしなく進んでしまった、真実を知って、え~この様な人だったのね~と、好きだった心がガラガラ崩れ落ちて行く、そんな事を経験した人もいるのではないだろうか。
 真実は面白い、それまでの心のときめきが楽しい。 
  

#エッセイ

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