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MUCA展に魅せられて

他のお客さん達がいらっしゃらなかったら
作品の中に溶けてっちゃったかもしれない

今日は六本木は森アーツセンターギャラリーで開催中の『MUCA展』に行ってきました。

MUCA(読:ムカ)はドイツのミュンヘンにある美術館で、ヨーロッパ最大級のアーバン・アート(=壁や建物、道路などの公共の場所に描かれたアート)や現代アートを所蔵しているとのこと。

その美術館の作品が60点以上展示されている本展覧会、私がかねてより気になっていたバンクシーの作品も展示されているとのことで伺ってまいりました。

カウズの愛らしくも激しい脈拍を感じる作品やシェパード・フェアリーの引力強めなメッセージ性を感じる作品、インベーダーの安堵を感じるピクセルアートやスウーンの儚さを感じる作品、ヴィルズのその場から動けなくなるような作品にリチャード・ハンブルトンの脳を揺さぶられるような葛藤と解放を感じられる作品。

JRのフォトアートはカメラがもたらす笑顔や切なさ、ゾッとする恐怖を表現しており、改めて人や物事の捉え方について考えることができました。

心がほぐれるアートの展示もあり、拾ったものやリサイクル素材を取り入れるバリー・マッギーの作品には80年代のレトロポップな作風とやわらかさを感じ、双子兄弟のオス・ジェメオスの作品にはラメやスパンコール(?)を用いた色彩豊かな絵画やユーモア溢れる立体作品に心躍らせました。

そして最後はお待ちかねのバンクシー作品。

私が特に観たかったのが2015年にロンドンで期間限定で開園した悪夢のテーマパーク「ディズマランド」に置かれていた「アリエル」という作品です。

ブースの中央に展示されたアリエルは置かれている床が鏡になっているので360℃プラス下からのアングルも観られる三十路越え大歓喜の鑑賞ができました。

テレビで観ていたオークション落札とともに下半分がシュレッダーがけされてしまった作品や眉間に弾丸をぶち込まれた彫刻、観ていて心がキュウッとなる「風船のない少女」など肉眼でとらえるバンクシーの作品は果汁100%のポンジュースを飲んだような濃厚さを感じました。

こうして何度も何度も持って行かれそうになりながらじっくり鑑賞したMUCA展は終わりました。

滞在時間は1時間ほどだったでしょうか。長いような短いような、時間の感覚さえあやふやになるほど惹きこまれる1時間でした。

普段から不必要に考えすぎる頭の中が空っぽになってスッキリしたような、スッキリしすぎて体がフワフワ浮いてしまいそうな不思議な感覚に今なお襲われています。

そして、MUCA展の感想を絞り出した私の残念な脳みそちゃんは今もうオカラくらいしか残っていません。

この程度でオカラになるとか本当にもう炊いたろかな。炊いてオカラ煮にしたろかなこの脳みそ。さぞ美味しかろうな。

そんなわけで、老若男女問わず惹きこまれること間違いなしなMUCA展。

東京会場(六本木・森アーツセンターギャラリー)での開催は2024年6月2日までとなっています。

肉眼でしか得られない作品達の姿かたちや温度やオーラをゆったり感じ、時には圧倒されながら浸ってみるのはいかがでしょうか。

公式サイトはこちら

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