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ネコだっていろいろと考えてんのよ。

私はこの公園の周りを縄張りにしているネコである。

それにしてもこの夏は暑かった。

日中は歩きまわると頭が痛くなるので公園のベンチで休むことにしている。

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人間たちは、何も考えず四六時中ウトウトと寝ている気楽なネコだと思っているのだろう。しかし、一日中なにもせずにこうやって暑さと湿気に耐えるのも結構つらいものだ。


公園の横の道路にトラックが止まった。

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肉食獣の本能が、後ろ足の筋肉を反応させ、体がビクッと動いて硬直する。

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「動くべきか?」

いや、まだ距離がある。
いざとなれば得意のネコダッシュで逃げ切ることができる。
慌てて逃げる必要はないだろう。
熱い路面を歩くと肉球がしびれるし、何よりも面倒だ。

私はもう少しこのまま様子を見ることにした。


あの車は見たことがある。
どうせいつもの配達だ。
どうってことはない。すぐに出ていくだろう。

運転していた中年の男が、荷物を出そうと何やらゴソゴソやっている。
助手席には中年の女が座っていて私の方をじっと見ている。

「面倒なことにならなければいいが・・」と私は考えた。

私は一度その女から目線を外し、周囲の状況を観察した。
他には誰もいない。

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あの女は間違いなく私に興味を示している。

「どうやら面倒なことが起こりそうだ」 本能がそれを感じている。

この暑い中、汗でベタベタした手で撫でられるのも気持ちが悪い。

仕方がない、静かな場所に移動することにしよう。

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こんな風にネコだっていろいろと考えることがある。

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